名犬ロンドンの歌(日本語版)
「ロンドン」は、犬のリアルネーム
1963年から日本テレビ系列で放送された、カナダ製作の30分テレビ番組「名犬ロンドン」のテーマソングです。
日本語タイトルになっている「ロンドン」という名前は、実際には、出演しているジャーマンシェパード犬の本当の名前であって、ドラマの中の役名ではありません。
原題の、英語のタイトルは「The Littlest Hobo(一番小さなホーボー)」。
確かに日本語にはなりにくいので、オープニング画面に出て来る「LONDON」という分かりやすい名前が採用されたようですね。
「Hobo(ホーボー)」とは
「Hobo(ホーボー)」は「季節労働者」あるいは「渡り労働者」などと訳されます。
アメリカ、1860年の南北戦争が終結した頃から始まり、不況になると、その数が増える、と言います。
アメリカ特有の長い長い貨物列車の、空いている貨車にヒョイと飛び乗って、気の向いたところでピョンと飛び降りて、その町でちょっと働いて、飽きたらまたヒッチハイクして、という気ままで気楽なバックパッカー的な放浪の旅をしながら働く人たちの事です。ヨーロッパでは「バガボンド」と言ったりします。
この写真のように、犬を連れたホーボーもわりといたようですが、テレビ版の「ロンドン」は単独で行動しています。
人間のホーボーと同じように、気ままに列車に乗って、気ままに降りた町で、困った人を助けたり、悪者を捕まえたり、事件を解決したりします。神出鬼没の「小さな正義のヒーロー」と言えるかもしれません。
「名犬ロンドン」テレビ主題歌・日本語版歌詞
日本語版テレビ番組のテーマソングでは、日本語歌詞を載せて、田辺靖雄(たなべやすお)さんが歌っています。
田辺靖雄「名犬ロンドンの歌」TV日本語版、1963年
「名犬ロンドンの歌」歌詞
見知らぬこの町 さまよい来れば
はるかな思い出 胸によみがえる
友を求めゆく 旅は はてなき さすらい
あの町この町 幸せはいずこ
一夜(ひとよ)の宿(やど)りか いつまでか知らず
今は歩みとどめ 休む はてなき さすらい
またも続けゆく 旅は はてなき さすらい
我が さすらい
日本語歌詞:安田二郎(福永陽一郎のペンネーム)
編曲:東海林修
作詞作曲:Ronald Stein(ロナルド・スタイン)
田辺靖雄さんと九重佑三子さん
田辺靖雄さんは当時のアイドル歌手。愛称は「やっチン」。
1963年、梓みちよさんとのデュエットで「ヘイ・ポーラ」がヒット。
この年、紅白歌合戦にも「雲にきいておくれよ」で出演しています。
日本のテレビ番組「コメットさん」初代主演(2代目は大場久美子さん)の、歌手で女優の九重佑三子(ここのえ ゆみこ)さんと結婚したことでも知られています。
日本語歌詞の安田二郎さん
この曲の日本語歌詞を書いた安田二郎(福永陽一郎)さんは、神戸市出身で東京芸大卒の、指揮も編曲もこなす音楽家なので、この「名犬ロンドンの歌」の、歌詞だけではなく、伴奏のオーケストレーションまで手がけたと思われたのですが、調べたところ、編曲は「ウナ・セラ・ディ東京」などの編曲もこなした、東海林修(しょうじおさむ)さんでした。

日本語版の曲を聞いた感じでは、日本語版の方がメリハリが効いていて、英語版の原曲よりも出来が良いくらいだと思います。
「名犬ロンドン」テレビ主題歌(英語版歌詞)
こちらは原語である英語版のテレビ主題歌です。
歌っているのは、「Jerry Scoggins(ジェリー・スコギンス)」
「The Littlest Hobo」オープニングテーマTV英語版
「The Littlest Hobo」(名犬ロンドン)TV主題歌・英語版歌詞
I find adventure everywhere,
私はどこでも冒険を見つける、And friends with whom I'd like to share.
