- NHK「みんなのうた」にハマる
- バケツの穴 / 熊倉一雄、東京放送児童合唱団
- 「ジェリー藤尾」と「渡辺知子」版
- 「ハリー・ベラフォンテ」と「オデッタ・ホームズ」版
- さらに元々はドイツ語、フランス語圏が発祥
- 今回のお話
NHK「みんなのうた」にハマる
私は青春の一時期、NHKの「みんなのうた」にハマったことがありました。歌謡曲や洋楽のあまりピンと来ない曲に比べたら、よっぽど、明るかったり楽しかったり、叙情的だったりで、素晴らしい曲ばかりではないかと感じたのです。
NHKから楽譜を送ってもらったりして、すっかり「みんなのうた」マニアになっていたのですが、中でも面白いと思ったのが、私が19歳だった年、1968年8月に放送された「バケツの穴」。
バケツにあいた穴を塞ぐためにはどうすれば良いのかを、大人と子供たちで考えて行くものの、結局バケツが必要になるので困ったな、という他愛もない歌なのですが、なんだかすごく気に入りました。
私は当時大学受験の浪人中で、言ってみれば「堂々めぐりの繰り返し」の真っ只中だったわけで、今考えてみると、自分の境遇に照らし合わせて、共感するものを覚えたのかも。

当時は和田誠さんのアニメーションが付いていましたが、こちらの映像は音源のみです。
編曲を担当したのが、当時はフォークやグループサウンズのイメージが強かった東海林修✳︎(しょうじおさむ)さんですが、なかなか「ジャジー」でノリの良いドラムス✳︎✳︎が気持ち良いです。
✳︎「名犬ロンドン」のテーマソングも東海林修さんの編曲だそうです。
✳︎✳︎ドラム、調べたら、ジャズドラマーの石川晶(いしかわあきら)さんでした。
バケツの穴 / 熊倉一雄、東京放送児童合唱団
「バケツの穴」歌詞
緑色文字は熊倉一雄さん、
茶色文字は子供たちのパートです。
1
バケツに穴が
穴があいてる
穴あきバケツじゃ困っちゃう
困ってないで直しておくれよ
バケツの穴をふさいでよ
2
でも、ふさぐって何で
何でふさごか
何でふさげば直るかな
直るよ ワラをワラを詰(つ)めれば
ワラを詰めれば直っちゃう
3
え〜、ワラは長いよ
詰めるにゃ長い
ワラは長くて弱っちゃう
弱ってないで短くお切りよ
短く切れば詰まっちゃう
4
でも、切るのは 何で
何で切ろうか
何で切ろうか迷っちゃう
迷ってないでナイフよナイフ
ナイフでザックリ切っちゃうの
【間奏】
5
ナイフはあるけど
錆(さ)びてる 真っ赤に
赤錆(あかさび)ナイフじゃお手あげだ
赤錆ナイフも研(と)げば ピカピカ
研げばピカピカよく切れる
6
はい、研ぐよ 研ぐよ
研ぎます研ぐけど
何で研ごうか考える
や〜だ 研ぐのは砥石じゃないの
ナイフは 砥石で研ぐものだ
7
ん〜砥石は乾いて
カラカラ砥石
カラカラ砥石じゃ研げやせぬ
とんまね 砥石は乾いた砥石は
お水でぬらして研ぐものだ
8
分った ぬらすよ
ぬらしはするけど
その水 何で汲もうかな
どうだろうね 汲むのはバケツじゃないの
お水はバケツで汲むものだ
9
はあ〜、バケツにゃ
穴が穴があいてる
穴あきバケツじゃ、、、汲めないよ
汲めないじゃない
え〜〜〜っ!?
