「プラターズ」がロックンロール?
どうやら、歌のうまい人はみんなビブラートしている?
このことに気がついたのは、あのゆったりめで穏やかな「プラターズ」がロックンロールバンドである、という説を知ったことからです。
えええええ〜、あのマッタリしたボーカルとゆったりとしたリズムの、どこをどう取ったらロックンロールになるのだ?と、頭の中が「はてな」マークだらけです。
プラターズは「煙が目にしみる」、などスローバラードのイメージで、ロックンロールとは一番遠くにかけ離れた音楽のような気がしていました。
「クイーン」と「プラターズ」の聴き比べ
確かに、その一方で、「プリテンダー」という曲も三連符のスローバラードなのですが、これをあのコテコテのロックバンド「クイーン」がカバーしているんですね。
このへんにヒントがあるかなと思って、聴き比べてみました。
こちらはオリジナル「プラターズ」版の「プリテンダー」です。
おわかりでしょうか。特に長音の部分ではビブラートしているのがよく分かります。
そしてこちらは「クイーン」版の「プリテンダー」。
こちらは気合と迫力のフレディー・マーキュリーですが、声に集中してよく聞いてみると、やはり長音でビブラートしています。
エルヴィス・プレスリーもビブラート
そこで、今度はロックの元祖とも言うべき、エルヴィス・プレスリーを聞いてみました。
エルヴィス・プレスリーは当然、ロカビリー、ロックンロールの激しいイメージが強いのですが、実はスローバラードも歌っていて、そんな歌ではビブラートしていても不思議ではありません。
こんな感じですね。みごとにビブラートしています。
あと、三連符であることも先ほどの曲と共通性がありますね。
「ハートブレイク・ホテル」では身体もビブラート
そこで、エルヴィス・プレスリーが本領を発揮する、ロックを聞いてみます。
代表曲「ハートブレイク・ホテル」
どうですか。ビブラートに集中して聞いてみると、実はビブラートしまくりなのが分かります。間奏でのエルヴィス・プレスリーの身体の動きも、ロックしている、と言うより、その高速すぎる動きは、もはや身体もビブラートしている、と言ったほうが正確なような気がします。
そして、意外なことに、リズムをよく聞いていると、この曲もやはりスローなイメージがある「三連符」なんですね。
ひょっとして、ロックンロールの定義は「三連符」であること、なのだろうか、という仮説が、私の頭に浮かび上がりました。
みんなビブラートしてる?
さあ、ここで私の好奇心に火が付きました。
「三連符」=「ロックンロール」説はとりあえず置いておいて、
ひょっとして、歌のうまい人はみんなビブラートしているのだろうか。
知らないのは私だけ?だから歌がうまくならないの?
日本で一番歌のうまい人は
そこからは、YouTubeで知っている歌を、ビブラートだけに注目して聞きまくりました。私が「この人は歌がうまい」と思う人の歌を聞きまくったわけです。
みなさんも、ご自分でお気に入りの歌手、歌がうまい、思う人の歌を、改めて聞き直してみてください。
ここで私の好みで曲をご紹介しても良いのですが、片寄りが出るのはまちがいないので、客観的な「歌のうまい人ランキング」を調べてみました。
日本の歌手で歌が一番うまいのは誰か、というアンケートはいろいろありますが、あちらこちらで名前が出て来るのは、安全地帯「玉置浩二」でした。
さて、早速聞いてみると、
さすがにうまいですね。
そして、しっかりビブラートしています。
クラシックでもビブラート
そうそう、歌がうまいと来れば、忘れてはいけません。
世界3大テノールと言われたルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスが一同に会した場面があります。
これはもう、笑ってしまうくらいの「ビブラート合戦」になっています。
曲は「オー・ソレ・ミオ」
もう間違いないですね。
歌がうまい人はビブラートしている。
ということは、「ビブラートする人は歌がうまい」という仮説が成り立つでしょうか。
今回のお話
今回は、大発見、歌のうまい人の歌を改めて聞いてみたら、みんなビブラートをしていた、というお話でした。
みなさんもご自分の好きな歌手の歌を改めて聞いてみてください。
ビブラート最強です。
と、いうことは、と、もちろん考えますよね。
そうです。
私達も、歌がうまくなるためには、ビブラートすれば良いのです。