一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

我が青春の「布施明」、3つの「青春学園スポーツドラマ」の主題歌を歌っていた

カンツォーネと青春応援歌

布施明さんは、そのイタリア的、カンツォーネ的な、力強く、朗々と歌い上げる唱法で人気がありますね。「霧の摩周湖」「君は薔薇より美しい」など多数のヒット曲があって、中でも私は「積木の部屋」が最高傑作だろうと思います。

しかし、私の「布施明イメージ」はむしろ、私自身が青春真っ只中で聞いていた「青春の応援歌」を歌う布施明さんなのです。

力強く感情を吐露する、想いを鼓舞する、という点では、カンツォーネと応援歌には共通するものがあるのかもしれません。

1965年5月の布施さんのデビュー曲は、まさにそのイタリアの歌手「ボビー・ソロ」が、イタリアの「サンレモ音楽祭」で歌った「君に涙とほほえみを」のカバーでした。

布施さんは日本人っぽくない、西洋人的な、鼻が高くて彫りの深い顔の印象もあって、カンツォーネのイメージにもぴったりですね。

しかし、それに相前後する初期の頃には、青春学園スポーツをテーマにしたテレビドラマの主題歌を多く歌っていたのです。

布施さんは、日本テレビの青春学園ドラマの主題歌や挿入歌を歌っていて、プロダクション(ナベプロ)の「テレビドラマで売ろう」という思惑通り、それがきっかけで人気者になりました。

 

ここでは、布施さんが主題歌を歌っていた「青春三部作」の曲、代表的な初期の青春学園ドラマ内で使われた曲をご紹介します。

面白いことに、全部が全部、岩谷時子作詞、いずみたく作曲です。

第一作「青春とはなんだ」

「石原慎太郎」の同名小説が原作で、このテレビ版に先駆けて、日活で「石原慎太郎」の弟さんの「石原裕次郎」の主演で映画化されていました。それを受けて、テレビドラマ化されたものです。

高校ラグビー部の熱血教師が「夏木陽介」、生徒役として「岡田可愛」などが登場。

若い明日 (1965年:日本テレビ系ドラマ『青春とはなんだ』主題歌)

派手な、ジャズっぽい音楽ですね。

作詞:岩谷時子 作曲:いずみたく

布施明「青春とはなんだ」より「若い明日」

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歌詞はこちらです。

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貴様と俺 (1965年:日本テレビ系ドラマ『青春とはなんだ』挿入歌)

これは、この時代まだ「戦後」を引きずっていたのか、軍歌調ですね。

作詞:岩谷時子 作曲:いずみたく

布施明「青春とはなんだ」より「貴様と俺」

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第二作「これが青春だ」

前作「青春とはなんだ」に対する回答のようなタイトルの「これが青春だ」。

このシリーズでは、部活のスポーツは「サッカー」になっていて、主人公の熱血先生は「竜雷太(主人公役名から取った芸名)」演じる「大岩雷太」。

岡田可愛さんは前作に続いて生徒役で出演です。

これが青春だ (1966年:日本テレビ系ドラマ『これが青春だ』主題歌)

私的には、シリーズで一番印象に残っているのはこの曲です。

作詞:岩谷時子 作曲:いずみたく

布施明「これが青春だ」

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歌詞はこちらです。

布施明「これが青春だ」歌詞

大きな空に 梯子をかけて
真っ赤な太陽 両手で掴もう
誇り一つを 胸にかかげて
怖れ知らない これが若さだ
そうとも これが青春だ


嵐のなかも 君のためなら
七つの海を 泳いでいこう
誇り一つを 胸にかかげて
夢に飛び込む これが若さだ
そうとも これが青春だ


腹が立ったら 喧嘩もしよう
悲しいときは 涙流そう
誇り一つを 胸にかかげて
いつも裸の これが若さだ
そうとも これが青春だ

そうとも これが青春だ

 

作詞:岩谷時子 
作曲:いずみたく

第三作「でっかい青春」

前作の第二作「これが青春だ」では、スポーツの種目は「サッカー」でしたが、本作では第一作「青春とはなんだ」と同じく「ラグビー」になりました。

主演は前作に引き続き竜雷太さんが「巌(いわお)雷太」役で、役柄は最初「市役所職員」というスタートでした。岡田可愛さんも引き続き出演ですが、今回は「市役所事務員」から「高校事務員」になる、という設定です。

でっかい青春 (1967年:日本テレビ系ドラマ『でっかい青春』主題歌)

この曲での音楽的なことを言うと、「せいしゅ『ん〜ん〜』」の部分の、「サスペンデッド4(sus4)」から「セブンス(7th)」への移行解決音ハーモニーが、なかなか気持ち良いと思います。

作詞:岩谷時子 作曲:いずみたく

布施明「でっかい青春」

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青春のマーチ (1967年:日本テレビ系ドラマ『でっかい青春』挿入歌)

行進曲ふうのリズムが気持ち良いですね。

しかしながら、歌詞にある、彼女に「タックル」は、あまりしない方が良いと思いますが。そうでもないのかな?

作詞:岩谷時子 作曲:いずみたく

布施明「青春のマーチ」

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青春の応援歌から、人生の応援歌へ

これらの曲は、若さ、希望、友情、そして時には切ない別れなどを歌っていて、当時の青春期の若者たちの共感を呼びました。

布施明さんの力強い歌声が、青春の情熱を鮮やかに表現して、青春の応援歌として受け入れられたと言えるでしょう。

布施さんはこの当時から、あるいはその後に、「バラ色の月」や「シクラメンのかほり」といった、より幅広いテーマの楽曲、いわば人生の応援歌も歌って行くようになり、国民的な歌手としての地位を確立して行ったのです。

テレビドラマシリーズのその後としては、先生役として「村野武範(むらのたけのり)」、「中村雅俊(なかむらまさとし)」など、次々と人気者を輩出して、さらに続いて行きましたが、青春を過ぎた私はもう見なくなってしまったし、布施さんも主題歌を歌わなくなってしまったので、今回のお話はここまでです。

今回のお話

今回は、私の布施明さんのイメージである、「青春の応援歌」を歌う歌手、という印象を決定づけた青春テレビドラマ初期三作の主題歌、挿入歌をご紹介しました。

今聞いても、布施さんの歌には元気をもらえます。