そして一緒に冒険する友達も見つける。This is my stop along the way;
これは私の、道の途中の停留所なのさDon't really know how long I'll stay.
本当に分からないんだ、いつまで居るのかStop over. might make a new friend.
立ち寄って、新しい友達ができるかもしれないStop over along the road without end.
果てしない道の途中にちょっと立ち寄るのさ
元ネタの映画があった
実はこのテーマソングは、テレビ用に新しく録音されたバージョンなのです。
そもそも、このカナダ製のテレビシリーズは、1958年に公開された、同名の「The Littlest Hobo」というアメリカ映画を元にして作られたテレビドラマなのでした。
「The Littlest Hobo」映画主題歌・英語歌詞
で、カナダ製作のテレビ版の放送が始まってしばらくは、そのエンディングに、アメリカの映画版の主題歌をそのまま使っていたようです。(テレビの日本語版では流れていませんが)
その映画版の主題歌を歌っているのは「ランディー・スパークス(Randy Sparks)」
こちらは映画版、全編です。
The Littlest Hobo (1958) HD Remastered | Full Length Movie
Randy Sparks - Road Without End (Littlest Hobo movie theme)
ランディ・スパークス - 果てしない道
(一番小さなホーボー「名犬ロンドン」映画主題歌)
1)
Looks like we're coming into town
どうやら私たちは街に入って来ているようだFeels like this train is slowing down
この列車が速度を落として来ているような気がする
Can't help but wonder what's in store
どんな事が待っているのか気になってしょうがないCould be we've been here once before
もしかしたら私たちは前に一度ここに来たことがあるかもしれない
A-drifting, the world is my friend
ああ、放浪しているんだ、世界が私の友達さI'm travelling along the road without end
私は果てしない道を旅しているんだ
2)
Riding these rails town to town
このレールに乗って町から町へSometimes I long to settle down
時々、私は落ち着きたいとも思うけど
But I know I'd hunger to be free
でも私は、自分が自由でいたいと渇望していることもわかっているRoving's the only life for me
さまよう事だけが、私にとっての人生なのさ
A-drifting, the world is my friend
ああ、漂流しているんだ、世界が私の友達さI'm travelling along the road without end
私は果てしなき道を旅しているんだ
3)
Goodbye to railing for a while
貨車の手すりとは、しばらくさよならだSo long to counting every mile
おさらばだ、1マイルごとに距離を数えることにもね
This is the stop along my way
ここは私の道の途中の停留所Don't really know how long I'll stay
本当はいつまでいるのやら、分かりゃあしないけどね
Stop over, might make a new friend
立ち寄って、新しい友達ができるかもしれないStop over along the road without end
ちょっと立ち寄るのさ、果てしない道の途中にね
4)
Riding those rails town to town
このレールに乗って町から町へSometimes I long to settle down
時々、私は落ち着きたいとも思うけど
But I know I'd hunger to be free
でも私は、自分が自由でいたいと渇望するだろうってこともわかっているRoving's the only life for me
さまよう事だけが、私にとっての人生なのさ
Stop over, I've made a new friend
立ち寄って、私は新しい友達を見つけたよStop over along the road without end
ちょっと立ち寄ったのさ、果てしない道の途中にねThe road without end
果てしない道のね
Lyrics&music:Ronald Stein
アメリカ映画版では、リードは付いていないものの、あくまでも信頼関係のある「人間のホーボー」にくっついて行動する「名犬ロンドン」でした。
それがカナダのテレビ版では「ロンドン」が単独で行動するようになったんですね。
今回のお話
今回は、日本で1963年から放送されたカナダ製のテレビドラマ「名犬ロンドン」のテーマソングの、日本語版と英語版、それに、このテレビドラマが生まれた元になったアメリカ映画の主題歌をご紹介しました。
アメリカ映画版の主題歌は、良くできた、詩情にあふれた曲だと思います。
むしろ、この映画主題歌が良かったので、テレビ版シリーズが作られた、という経緯かもしれない、という気もします。

