- 紅白出場の「きつねダンス」
- 「うたコン」に突如出現したキツネたち
- 兄弟二人組「Ylvis(イルヴィス)」って誰?「エルヴィス」?
- キツネはどんなふうに鳴くんだろう
- ビッグボスがきっかけ
- デュランデュランの「ザ・リフレックス」がヒント?
- 今回のお話
紅白出場の「きつねダンス」
「第73回NHK紅白歌合戦」で、「きつね耳」と「きつねテール」をつけた「乃木坂46」のメンバーと日ハム「ファイターズガール」が、白組の山内惠介さんによる「恋する街角」のバックダンサーとして「きつねダンス」を踊りました。
と思ったら、その次には紅組の「日向坂46」が、やっぱり「きつね耳」を着けて持ち歌の「キツネ」を歌ったので、「坂道きつねリレー」ということになり、かなり盛り上がりました。
そして、年末に至ってこういう盛り上がりになるには、それ以前にちゃんと前フリの状況があったんですね。
「うたコン」に突如出現したキツネたち
NHKの歌番組「うたコン」に突如、チアリーダーたちとキツネの着ぐるみの二人組が出演。キツネ二人組が歌う聞いたこともない音楽に乗って、チアリーダーたちが見たこともないダンスを踊っていました。
この番組のゲストである「米米CLUB」の石井竜也さんが、曲の中で「デュランデュランみたいなとところもあった」という感想。
チアリーダーはどこのチアリーダーなのか、歌の二人組はどこの人たちなのか、スポーツ音痴の私には何もかも初めてな要素ばかりだったので、この音楽のタイトル「The Fox」ではありませんが、「キツネ」につままれた気分。
そこで、いろいろ調べてみることに。
兄弟二人組「Ylvis(イルヴィス)」って誰?「エルヴィス」?
早速ですが、原曲はこちらでした。
ノルウェーの兄弟二人組のデュオユニット「Ylvis(イルヴィス)」の「The Fox」(きつね)というタイトルの2013年のヒット曲。
「Ylvis」The Fox(歌詞付き)
二人の名前が、
ヴェガード・ウルハイム・イルヴィソーケル(Vegard Urheim Ylvisåker)
生年月日:1979年5月19日(43歳)
10年間付き合った女性と2011年に結婚。2013年現在、2人の子供がいる。
ボード・ウルハイム・イルヴィソーケル(Bård Urheim Ylvisåker)
生年月日:1982年3月21日(40歳)
2012年に結婚。2013年現在、3人の子供がいる。
wikiより
となっているので、名前のうちの、姓の部分「Ylvisåker」(イルヴィソーケル)の前半を取ってコンビ名「Ylvis」(イルヴィス)にしたんですね。
兄妹で姓をグループ名にした「カーペンターズ」とか、兄弟の姓をそのまま出した「千原兄弟」みたいなノリでしょうか。
「エルヴィス」プレスリーをもじった名前ではありませんでした。
wiki記事の中の「2013年現在」というのは、2013年の「The Fox」のヒットで世間の注目を集めたので、wikiの記事になった、ということを表しているんでしょうね。
キツネはどんなふうに鳴くんだろう
歌詞も、日本語訳が映像の画面に出てきますが、「犬がワンワン」やら「猫がニャーオ」やら鳴いているのは分かるものの、そう言えばキツネはどう鳴くんだろう、と、キツネの鳴き声をいろいろ想像して、いろいろな鳴き方を試しにやってみている、という内容の曲ですね。
メロディーには乗らずにリズムにだけ乗っていろいろ叫んでいる部分が、聞いたこともないキツネの声を想像して実演してみているところに当たります。
言われてみれば、キツネは「コンコン」と鳴くというのは日本では常識なのですが、実際に「コンコン」と鳴いているのを聞いたことはありませんね。
そこでネットを探してみると、「コンコン」に近い鳴き声が見つかりました。
この鳴き方だと、たしかに、「コンコン」と聞こえないこともないですね。
この他にもキツネは実に多彩な鳴き方をしていて、この「コンコン」と聞こえる鳴き方がどういう時に鳴く鳴き方なのかもよく分かりません。
時には叫ぶようなこともあるようです。
ビッグボスがきっかけ
さて、2013年にヒットした曲が、9年の時を隔てて再び脚光を浴びることになったきっかけは、「ビッグ・ボス」こと日本ハムファイターズの新庄剛志(しんじょうつよし)監督の誕生です。
wikiによると、
日本の北海道にあるプロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ」が監督の交代に合わせて、演出などを一新することになり、その一環として『The Fox』に合わせてファイターズガールが踊る「きつねダンス」が採用され、その結果、他球団や企業にまで波及するほどの社会現象となった。
これを受けて、2022年9月19日に開催される「きつねダンスDAY」(対千葉ロッテマリーンズ戦)に合わせて初来日し、札幌ドームでファイターズガールと共にパフォーマンスを行うことを同年8月に北海道日本ハム球団が発表[。当日は試合開始前にキツネの着ぐるみ姿で登場し「The Fox」を熱唱、その後2人同時に始球式を行った[。
この「きつねダンスDAY」の時の様子がこちらです。
きつねダンスについての経緯は、こちらが詳しいです。
公式サイトによる「きつねダンス」の踊り方はこちら
選曲から振り付けまで、仕掛け人は尾暮沙織(おぐれさおり)さん。
元ファイターズのチアガールチーム「ファイターズガール」の一員(2008年~2013年)。2012年から現在まで、球団「ダンスアカデミー」のインストラクターです。
もともとは子供がターゲットで、観客席でも踊れるように、足のステップは使わず、手だけの動きでダンスできるように振り付けた、とのこと。
デュランデュランの「ザ・リフレックス」がヒント?
さて、みなさん、踊れたでしょうか。
もう一つ、まだ気になっていることが。
冒頭でも触れましたが、「デュランデュラン」に似ている、と米米CLUBの石井竜也さんが指摘されたのは、「デュランデュラン」のどの曲なのでしょうか。
探し始めて3曲目で見つかりました。
デュランデュランの1984年の全米全英両方でランキング1位となった「ザ・リフレックス」
一度この、曲の中に不協和音的な部分のある特徴的な曲を聞いたら、なかなか忘れられませんね。
イルヴィス兄弟がその当時5歳と2歳だったとしても、この曲が潜在意識に刷り込まれた、という可能性もあるのではないでしょうか。
その幼少時にかすかに聞いたことがある音楽が、記憶の中におぼろげにでも残っていて、「イルヴィス」の曲作りに影響を与えたとしても不思議ではありません。
それに気がついた「米米CLUB」の石井竜也さん、さすがです。
ちなみに私はこの曲も連想しました。
ビリー・ジョエル「ムーヴィン・アウト」
この曲も、途中の「かかかかかか」などという、リズムにだけは乗っている、特徴的な部分が耳に残る曲です。
今回のお話
今回のお話は、スポーツ音痴の私には突如現れたとしか思えなかった「イルヴィス」の「The Fox」(きつね)という曲について調べてみたら、「キツネはどう鳴くんだろう、こんなふうだろうか、いやいやあんなふうだろうか」と発想を飛ばす楽しい内容だったこと。
ビッグ・ボスの日本ハムファイターズ監督就任をきっかけに、北海道ならキツネだろうという発想から採用されたに違いないチアリーダーによる「きつねダンス」の踊り方をご紹介したこと。
ついでにキツネの本当の鳴き方も探りました。
また、こういうリズムだけには乗って、メロディーを無視する、という曲作りの手法も昔からあるのだということが分かって勉強になりました、というお話でした。