- 「マリ・サムエルセン」ヴィヴァルディ「四季」より、「夏」
- 寒いと震えて速く弾く?
- マルチナス"Martynas"、ブラームス「ハンガリー舞曲5番」
- カラヤン、モーツアルト「フィガロの結婚・序曲」
- スプートニクス「空の終列車」
- 日本で速弾きと言えば「津軽三味線」ですね。吉田兄弟「鼓動」
- 今回のお話
ひょっとして、寒い国や寒い地方出身の演奏家は演奏スピードが速いのだろうか。
という仮説を持つきっかけになったのは、彼女の演奏です。
「マリ・サムエルセン」ヴィヴァルディ「四季」より、「夏」
私もヴィヴァルディは色々聞いて来ましたが、こんなにハイスピード、快速どころか超特急な演奏は聞いたことがありません。
速く弾くことのできる限界のスピードではないかと思えるくらいのテンポで、それがまた聞いていて気持ち良いのですね。
おお、すごいすごい、あれよあれよだけど、たしかに、こうでなくちゃだよね〜、という感じです。
また、その演奏スピードに、周りの演奏者たちも置いてけぼりにならずに、ちゃんとついて来ているのも大したものです。
彼女は「マリ・サムエルセン」という名前で、北欧ノルウェーの人です。
ノルウェーの、あまり聞いたことがない「ハーマル市」の出身。「ハーマル市」のちょっと南にある首都「オスロ市」では、1月の平均最高気温がなんとマイナス4℃くらい、さらに最低気温はマイナス9℃です。
これは寒い。
寒いと震えて速く弾く?
寒いと、人間だけではなく、動物も、ブルブル震えます。
これは細かく震えて運動することにより、体温を上げる、という意味があるんですね。
寒い地方出身の音楽家は、そのフルブル震える、いつも慣れ親しんでいるブルブル動作を、そのまま演奏に持ち込んだようにも見える、と思ったわけです。
ブルブル速度が速いほど、体温も早く上がることになります。
なので、寒い地方に住んでいる演奏家ほど、楽器を速く演奏する傾向があるのではないか、という仮説が思い浮かんだのです。
ちなみに、「マリ・サムエルセン」の周りで演奏してちゃんとついて来ている人たち "Trondheim Soloists" (トロンハイム・ソロイスツ)も、同じく、北欧ノルウェーの合奏団です。
楽器を速く演奏すれば、運動量は増え、体温は上昇します。
体温が上昇すれば、パフォーマンスが良くなることは容易に想像できますね。
演奏の質向上にもつながっているのではないか、というところまで連想は飛びます。
というわけで、いろいろな速弾き演奏家の出身地を調べてみました。
マルチナス"Martynas"、ブラームス「ハンガリー舞曲5番」
マルチナスは北欧リトアニア出身です。
ちなみに作曲のブラームスはドイツ北部、ハンブルグの出身です。
カラヤン、モーツアルト「フィガロの結婚・序曲」
カラヤンはモーツァルトと同じザルツブルグの出身です。
ザルツブルグの真冬の平均最高気温は3.2℃
平均最低気温はマイナス4℃です。
モーツァルトもザルツブルグ出身ということは、モーツアルト自身も速弾き演奏家であり、彼が作曲した曲自体も速く演奏するタイプの曲だったのかもしれません。
スプートニクス「空の終列車」
人工衛星の「スプートニク」はソ連製、新型コロナワクチン「スプートニクV」はロシア製ですが、「スプートニクス」はモスクワよりも北にある、北欧スエーデンのエレキバンドです。
リードギタリストの ボー・ウィンベルグの出身地「ヨーテボリ」の1月の平均最高気温は2℃、最低気温はマイナス1℃。寒いです。
日本で速弾きと言えば「津軽三味線」ですね。吉田兄弟「鼓動」
「津軽」は青森県のことで、寒いことは納得できます。
演奏の「吉田兄弟」は、さらに北の、北海道登別出身です。
こうやって見ると、寒い地方の音楽家は速弾きの人が多い、という仮説は、そう間違っていないようにも見えます。
今回のお話
今回は、寒い地方の音楽家は速弾きの曲、速いテンポの曲が多いのではないか、という仮説を立て、それを検証するために、いろいろな速い演奏を集めてみました。
引き続き調査検証しておりますので、なにか情報がありましたら、お知らせ下さい。