一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「時計をとめて」は、初代ジャニーズ「あおい輝彦」からキンプリ「平野紫耀」まで、時を超えて歌い継がれている、メキシコルーツのジャニーズ伝統歌だった

 

初代ジャニーズ「あおい輝彦」が歌う「時計をとめて」

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あおい輝彦さんによる、この曲にまつわるエピソードです。

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時計を止めて

時計を止めて

  • あおい 輝彦
  • 歌謡曲
  • ¥255
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コンサートのラストナンバーにぴったり

コンサートの幕が閉まり、あおいさんひとりが幕の前に出てギターの弾き語り。

楽しかった聴衆のみなさんとのひとときが終わって、とうとうお別れしなくてはならない。それはとてもつらいこと、という意味で歌われます。まさにその場の状況と雰囲気にジャストミートの内容の歌なので、みなさん感動するんですね。

 

歌詞はこちら。

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もともとはスペイン語の歌

歌詞の中に「レロー」(Reloj)という言葉が出てきますが、「時計」という意味のスペイン語ですね。

「イ」(y)もスペイン語で「そして」という意味、

「トゥ」(tu)は「おまえ」とか「きみ」という意味です。ここでは「時計」のことですね。

私たちはともに過ごす最後の時が過ぎないで欲しいと思っている。

そして、お前は無情にもチクタク時を進めてしまうんだね。

それはとてもつらいことだ。

 

というふうに、やたらスペイン語が出てきますが、実はこの曲はもともとスペイン語の曲です。

つらい別れの物語

スペイン語圏である、メキシコのラテンコーラスグループ、「Los Tres Caballeros」(ロス・トレス・カバジェロス) (「三人の騎士」という意味)の1956年の曲です。

このバンドがアメリカツアーの時に、メンバーの「Roberto Cantoral」ロベルト・カントラル(映像では真ん中の人です)が、現地スタッフの女の子の一人と恋仲になりました。

しかし、ツアーが終わって、名残惜しいけれど、バンドはもう帰国しなければなりません。最後のつらい別れのデートのときに、そこにあった時計にヒントを得て作曲されました。

Los Tres Caballero

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El Reloj

El Reloj

  • Los Tres Caballeros
  • ラテン
  • ¥255
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世界中でヒット

この曲はスペイン語圏では誰でも知っている曲で、誰かが歌い出すと合唱になるほどの認知度なのだそうで、スペイン、イタリア、アメリカ、日本などでも多くの人が歌っています。

 

一例として、こちらは、「Orquesta Romántica Milonguera」(オルケスタ・ロマンチカ・ミロンゲーラ)という10人編成のアルゼンチン・タンゴのバンドで、リオ・デ・ジャネイロへのツアーの様子。

まさにこんなツアーの中で、現地スタッフの女の子と作曲家は出会って恋に落ちたんですね。

アルゼンチン・タンゴというのは甘くてせつない音楽ですが、この「時計をとめて」の甘くてせつない内容はまさにピタリですね。

Orquesta Romantica Milonguera - El reloj (en Rio de Janeiro)

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El reloj

El reloj

  • Orquesta Romantica Milonguera
  • タンゴ
  • ¥204
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ジャニーズが今も歌っている

日本でも、水原弘さんや江利チエミさんなど歌ってますが、ジャニーズを作ったジャニー喜多川さんも、この曲が気に入ったんですね。

初代ジャニーズ、あおい輝彦さんから始まって、キングアンドプリンスの平野紫耀(しよう)さんまで、歌い継がれています。

ジャニー喜多川さんのエンターテイメントに対する心情が、この曲とともに伝承されているような気がしますね。

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今回のお話

今回は、あおい輝彦さんが歌った「時計をとめて」についてそのルーツをたどると、もともとはメキシコの曲だということが分かりました。そして、日本でもヒットしたこの曲を、代々ジャニーズが歌い継いで行くことによって、この曲はいつまでも古くならない、スタンダード曲として、その甘くてせつない心を世の中に伝え続けていくことでしょう。