- 「わらいかわせみに話すなよ」
- 現在の演奏
- 動物の特長が弱点に
- 実際のわらいかわせみの笑い声
- 声を真似してやると笑い出す
- 「クカバラ」の語源はアボリジニー語
- オーストラリアに多い固有種
- オーストラリアはハッピーな世界
- 日本のかわせみ
- 今回のお話
「わらいかわせみに話すなよ」
童謡「わらいかわせみに話すなよ」の、NHK「みんなのうた」での初回放送月は、
1962年12月〜1963年01月、
歌手は、楠(くすのき)トシエさん、
作詞は、サトウハチローさん
作曲が、中田喜直(なかたよしなお)さん
編曲は、若松正司(わかまつまさし)さん
映像アニメ:中原収一(なかはらしゅういち)さん
という内容で放送されました。
NHKにも、この曲の音声はあるものの、映像は残っていない模様。
NHKさんでも探しているので、映像をお持ちの方は連絡してあげてください。
現在の演奏
原曲に忠実に再現されていると思われる演奏がこちら。
歌詞はこちらです。
動物の特長が弱点に
たぬきが大きな「おなか」にしもやけができて、きりんが「おのど」、つまり長い首に湿布を貼って、ぞうが鼻風邪を用心して長い鼻に筒をはめる、というわけで、それぞれの動物の特徴的な部分が弱点になってしまって、それをケアするという歌詞ですね。
そのことをわらいかわせみが知ったら、ケラケラ笑うだろう、というので、考えようによっては「わらいかわせみ」は「ひど〜い」やつですが、「わらいかわせみに悪気はないので、屈託のないほのぼの歌詞だと思います。
こういう動物の歌を作るについては、サトウハチローさんが上野動物園の評議員になるほど、動物に親しみがあった、ということがあるんでしょうね。
実際のわらいかわせみの笑い声
そうして、こちらが実際の「わらいかわせみ」の声です。
この映像では、映像に映っている人の笑い声に合わせて笑っているように見えますが、実はカメラの背後で聞こえているもう一つの「ころころころ」という声に反応しているようですね。
声を真似してやると笑い出す
わらいかわせみの笑わせ方は、もう一つの、こちらの映像だと分かりやすいと思います。
こちらでは、係員の人が見学者たちに、わらいかわせみを鳴かせるためのきっかけとなる声の出し方を教えているんですね。
人間ののどの奥にぶらさがっている、いわゆる「のどち〇〇」をふるわすようにして「ころころころ」と高い声を出すと反応するようですね。
わらいかわせみ自身もそのような声を出して鳴いているので、真似するのは鳴き声のいくつかのパターンのうち、どのパターンの声でも良いようです。
「ほっほっ」という声も聞こえますね。
「クカバラ」の語源はアボリジニー語
ちなみに、英語で「わらいかわせみ」の事は「Kookaburra」と言います。
読み方をこちらのリンクで聞いてみると、英語、米語でちょっとちがいますが、だいたい(クッカバラ)と聞こえますね。
「クカバラ」という表記も多いようですが、この言葉の響き、英語らしくないですね。
それもそのはず、これはオーストラリア先住民のアボリジニーの言葉が語源です。
オーストラリアに多い固有種
実はこの「わらいかわせみ」、オーストラリアにしかいません。
オーストラリアにしかいない固有種の動物というと、
●まず、のんびりしているせいか絶滅危惧種になってしまった「コアラ」、
●そして「前にしか進まない」という特徴からオーストラリアの国章になっている「カンガルー」と「エミュー」、
●世界一幸せな動物と言われる「クオッカ」、
●同じく癒やし系の「ウォンバット」、
●天敵がいないので生き延びて、生きる化石と呼ばれる「カモノハシ」、
●その名も恐ろしい「タスマニアン・デビル」(タスマニアはオーストラリアの州で、本土の東南角にある大きな島です)
と多いですね。
オーストラリアはハッピーな世界
これらの動物たちに、わらいかわせみ「クカバラ」が加わると、オーストラリアはどちらかと言うと、明るくて平和なハッピーな世界のように思えます。
そして、この「クッカバラ」は、オーストラリアの男子ホッケーチームのニックネームなのだそうです。
笑ってばかりいては強そうには見えませんが、「最後に笑う者」なのかも知れません。
日本のかわせみ
なお、日本にいる「かわせみ」はこんな鳥です。
わらいかわせみとは全く違う鳴き声ですね。
羽が青いので「翡翠(ひすい)」とも呼ばれるそうです。
鳴き声も繊細な感じですね。
今回のお話
今回は、童謡「わらいかわせみに話すなよ」の「わらいかわせみ」の実際の笑い声(鳴き声)を聞いてみました。
ほんとうに笑っているようにも聞こえるのが楽しいですね。
オーストラリアにしかいない、というのも新発見でした。