一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

バイトルCM曲の元歌「アルプス一万尺」の元歌「ヤンキー・ドゥードゥル」の「ヤン」は「ヤン・ヨーステン」の「ヤン」、さらに原曲はアイルランドの「 All the Way to Galway」だった

現在はこちらの「霜降り明星」バージョンが放送されています。

霜降り明星・DAIGO・井手上漠出演!バイトルCM「多様性のある職場」篇(15秒)

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井出上漠(いでがみ・ばく)さんは女性に見えますが、ジェンダーレスの男性です。このCMバージョンのテーマが「多様性」なので、「外国人」「高齢者」と共に「多様性」を代表するキャラクターとしての出演なんですね。

この「多様性のある職場」篇バージョンでも、最後に「アルプス一万尺」メロディーが出てきます。

そして、この「多様性のある職場」篇バージョンの前は、こちらの「はないちもんめ」編でした。

乃木坂46出演!バイトルCM「がんばれ、バイトルズ!はないちもんめ」篇(15秒)

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ここでは誰もが知っている「はないちもんめ」の一節が採用されていていますが、最後にまたまた、「アルプス一万尺」のメロディーが出て来ますね。

一方、こんなバージョンもありました。

dip バイトル CM 「営業さん、交渉する」篇 15秒

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バイト役で、乃木坂46の齋藤飛鳥(さいとうあすか)さん、秋元真夏(あきもとまなつ)さん、山本美月(やまもと みづき)さんなどが出演。


「dip」営業社員役で、DAIGOさんが出演をしているCMです。

「dip」(ディップ)というのは「バイトル」を運営する会社の名前です。

 

「dip」営業社員役のDAIGOさんが、時給を上げてもらいたいけど、なかなか言い出せないバイト社員の代わりに、店長に時給を上げてくれるように交渉してくれる、というストーリーですね。

あっ!バイトーさん!

DAIGOさんが齋藤飛鳥さんを見つけて、「あっ!バイトーさん」とボケると、齋藤飛鳥さんは真面目な顔で「サイトーです!」とツッコむ、という、「あっ!大島さん」「児島だよ!」みたいな漫才ふうのやりとりが面白いですね。

こちらのバージョンもあります。

バイトルCM「年俸アップ会見?」篇

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秋元真夏(あきもとまなつ)さん、山本美月(やまもと みづき)さんは、ここでは記者役です。

こちらも、最後の曲は同じ「アルプス一万尺」ですね。

CM曲は「アルプス一万尺(いちまんじゃく)」

このCMの最後に流れるのが「時給を上げようバイトルアプリ」という歌詞の曲ですが、これは「アルプス一万尺」のメロディーなんですね。

「アルプス一万尺」は、登山家の間で始まった歌で、昔あった「歌声喫茶」で流行って全国に普及しました。

のちに、子どもたちの間で定番の遊びだった「手遊び」の現代版として発展しました。

手遊び「アルプス一万尺」

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KPOPとJPOP、日韓合同のアイドルグループがいくつかありますが、違うアイドルグループの日本人メンバー同士が、打ち合わせ無しのぶっつけ本番で、この手遊びを高速でやってのけて、韓国人もびっくり、韓国でもこの手遊びが流行った、ということがありました。

いまや日本人のアイデンティティになっているのかもしれません。

なお、「アルプス一万尺」の歌詞は29番まであります。

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大昔の私の時代には、手遊びと言えば「茶つみ」(夏も近づく八十八夜)が定番でしたね。

ちゃつみ【手あそび】

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元歌は「ヤンキー・ドゥードゥル」

ところで「アルプス一万尺」の元のメロディーは「ヤンキー・ドゥードゥル」で、イギリスの植民地だったアメリカが、イギリスから独立するために起こした独立戦争の時の歌であり、後にはアメリカ南北戦争の時の北軍の歌にもなりました。

「ヤンキー」というのはイギリス人から見た植民地のアメリカ人のことで、「ドゥードゥル」は「まぬけ」という意味です。

バカにされたのを逆手に取った

つまり、最初はイギリス人が植民地アメリカ人をバカにした歌だったのですが、それを逆手に取って、ああ、オレたちはマヌケだぜ、マヌケ上等、と、自分たちの歌として取り込んでしまったのが植民地アメリカ人でした。

こういう遊びができるふところの深さ、精神的な余裕があったので、アメリカはイギリスに勝って、独立できたのかもしれません。

「グーグル」(google) は「ドゥードゥル」(doodle)のもじり

ちなみに、「ヤンキー・ドゥードル」は「Yankee Doodle」で、検索エンジンの「Google」(グーグル)は、この「ドゥードル」をもじっています。

「まぬけ」に見えるくらい実は「かしこい」んだぜ、というニュアンスでしょうか。

「d」を上下反転すると「q」なので、「g」に見えないこともない、、、かな?

 

「ヤンキー・ドゥードル」

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「ヤンキース」は「ヤン・キース」だった

また、そもそもの「ヤンキー」は、もとの形は「ヤンキース」です。

「ヤン」はオランダ人のよくある名前。英語だと「ジョン」に相当します。フランス語だと「ジャン」ですね。

「キース」はオランダ語で「チーズ」の事です。チーズはオランダの名産ですね。

現在の「ニューヨーク」は、当初は「ニューアムステルダム」という名前でした。「アムステルダム」はご存知の通り、オランダの首都の名前です。

つまり、現在のニューヨーク地域に住んでいたのはオランダ系の移民だったのです。

そのオランダ系の移民をからかう意味で、隣のイギリス人が多いコネチカット地域などから「ヤン・キース」(「ヤンのチーズ野郎」みたいなニュアンスでしょうか)と呼ばれたのですね。

「ヤンキー」の「ヤン」は「ヤン・ヨーステン」の「ヤン」

また、ちなみに、東京駅八重洲口の「八重洲」の地名の由来は、イギリス人三浦按針「ウィリアム・アダムス」とともに1600年に日本に漂着したオランダ人「ヤン・ヨーステン」日本名「耶楊子」(やようす)が、徳川家康から与えられた屋敷があった場所に東京駅が建っているからです。

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/13/Jan_Joosten_van_Lodensteyn%2C_Museum_Kuroshima.jpg

wikiより

 

「耶楊子」(やようす)が「八代洲」(やよす)に、そして「八重洲」(やえす)に変化したんですね。

独立戦争の行進曲になる

そして、ニューヨーク、コネチカット、ペンシルベニアなど、現在東部13州(アメリカ国旗「スターズ・アンド・ストライプス」の13本のストライプの由来です)となっている13の植民地が連合してイギリスからの独立戦争をするときに、「ヤンキー・ドゥードル」はアメリカ側の行進曲になったのです。

メロディーはアイルランドから

また、「ヤンキー・ドゥードル」のメロディーは、アイルランドのいわゆる「ケルト音楽」から来ています。アメリカにはアイルランドからの移民も多く、ケルト音楽はアメリカ国内に広まり、今ではいかにもアメリカの伝統音楽というイメージの強いカントリーや、ウエスタンミュージックのルーツになった、とも言われています。

「 All the Way to Galway」

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聞いてみると、リズムと言い、メロディーと言い、「あ〜!似てる!」と、たしかに思えます。

今回のお話

今回は、「アルプス一万尺」のルーツを探ってみたら、アメリカ、オランダ、そしてイギリスを経由して、とうとうアイルランドまで行き着いた、というお話でした。

その成り立ちを追ってみると、改めて、世界はつながっているんだなあ、と感じますね。

世界が平和でありますように。