一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「杉咲花」と「飯尾和樹」の「花王ハミング消臭実感」CM曲、なぜ「ラプソディ・イン・ブルー」?

※現在、このCMは放送されていません。出演者の「契約期間終了」ということなのかも知れません。代わりに草なぎ剛さん、郷ひろみさん版が放送されています。杉咲花さんと飯尾和樹さんの新しいバージョンが放送される可能性もありますので、その際はまた改めて映像をご紹介させて頂きます。

草なぎ剛さん、郷ひろみさんの版はこちらです。メイキング映像つきです。

www.youtube.com

 

以前のCM版では、女優の杉咲花さんと、お笑いコンビ「ずん」の飯尾和樹さんが出演していて、「ラプソディ・イン・ブルー」がCM曲として使われていたので、その曲について考察しました。

 

汗に反応して消臭成分が働く、という花王ハミング「消臭実感」についてはこちら。

www.kao.co.jp

 

 

なぜ「ラプソディー・イン・ブルー」?

 

このCMに使われていた曲は「ラプソディ・イン・ブルー」という、アメリカの作曲家「ジョージ・ガーシュイン」の曲です。分類としては、「交響曲のようなジャズ」ということで、「シンフォニックジャズ」とか「オーケストラルジャズ」という呼ばれ方をしています。

 

こちらでピアノを弾いているのが、「ガーシュイン」です。

youtu.be

 

 

ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルーより

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はて、なぜ消臭剤のCMに「ラプソディ・イン・ブルー」なのだろう、と思ったあなたは、CM製作者とお友達になれそうです。

 

「狂詩曲・ブルー調」?

 

例えば「ラプソディー・イン・D」となると、「狂詩曲・ニ長調」と訳されるところですが、「ブルー」なので、「狂詩曲・ブルー調」ということになりますね。

 

「ブルー」は「ブルーノート」というジャズ特有の音階「ブルーな気分にさせる音」という音楽用語の意味から「ジャズそのもの」を象徴する言葉になっています。

 

なので、「ラプソディ・イン・ブルー」は「ジャズ的な狂詩曲」という意味になります。

もう一つの名曲

さて、花王の「ハミング消臭実感」による爽やかさは「ブルー」なイメージなので「ラプソディ・イン・ブルー」なのでしょうか。

 

確かに、そのイメージで完結しているようですが、実はもうひとひねりが効いています。

夏といえば、の名曲「サマータイム」

「ジョージ・ガーシュイン」で思い出させる有名な曲がもう一曲あります。

そうです。

 

「サマータイム」



この曲はオペラ「ポーギーとベス」の中で3回歌われる子守唄です。


www.youtube.com

 

「季節は夏だし、父親は金持ちだし、母親は美人だ」 

 

というフレーズがあるのですが、最初は、それが事実のとき、2回目は、それが事実でなくなったとき、3回目はその子供が大きくなったとき、と、歌われるシチュエーションによって、同じ歌詞が違う意味合いに変化して行く、という、深く考えさせられる内容になっています。

そのため、この曲単独で歌われたり、演奏されることも多いですね。

出典

blog.theyannie.com

この曲はのちに、伝説のロックシンガー「ジャニス・ジョプリン」の、魂を絞り出すような、強烈な歌唱によって一躍有名になりました。

 


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Summertime

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「ジャニス・ジョプリン」は映画「ローズ」によってその生涯が描かれています。

 

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The Rose

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花王ハミング「消臭実感」は汗をかく季節、つまり「夏」向きの商品CMなので、「サマータイム」なのですね。

 なるほどお!

ここでようやく、花王ハミング「消臭実感」のCM曲が「ラプソディ・イン・ブルー」だったことが腑に落ちました。

 

「サマータイム」を、そのまま出すのはあまりにベタ、かつCM曲にするには深刻すぎるかも知れない歌なので、ちょっとひねって、同じ作曲家のもうひとつの有名な曲にしよう、ということで「ラプソディ・イン・ブルー」になったのではないかと、私は推測します。

 

今回のお話

 

今回は、花王ハミング「消臭実感」、以前の版のCM曲が、なぜ「ラプソディ・イン・ブルー」なのかを探ったら、裏にちゃんと、「サマータイム」という、「夏」をテーマの大きな曲が隠れていた、というお話でした。

表が「ラプソディ・イン・ブルー」で「陽」の曲、裏に隠れているのが「サマータイム」で「陰」の曲、というわけで、バランスが取れているんですね。