佐藤 一公 訳詞
東海林 修 編曲
「とんまね」という、今ではあまり聞くこともなくなった、ほのぼの言葉の歌詞には笑ってしまいます。
このような展開の末に、8番で結局バケツを使うことになるのですが、そもそもそのバケツに穴が開いているので、また1番の歌詞に戻ってしまう、というオチの歌ですね。
しかし、このままでは、いつまでたっても繰り返しの「堂々めぐり」にハマってしまって、終わりが無いので、9番に無理やり引き込んで、強制的に終わらせてます。
「ジェリー藤尾」と「渡辺知子」版
私はこの曲は「みんなのうた」のオリジナルだとばかり思っていましたが、この「みんなのうた」版の6年前の1962年に、ジェリー藤尾(ふじお)さんと渡辺知子(わたなべともこ)さんが、歌詞がちょっと違いますが、同じ曲をレコードにしているのでした。
歌詞は映像の中に出て来ます。
全体的なノリがどうもコテコテの昭和なのですが、考えてみれば、コント55号もドリフターズもコテコテでしたね。
「ジェリー藤尾」と「渡辺知子」穴のあいたバケツ (バケツの穴)There's a Hole in the Bucket
この曲の訳詞をしたのが青島幸男(あおしまゆきお)さん。
「訳詞」という事は、元になる曲が他にあったわけで、しかもその歌詞は外国語ということになりますね。
つまり、この曲の元々の曲は外国の曲だったのです。
「ハリー・ベラフォンテ」と「オデッタ・ホームズ」版
それでは、その元になった外国曲は何かと言うと、 Hole in the Bucket(バケツの穴)というアメリカの「ハリー・ベラフォンテ」と「オデッタ・ホームズ」が歌った曲で、全英34位のヒット曲なのでした。
こちらがその曲を歌っている映像です。
フォーク歌手の「オデッタ・ホームズ」が、何かの曲を歌い終わってギターを置いて、そこに「ハリー・ベラフォンテ」が、窓から話しかけるところから始まってますね。
Harry Belafonte & Odetta - A Hole in the Bucket (Live)
Harry Belafonte & Odetta - A Hole in the Bucket (Live)歌詞
ハリーのパートは緑色文字、
オデッタのパートは茶色文字にしてあります。
That was a goodie
すごく良かった!Yeah that was a goodie
イエー、すごく良い歌だった、goodie goodie.
良かった良かった。
Tell me something
ところで、なぞなぞとかしない?Why can't a mouse eat a street car
なぜネズミは路面電車を食べられないんだい
We'll have none of that foolishness
そんな馬鹿なことはしないよWhy don't you go fetch the water
水を汲みに行って来てくれない?Go do what ?
何をしに行くって?Go fetch the water
水を汲みに行って来てよ
【音楽】
1)
There's a hole in the bucket,
バケツにゃ穴があいてるんだ、dear Liza, dear Liza
愛(いと)しいライザ、愛しいライザ
There's a hole in the bucket,
バケツにゃ穴があいてるんだよ、dear Liza, a hole
愛しいライザ、穴がさ
Well, fix it dear Henry,
なら、穴をつめてよ、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
So fix it dear Henry,
だから、穴をつめてよ、dear Henry, fix it
愛しいヘンリー、穴をつめて
2)
With what shall I fix it,
何で穴をつめようかな、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
With what shall I fix it,
何で穴をつめようかな、dear Liza, with what?
愛しいライザ、何で?
With straw, dear Henry,
ワラでよ、愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
With straw, dear Henry,
ワラでよ、愛しいヘンリー、dear Henry, with straw
愛しいヘンリー、ワラでよ
3)
Oh the straw is too long,
おお、ワラは長すぎるよ、
dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
The straw is too long,
ワラは長すぎるよ、
dear Liza, too long
愛しいライザ、長すぎる
Cut it! dear Henry,
ワラを切ってよ、愛しいヘンリー、
dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
Well, cut it dear Henry,
ねえ、ワラを切ってよ、
dear Henry, cut it!
愛しいヘンリー、ワラを切って!
4)
With what shall I cut it,
ワラは何で切ろうかな、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
With what shall I cut it,
ワラは何で切ろうかな、dear Liza, with what?
愛しいライザ、何で?
With an axe! dear Henry,
斧(おの)でよ!愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
With an axe, dear Henry,
斧でよ、愛しいヘンリー、with an axe!
斧で!
5)
The axe is too duller,
斧は切れ味鈍(にぶ)すぎ、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
The axe is too duller,
斧は切れ味鈍すぎ、dear Liza, too dull
愛しいライザ、鈍すぎだ
Hone it, dear Henry,
斧を研(と)いでよ、愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
Well, hone it, dear Henry,
さあ、斧を研いでよ、愛しいヘンリーdear,,, sharpen it!
愛しい、、、シャープにね!
6)
On what shall I hone it,
何で砥石を研ごうか、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
On what shall I hone it,
何で砥石を研ごうか、dear Liza, with what?
愛しいライザ、何で?
On a stone, dear Henry,
砥石でよ、愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
On a stone, dear Henry,
砥石でよ、愛しいヘンリー、dear Henry, on a stone!
愛しいヘンリー、砥石で!
7)
But the stone is too dry,
砥石は乾きすぎだよ、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
The stone is too dry,
砥石は乾きすぎだよ、dear Liza, too dry
愛しいライザ、乾きすぎ
Wet it, dear Henry,
砥石を濡(ぬ)らしてよ、愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
Well, wet it dear Henry,
あのね、砥石を濡らしてよ、愛しいヘンリー、dear Henry, wet it
愛しいヘンリー、砥石を濡らして!
8)
With what shall I wet it,
何で砥石を濡らそう、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
With what shall I wet it,
何で砥石を濡らそう、dear Liza, with what?
