本当に7色?
「七色のしあわせ」の歌詞に出てくる「七色」は本当に7色なのか数えてみました。
こちらの映像では、「七色のしあわせ」に続いて、ちょっと音飛びがありますが「愛の湖」も聞けます。
いいですね〜、ピンキーの伸びやかな声はいつ聞いても気持ちが良いです。
キラーズのドスの利いた演奏も良いですね。
セルジオ・メンデスとブラジル’66を目指したバンド、と言いますが、意図したものかどうか、’66のボサノバリズムより、はるかにリズム・アンド・ブルース的な重厚な演奏になっています。
しあわせな7色は虹の7色
さて、「七色」とは具体的に何色だろう、本当に七色あるのか数えてみようと、歌詞をよくよく聞いて、歌の中にに出てくる「七色」を、出てくる順番に書き出してみました。
すると、
1)みどり
2)オレンジ色
3)青
4)むらさき
5)赤
6)レモン
7)ブルー
となって、みごとに虹の7色ですね。
……...って、あれ?
「青」と「ブルー」って同じ色じゃないの?
7色じゃなくて6色?
「七色」と言っても、「青」と「ブルー」が同じ色だとすると、これだと「六色のしあわせ」になってしまうのでは?
と、私も一瞬思いました。しかしながら、作詞の岩谷時子さんはただ者ではありません。
同じ色をただ言い換えただけではないはずです。
なぜ、「青」と「ブルー」を書き分けているのかを考えながら、その謎を探って行きましょう。
虹の七色のかぞえ方
ところで、虹の七色の数え方、覚えてますか
「水金地火木土」、ではなくて、(それは惑星配列)、「にしんたらいかさけますこんぶ」でもなく、(それは北海道名産品)
「あかだいきみどりあおあいすみれ」という覚え方を、私は教わりました。
「赤」あか→赤
「橙」だいだい→オレンジ色
「黄」きいろ→レモン
「緑」みどり→みどり
「青」あお→青かブルー
「藍」あい→ブルーか青
「菫」すみれ→むらさき
となりますね。つまりは「藍」という「濃いめの青」と「青」という「うすめの青」の違いを、「青」と「ブルー」で書き分けているわけです。
「青」と「ブルー」どちらが濃い?
となると、歌詞の中の「青」と「ブルー」、どっちが藍で、どっちが青なのだ、という疑問が出てきますね。
ここは歌詞から探ってみたいと思います。
「青」
歌詞の中で「青」い鳥が出てくるのは、夕方の燃えるような「オレンジ色」の空との対比の中です。
そのオレンジ色の中の止り木に止まっている「しあわせの青い鳥」の色は、やはり「ショッキングブルー」系の色鮮やかな「青」色が、オレンジ色の対抗色として映える(最近は「ばえる」と発音)だろうと思います。
「ピンキラ」デビュー曲「恋の季節」の中でも、海を見ている「あの人」が着ているのは「青い」シャツです。空の青さにも、海の青さにも負けない鮮やかな「青」のシャツだと思います。
「ブルー」
一方、「レモン」の月、つまり黄色のレモンのような月が出るのは「街角」なので、地平線ではなくビルの上でしょう。
その時間にはもう空の青さは「るり色」を通り越して、もっと濃くなっていると思われます。その中で見る恋人の着ている「ブルー」は、明るい水色ではなく、「藍色」ですね。
それはスーツの紺色なのか、インディゴブルーのジーパンなのか。
どちらにしても、もしかしたら「私」のことを象徴しているかも知れない「レモン」のような「月」を、美しく引き立ててくれる「恋人」だと思います。
別のアプローチ
日本語的には、緑の野菜のことを「青物」と言ったり、緑豊かなお城のことを「青葉城」と言ったり、「青」には緑の要素が含まれることがあります。
ということは、光のスペクトル的には「黄色」に近い色、つまり「うすい青」になりますね。
そうなると、もっと青い要素が濃い色はやはり「ブルー」ということになります。
そうそう、トリビア的な事ですが、もともと虹の色はヨーロッパでは5色と思われていたのを、当時の「7は縁起が良い」という風潮に合わせて7色だと主張したのは、三角プリズムで光のスペクトルを発見したニュートンです。
今回のお話
というわけで、今回のお話は、ピンキーとキラーズの「七色のしあわせ」の七色のうち、「青」と「ブルー」は同じ色じゃないのか、と探ってみたら、歌詞の「青」は「青」で、「ブルー」は「藍」であることが判明した、というお話でした。
つまり、「七色のしあわせ」歌詞の色言葉を、そのまま「虹色」の順番にならべると、このような順番になります。
赤
オレンジ色
レモン
みどり
青
ブルー
むらさき
と、とてもカラフルなのですが、これは、「ピンキーとキラーズ」のコスチュームが、基本的に色のない「黒と白」であることも関連がありそうですね。
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