一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

松任谷由実さんの「春よ、来い」は龍神が、イルカさんの「ラピスの丘で」は薬師如来が、時空を超えて守っている

TBSの3月13日放送の情報バラエティー番組「サタデープラス」で紹介されていたのですが、1000人に聞いた「春を感じる曲ランキング」ベスト10の1位の曲は、松任谷由実さんの「春よ、来い」でした。

 

 


松任谷由実 - 春よ、来い

 

1位になるだけあって、良い曲ですね。

 

utaten.com

 

この曲は1994年のNHK朝ドラ「春よ、来い」の主題歌です。

橋田壽賀子さんの半生を描いたドラマですが、私は見ていません。

 

松任谷由実さんの作詞作曲、そして歌。

シンガー・ソングライターの草分けですね。

 

 「春よ、来い」は過去から現在、そして未来へ時空を超える

この曲の歌詞は深いと思います。

 

恋心とは、自分が以前に体験したことのある「過去」の感情でありながら、「現在」の自分も持っている感情であり、しかもそれは「未来」の自分にやってくる感情でもあります。

 

そして、それが花開くのは、桜の季節なのですね。

桜の映像はとても効果的に使われていると思います。

 

花が咲くから春なのか、春だから花が咲くのか

もちろん、恋の花が開くのは、季節の「春」に限ったことではありません。

春だから花が開くのではなく、花が開いたときが「春」なのです。

 

もっとも、もう一段階深く考えると、そういう自分自身を含めた環境全体が、人や仕事や運の流れ、タイミングが整ったから、つまりそれが「春」と呼ぶならば、「春になったから」恋をする、ということになりますね。

 

そうすると「春よ、来い」というのは、そんな環境が早く整ってほしい、というわくわくする想いであり、春は恋が始まるのにお似合いの季節、ということになりますね。

 どっぷりハマってしまう

「春よ、来い」この言葉を、もしかして、松任谷由実さんは「春よ、恋」と読んだのかもしれません。そこからこの曲が生まれた、と推測もできます。

 

「恋」は時空を超えた、人間としての普遍的な感情ですね。詩情があふれていると思います。しみじみ聞いていると、どっぷり浸かってしまいますね。

 

30代40代の女性に支持されている、というのも分かるような気がします。

 思い出すのはイルカさんの「ラピスの丘で」

さて、この歌を聞くと、私は同じくシンガー・ソングライターであるイルカさんの「ラピスの丘で」を思い出します。

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こちらは1993年の曲です。

共通するものは時空を超えた恋心


イルカさんの旦那さんが早くして亡くなられたことは存じ上げておりましたので、「ラピスの丘で」は旦那さんのことを歌った曲だと思い込んでおりました。

 

ところが、旦那さんが亡くなったのは2007年。

 

そうすると、旦那さんへの思い、に限ったことではなく、やはり普遍的な「恋心」「あこがれ」といった、時空を超えた感情についての歌だったのですね。

 

ラピスの丘で ~Lapislazuli~

ラピスの丘で ~Lapislazuli~

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そうすると、ますます「春よ、来い」との共通性が感じられます。

 

「春よ、来い」の方は1994年なのですが、個人的に私はこの頃は仕事以外は目に入らない人間だったので、お二人のこんないい曲たちがあるのを知らずに過ごしておりました。

もったいないことをしたものであります。

 

作家のお二人とも女性なのですが、この曲たちのテーマについて、何か女性でないと分からない部分があるのかなあ、とも思いますね。

私は男ですが、このお二人の歌詞の詩情はよく分かるつもりです。しかし、男であることによって、何か感覚的に取りこぼしている部分があるのではないかという気が、ちょっとします。

 「春よ、来い」龍バージョン

ところで、松任谷由実さんの「春よ、来い」のライブバージョンを見つけました。

この映像では「龍」が目立つ演出になっています。


松任谷由実 – 春よ、来い(TIME MACHINE TOUR Traveling through 45 years)

 

なぜ「龍」なのだろう、と考えて、ふと思い当たりました。

「春」の守り神は「龍」

中国天文学から日本の神社にまで流れる「四神(ししん)」という考え方があります。

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東西南北の方位にはそれぞれ守り神がいるのですね。東が龍、南が朱雀、西が白虎、北が玄武(亀)です。

 

そして、東西南北には季節も割り当てられています。東は春、南は夏、西は秋、北は冬です。

 

さらにそれぞれの方角に「色」もあります。東は青(緑のこと)、南は赤、西は白、北は黒です。

 

「春よ、来い」の「春」は東にあたります。色は字づらは「青」なので「青春」ですね。そして東は本来の色である「緑」の龍が守るのです。

というわけで、「龍」がフィーチャーされているわけです。

 

春よ、来い

春よ、来い

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 「ラピス」の守り本尊は「薬師如来」

その連想で言うと、イルカさんの「ラピスの丘で」の「ラピス」は宝石の「ラピスラズリ」のことであり、その色は、濃くて鮮やかな青です。日本では「瑠璃色(るりいろ)」と言います。

 

さて、「瑠璃光菩薩(るりこうぼさつ)」という仏さまがいらっしゃいます。「薬師如来(やくしにょらい)」のことです。「薬師瑠璃光菩薩」と言ったりします。

 

薬師瑠璃光菩薩は日光菩薩(にっこうぼさつ)、月光菩薩(がっこうぼさつ)を両側に従えています。

 

「瑠璃光」とは、日が沈んだ後、あるいは夜明け前、空が白み始める前の深い青色の空の色です。つまり、空の中に太陽も月もある、ということになり、空の仏さま、宇宙の仏さま、という壮大な仏さまです。

 恋心は永遠に

この2曲に歌われている詩情は切なくも、龍神に守られて、宇宙に通じる、人間にとって、とても大切で重要な情なのだろうと感じます。

 

今回のお話

今回は、松任谷由実さんの「春よ、来い」、イルカさんの「ラピスの丘で」をよくよく聞きこんでみたら、龍神に守られて、宇宙に通じる恋心が歌われている、という、納得と安心と、希望にあふれた結論になった、というお話でした。