愛しいライザ、何で?
Try water, dear Henry,
水でやってみて、愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
Try water, dear Henry,
水でやってみて、愛しいヘンリー、dear Henry, use water!
愛しいヘンリー、水を使うの!
9)
In what shall I fetch it,
水は何に入れて持ってこようか、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
In what shall I fetch it,
水は何に入れて持ってこようか、dear Liza, in what?
愛しいライザ、何に入れて?
In a bucket, dear Henry,
バケツに入れるの、愛しいヘンリー、dear Henry, dear Henry
愛しいヘンリー、愛しいヘンリー
In a bucket, dear Henry,
バケツに入れるの、愛しいヘンリー、in a bucket, in a bucket!
愛しいヘンリー、バケツに入れるの!
10)
There's a hole in the bucket,
バケツにゃ穴があいてる、dear Liza, dear Liza
愛しいライザ、愛しいライザ
There's a hole in the bucket,
バケツにゃ穴があいてるんだ、dear Liza, a hole
愛しいライザ、穴がさ
自分で考えないで、いちいちお伺いを立てる「ヘンリー」役の「ハリー」(そう言えば「ハリー」は「ヘンリー」の愛称ですね)に対して、基本的には優しくて甘い歌声である「ライザ」役の「オデッタ」が、質問に答えるその一瞬だけ「マジ」になる表情と、キッパリとした声が、対比的な笑いを誘いますね。

この歌詞をよく読んでみると、日本語版の「9番」までの歌詞より長くなっていて、「10番」まであります。
両者を照らし合わせてみると、日本語版は、英語版の「砥石は水で濡らすんだ」という(8)番と、その水はどうやって持ってこようかという(9)番の内容をまとめて(8番)にしているので、英語版より1番分、短くなっているのでした。
「ワラ」は「straw(ストロー)」
また、ワラのことを英語ではstraw(ストロー)と言うんですね。
昔は、実際にワラを現在の「ストロー」の役割をするものとして使っていたので、現在のストローも、そのまま「ストロー(ワラ)」という名前なのだそうです。

麦わら帽子のことを「ストローハット」と呼ぶのも、ここから来ているんですね。
さらに元々はドイツ語、フランス語圏が発祥
アメリカ版がヒットして、日本語版もアメリカ版を踏襲しているので、アメリカ版が元祖と思われていますが、実は年代的にドイツ、フランスあたりが発祥らしいんですね。
いずれもメロディーが、よく知られているメロディーとは違うのですが、最後のオチが「バケツに穴があるから水が汲めない」となっていて、最初の歌詞に戻って行く構造になっているのは共通しています。
ドイツ語版
ドイツ語版はいろいろパターンがありますが、タイトルが「Heinrich und Liese(ハインリッヒとリーゼ)」という男女の名前になっていて、女性の「リーゼ」がいちいち質問する方、男性である「ハインリッヒ」の方が答える役になってます。
こちらのバージョンでは見たところ、「バケツ」が「なべ」になってますね。
Wenn der Topf aber nu ein Loch hat
(しかし、鍋に穴が開いていたらどうなるでしょうか?
そして、こちらのアニメーションバージョンでは、「ハインリッヒ」はゾウさんで「リーゼ」はアヒルなのですが、やり取りにかなり感情が入っているように聞こえるので、日本の「ジェリー藤尾」と「渡辺知子」バージョンとちょっと似ています。
Wenn der Topf aber nun ein Loch hat (でももし鍋に穴があいていたら)
私はドイツ語はほとんど分からないのですが、どうやら内容は同じようですね。
ただ、英語版と同じ内容を歌っているのでしょうが、相手に対する呼びかけの言葉「愛しい」とは裏腹に、半分怒っているように聞こえるのはドイツ語の特性なのでしょうか。
フランス語版
フランス語版のタイトルは「Chère Élise(愛しのエリーズ)」となっています。
ドイツ語版の、相手のことを「愛しい」と思っているとはとても思えない歌い方とは全く違って、「愛しい」という形容詞そのままのイメージの、とても優しいかけ合いになっていると思います。
特に最後のエリーズの決めゼリフ、「"avec un seau. (アヴェカンソ) " バケツでよ」が、「これがオチだよ」というニュアンスの、笑いを含んだ声なのが、とても良いですね。
アニメの「バケツ」は「桶(おけ)」のようにも見えますが、「seau(ソ)」には「バケツ」という意味も「桶(おけ)」という意味もあります。

「ウジェーヌ (Eugène)」という名前の男の子がいちいち質問して、「エリーズ(Élise)」という女の子が答える形式になっています。
ドイツ語版とは男女が逆の立場なので、その辺にも国民性の違いが表れているのかな、など考えますね。
Chère Élise(愛しのエリーズ)
Chère Élise(愛しのエリーズ)歌詞
「ウジェーヌ」のパートは緑色文字、
「エリーズ」のパートは茶色文字にしてあります。
1)
Avec quoi
何でfaut-il chercher l'eau,
水を汲むべき?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズAvec quoi
何でfaut-il chercher l'eau,
水を汲むべき?
