「おっと、またやっちゃった」という曲ですね。何をまたやっちゃったのかと言うと、「思わせぶりで私を好きにさせちゃった」というわけです。
そこには「そんなつもりないのに〜〜」という裏の意味があるわけで、いやはやどうも、ですが、それは分かっててやってるんでしょ、というところから、「小悪魔」と言われているんですね。
ポストモダンジュークボックス、ヘイリーさんのマリリン・モンロー度
私は、この曲も、ポストモダンジュークボックス版を先に聞いたのですが、ボーカルの Haley Reinhart (ヘイリー・ラインハルト)さんの歌がえらく迫力があって、そのくせ可愛げもあるのが(一番低い音が出しにくくて頑張って出している感が良いですね)気に入って、ヘビロテで聞いていました。
Oops!... I Did It Again - Vintage Marilyn Monroe Style Britney Spears Cover ft. Haley Reinhart
Haley Reinhart (ヘイリー・ラインハルト)さんは、「All About That Bass」で3人の女性ボーカルのセンターを張ってますね。
そのうち、はて、「古き良きマリリン・モンロースタイル」で歌っている、と、公式動画の説明書きには書いてあるけど、そもそもこれはどういう曲なのだろうと思って調べたら、世の中にうとい私でも、名前だけは知っている「ブリトニー・スピアーズ」さんの曲だったんですね。
ポストモダンジュークボックスの方は固定カメラなのでライブ感ありあり、一発勝負の緊張感もあって何回も見てしまいます。
ブリトニーさん版ミュージックビデオ
「ブリトニー・スピアーズ」さんの方は、手の込んだミュージックビデオまで作ってあるので、こちらもじっくり見させて頂きました。
Britney Spears - Oops!...I Did It Again (Official Music Video)
ミュージックビデオの冒頭で、どうやら月面らしきところにいる宇宙飛行士が、と思ったら「Mars」と言っているので「火星」という設定なんですね。
確かに、よく見ると、空に月が2つあります。火星の2つの月「フォボス」と「ダイモス」ですね。
しかしながら、NASA探査機による実際の火星での映像を見ている2021年の私達は、月面の空は真っ黒で、火星の空は明るい曇り空、ということを知っています。
ミュージック・ビデオの方では雲が流れたりしているのですが、「違う、そうじゃない」空全体がうす曇りな感じなんですね。
とは言うものの、この曲は2000年の曲なので、まだ火星の空が実際にはどんな空かは分からなかった時代です。大目に見てあげましょうね。
宇宙人ブリトニー
さて、ブリトニー・スピアーズさんは火星にもともといて、これから宇宙船で飛び立つのか、それともさらに火星以外の星から宇宙船に乗ってやってきたのか、とにかく「地球人」ではない、「異星人」あるいは「宇宙人」という描かれ方です。「私が空から舞い降りた天使みたいに思ってるでしょ」という歌詞があるので、そこからの発想かも知れません。
そういえば、現在でも、普通でない「飛んだ」発想をする人のことを「宇宙人」と言ったりしますね。
「宇宙人」らしさか、「人間ではない感」かを出すために、映像編集でブリトニーさんの動きをカクカクした動きにしたり、超高速な身のこなしをするように見せたりしてますね。やっぱり彼女は「宇宙人」なので、普通の発想をしないんだ、ということを納得させる設定になっています。
罠の巣にひっかかる獲物
あと特徴的なのは、ブリトニーさんが寝そべっているのを上から撮影した映像ですね。八角形の図形の真ん中に主のように陣取って、くねくねと思わせぶりに動いて誘っているんですね。何を誘っているのか、もちろん「獲物」です。
そこに、思わせぶりな誘いに乗ってやってきて、捕まってしまった「獲物」である宇宙飛行士が、上から糸を連想させる鎖にぶら下げられて降りてくる。
つまり彼は、同心円と多角形の、網の罠である巣の主である、ブリトニーさんの術中にまんまとハマって、からめ取られて捕まってしまった男である、という構図でしょうか。
普通の女性に変身
その後、ブリトニーさんがクルクル回転しながら飛んで、宇宙飛行士の前に普通の女性の姿になって立ちます。
そしてあろうことか、宇宙飛行士のヘルメットを取ってしまいます。空気がないのにどうなるのか、と思った途端に宇宙飛行士の顔がブルンブルンと動き回って明らかに何らかの異常事態が起こった模様、と思ったら、普通の顔で、あわてることもなく平気でしゃべってるんですね。
これはどういうことなのか、今ひとつ読み切れませんが、彼はこの瞬間にヘルメット無しでも呼吸できているブリトニーさんと同じ仲間になってしまった、ということなのか。
タイタニックが話題に
それから先は、「(宇宙船に)乗船してくださ〜い」の声をバックに、男は、あらかじめ用意していたらしい指輪が入っているとおぼしき小箱をブリトニーさんにプレゼントするのですね。
それを見たブリトニーさんは「これは、、、老婦人が海に投げた、、、」と、この曲の3年前に公開の純愛映画を連想させる言葉を。
「そうだよ、それを取りに行ったんだ」「そんなことしなくても」とブリトニーさんを感動させてしまったという展開に。
結局ブリトニーさんは指輪を受け取ったわけで、宇宙飛行士としては大成功、オレを好きにならせたつもりが、オレのことを好きにならせてやったぜいっ♪
というわけで喜びの「ムーンウォーク」ということではないでしょうか。
という解釈にたどり着きました。
もっとも、ブリトニーさんが行ってしまったあと、宇宙飛行士がちょっとがっかりした表情に見えたのが気がかりなのですが。
最初に拾ったものは
ブリトニーさんが現れる直前に、宇宙飛行士がブリトニーさんの写真が入ったCDジャケットを砂の中から見つけ出すのですが、この意味もいまだに謎です。どう解釈されますか?
CDジャケットがブリトニーさんが乗った宇宙船を呼ぶスイッチになっていたのか。「エサにおびき寄せられた獲物」感を出すためか。
今回のお話
今回は、ポストモダンジュークボックス版の「 Oops!...I Did It Again 」の「マリリン・モンロー度」が素晴らしいので、元歌であるブリトニー・スピアーズさんのミュージックビデオを見たら、とても興味深い展開なものだから、いろいろ考察してしまった、というお話でした。
それでもやっぱり、「マリリン・モンロー度」では、ポストモダンジュークボックス版のHaley Reinhart (ヘイリー・ラインハルト)さんが歌う「 Oops!...I Did It Again 」の方が勝っていると思います。
ブリトニーさんの方は、ちょっと少年っぽい、ボーイッシュな(同じ?)ところがありますね。それもそのはず、この時18歳ですね。
一方、ヘイリーラインハルトさんはこのビデオの時は24歳なので、やはりマリリン・モンロー度では1日の長がありますね。