一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふん」吉本新喜劇のテーマ曲

 

キッコーマンのCM音楽の歌は、何と言ってるのでしょうか

「キッコさん」の、綾瀬はるかさんと、「キッココちゃん」の、女の子が出演する「キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」のCMが流れてす。

歌っている歌詞が不思議な歌詞で、音楽のメロディーもどこかで聞いたような、ユニークなメロディーなので、耳に残りますね。

【綾瀬はるか出演】「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」CM 「おさしみダンス」篇 15秒【キッコーマン公式

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歌詞はこちらです。

さしみにっさま さしみにっさま さしみになましょうゆ ゆ

さっしみにっさま さしみにさまさま さしみになましょうゆ ゆ

「刺身には生でしょ」

さっしみにっさま さしみにさまさま さしみになましょうゆ ゆ

「生醤油は?」

キッコーマン!

「さしみ」「さしみになましょうゆ」は言葉になってますが、「にっさま」「さまさま」は、語呂を合わせるためのスキャットのようですね。

ところで、この曲には元ネタがあります。

吉本新喜劇のテーマソング

吉本新喜劇のテーマソングにもなっている元ネタの曲はこちらです。

ピー・ウィー・ハント「Somebody Stole My Gal」

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面白い音ですね。ふざけたような、とぼけたような、深刻さとは無縁の軽くて明るくて能天気な、ノリの良い音楽です。

「ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふん」とも聞こえるし、

「ほんわか、ほんわか、ほんわか、ほんわか、ほんわか、ほんわか、ほん」と言っているようにも聞こえますね。

「ふんわかほんわか」なこの曲は、その「ふんわかほんわか」なイメージにぴったりの、日本のお笑いの元締め「吉本新喜劇」のテーマ曲として使われて有名になりました。

元ネタの元ネタ曲

この曲は、1918年にアメリカのポピュラー音楽作家レオ・ウッド(Leo Wood)によって、作詞作曲されました。

"Somebody Stole My Gal" (Ted Weems, 1924)youtu.be

吉本新喜劇のオープニング曲として有名になったのは、トロンボーン奏者ピー・ウィー・ハントがディキシーランドジャズ・スタイルにアレンジしたものです。

演奏中のトランペット(高い音)やトロンボーン(低い音)の、楽器の開いた口に、演奏者が片手に持った弱音器と呼ばれる、音を小さくするためのフタを当てて閉めたり開けたりします。

また、真ん中に穴の開いたフタを楽器の開口部に「カパッ」とはめ込んでしまって、その穴を手で閉じたり開いたりします。

そうすることによって、フタを閉めた時のこもったような音から、フタを開いた時のきらびやかな音まで、自由自在に調節できるんですね。

それをうまくやると、まるで人が話しているように聞こえるわけです。

こちらに実際の演奏映像があります。

よしもと新喜劇のテーマ「Somebody Stole My Gal」
【楽譜】トロンボーン練習中 トランペット ほんわかぱっぱ

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まるで人が歌っているように聞こえるわけですが、トロンボーンだとピストンだけではなく、手で管の長さを調整することによっても音程を取ります。

なので、ピストンのみで演奏中にも、微妙な音程のズレが発生しています。

それがまたアナログな感じなので、人間の声っぽい感じを出すことにさらに寄与しているんですね。

歌詞が付いていた

実は、この曲にはちゃんと歌詞が付いています。

往年の大スター、ディーン・マーチンによる歌唱です。

Dean Martin - "Somebody Stole My Gal" - LIVEyoutu.be

 "Somebody Stole My Gal" 
「誰かが私のギャルを盗んだ」

 

Somebody stole my gal,
誰かが私のギャルを盗んだのさ

Somebody stole my pal,
誰かが私のパル(友達)を盗んだのさ

Somebody came and took her away,
誰かがやってきて、彼女を連れ去った

She didn't even say she was leavin',
彼女はさよならさえ言わなかった

Her kisses I love so,
彼女の、私がとても好きだったキス

He's gettin' now I know...
それをそいつがゲットしてるんだ、私にはわかってる...

And gee, I know that she,
そして、あ〜あ、私にはわかってる、彼女が

Would come to me
私のところに帰って来るだろうってこと

If she could see,
もし、彼女がわかれば、だけどね、

Her broken hearted lonesome pal,
彼女の、心が折れて孤独なパル(友達=つまりこの私)のことをね、

Somebody stole my gal!
誰かが私のギャルを盗んだのさ

song writer:Leo Wood 

曲名は「Somebody Stole My Gal(誰かが私のギャルを盗んだ)」で、これはどうも失恋の歌のようですね。

失恋の歌なのに、やたら明るい、むしろ楽しい感じなのですが、アメリカの歌にはそんな傾向があるようです。

どんなひどいこと、悲しいことがあったとしても、基本的にそのベースの気質はポジティブなんですね。見習いたいものだと思います。

なお、日本では「君いずこ」という邦題でディック・ミネが日本語で歌っています。

今回のお話

今回は、キッコーマンのCMでも使われている「ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふんわか、ふん」の曲は、アメリカのポピュラー音楽で、ディキシーランドスタイルで演奏された時に「弱音器」を使って面白い効果を出していたので、それが採用された、というお話でした。

いつも心にこんな余裕を持っていたいものですね。