Avec un seau,
バケツでよ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、avec un seau.
バケツでよ
2)
Mais le seau,
でもバケツには、il est percé,
穴があいてるよ、
Chère Élise, chère Élise
愛しいエリーズ、愛しいエリーズMais le seau,
でもバケツには、il est percé...
穴があいてるよ、、、
Faut le boucher,
穴は塞(ふさ)がなくちゃ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、faut le boucher.
穴は塞がくちゃ。
3)
Avec quoi
何でfaut-il le boucher?
穴を塞ぐべき?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズAvec quoi
何でfaut-il le boucher ?
穴を塞愚べき?
Avec d'la paille,
ワラでよ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、avec de la paille.
ワラでよ。
【転調】
4)
Mais la paille
でもワラはn'est pas coupée,
切れてないよ、
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズMais la paille
でもワラはn'est pas coupée...
切れてないよ、、、
Faut la couper,
ワラを切らなくちゃ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、faut la couper.
ワラを切らなくちゃ
5)
Avec quoi
何でfaut-il la couper?
ワラを切るべき?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズAvec quoi
何でfaut-il la couper ?
ワラを切るべき?
Avec une faux,
鎌(かま)でよ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、avec une faux.
鎌でよ。
6)
Mais la faux
でも鎌はn'est pas affûtée,
研(と)げてないよ?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズMais la faux
でも鎌はn'est pas affûtée...
研げてないよ、、、
Faut l'affûter,
鎌を研がなくちゃ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène
私の愛しいウジェーヌ、faut l'affûter.
鎌を研がなくちゃ。
7)
Avec quoi
何でfaut-il l'affûter,
鎌を砥ぐべき?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズAvec quoi
何でfaut-il l'affûter ?
鎌を砥ぐべき?
Avec une pierre,
砥石でよ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、avec une pierre.
砥石でよ。
【転調】
8)
Mais la pierre
でも、砥石はn'est pas mouillée,
濡(ぬ)れてないよ
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズMais la pierre
でも、砥石はn'est pas mouillée...
濡れてない、、、
Faut la mouiller,
砥石を濡らさなくちゃ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、faut la mouiller.
砥石を濡らさなくちゃ。
9)
Avec quoi
何でfaut-il la mouiller,
砥石を濡らそうか?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズAvec quoi
何でfaut-il la mouiller ?
砥石を濡らそうか?
Avec de l'eau,
水でよ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
愛しいウジェーヌ、avec de l'eau !
水で!
10)
Avec quoi
何でfaut-il chercher l'eau,
水を汲めばいい?
Chère Élise, chère Élise,
愛しいエリーズ、愛しいエリーズAvec quoi
何でfaut-il chercher l'eau ?
水を汲めばいいのかな?
Avec un seau,
バケツでよ、mon cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、
Cher Eugène,
私の愛しいウジェーヌ、avec un seau.
バケツでよ。
今回のお話
今回は、1968年のNHK「みんなのうた」で発表された「バケツの穴」は最後の歌詞でまた最初の歌詞に戻ってしまう、という仕掛けの「堂々めぐり」の歌だった、というお話でした。
それぞれ、相手に対する呼びかけに英語で「dear」ドイツ語で「liebe」フランス語で「cher」、日本語で言うところの「愛しの」とか「愛する」という意味の形容詞がいちいち付いているのが面白いですね。
日本語にはなかなか無い表現だと思います。
名前の由来
なお、雑学ですが、
・英語の「ヘンリー」はドイツ語の「ハインリッヒ」、フランス語の「アンリ」に相当して、もともとはドイツ語古語の「ハイムリッヒ(家の長)」、から来ています。
・「アンリ」はイタリアに行って「エンリコ」となり、スペインに渡ると「エンリケ」、「エンリケ」の愛称が「キケ」、米大リーグドジャースの「キケ・ヘルナンデス」の「キケ」なんだそうです。
・「ウジェーヌ」はギリシャ由来で、「良い生まれ」「高貴な」といった意味があるそうです。
・英語の「ライザ」や「イライザ」はフランス語の「エリーズ」、ドイツ語の「リーゼ」、「エリーゼ」に相当して、「エリザベス」から来ているそうです。
・その「エリザベス」は、ヘブライ語の「エリシェバ(神は完全なり)」に由来する名前で、新約聖書での洗礼者「ヨハネ」の母の名前が「エリザベト」なのだとか。




