- 現在のオープニングテーマ「ももいろクローバーz」版
- 初代オープニングテーマ「ゆめいっぱい」
- 「ご真言」は、魔法の言葉
- おまじないの呪文
- ご真言は召喚魔法
- 共通する「オン」と「ソワカ」
- お地蔵さまのご真言
- サンスクリット語では
- 笑い声がご真言
- お地蔵さまは子供が大好き
- 魔法のような「笑い」の効用
- 今回のお話
ちびまる子ちゃんの声を担当していた「TARAKO」さんが2024年に亡くなり、その後を「菊池こころ」さんが担当しています。
現在のオープニングテーマ「ももいろクローバーz」版
ちびまる子ちゃんのオープニングテーマ曲といえば「おどるポンポコリン」,
現在は「ももいろクローバーz」版です。
ももいろクローバーz版「おどるポンポコリン」
しかしながら、「おどるポンポコリン」は当初、番組のオープニングテーマ曲ではなく、エンディングテーマなのでした。
作詞はさくらももこ、作曲・編曲:織田哲郎(おだてつろう)ですが、その時の唄は「BBクィーンズ」でした。
初代オープニングテーマ「ゆめいっぱい」
そして、いまだに人気のある 初代のオープニングテーマ曲は、と言うと、 1990年01月17日~1992年09月27日まで放送された、「ゆめいっぱい」なのでした。
作詞:亜蘭知子(あらんともこ)、作曲・編曲:織田哲郎(おだてつろう)、唄:関ゆみ子(せきゆみこ)
なお、作曲の織田哲郎さんは偶然にも、歌唱担当の関ゆみ子さんのいとこだそうです。
関ゆみこ「ゆめいっぱい」
歌詞はこちらです。
希望に満ちあふれた、明るい曲ですが、この曲の歌詞のこの一行、
笑顔の魔法を教えて
この言葉、実はお地蔵さまのご真言と同じ意味なのです。
「ご真言」は、魔法の言葉
「ご真言」は仏教用語です。
仏さまはたくさんいらっしゃって、それぞれの仏さまにはそれぞれに違う「ご真言」があります。
「ご真言」は、その仏さまの前で、その仏さまに呼びかけてごあいさつするために唱えたり、私たちが日常生活を送っている上で、その仏さまに来ていただきたい場面でお呼びするために唱えたり、あるいは、お願い事をしたりするために唱えます。
つまりは、その仏さまとつながるために唱えるのが「ご真言」です。
そんなすごい事ができるので、言ってみれば、「ご真言」は「魔法の言葉」ですね。
「真言」というのはもともとサンスクリット語の「マントラ」の訳なのだそうですが、「マントラ」と音が似ている「曼荼羅(まんだら)」も関係がありそうですね。
このへんになると「呪文」(じゅもん)とか「おまじない」みたいな意味も入って来ますね。
「呪文」のほうは、たとえばファミコンゲーム「ドラゴンクエスト」で主人公が唱える魔法のうち、「ベホイミ!」みたいなものです。
「ホイミ」が体力回復の魔法で、その一段上が「ベホイミ」で、「ホイミ」よりも強力なのですね。最強版は「ベホマズン」です。
おまじないの呪文
世間一般的な呪文としては、
「痛いの痛いの飛んでけ〜」
がよく知られていますが、
「ちちんぷいぷい」
「ひらけゴマ」(オープン・セサミ)
「ビビディバビディブー」(ディズニーアニメ「シンデレラ」より)
なども有名です。
ご真言は召喚魔法
いっぽう、「ご真言」のほうは、ファミコンゲームで言うなら「ファイナルファンタジー」の「召喚魔法」(しょうかんまほう)に相当するかも知れません。
「召喚魔法」というのは、自分たちが危険な状態になった場面で「バハムート」とか「オーディーン」など、人間の能力をはるかに超えた神話的巨大怪物を呼び出して、自分たちの代わりに戦ってもらう、という「魔法」です。
同じように、ある仏さまとつながりたい時に、魔法の言葉である「ご真言」を唱えると、即座に、その仏さまが来てくれることになっています。
例えば「聖観音」さまの像の前では、ご真言「オン・アロリキャ・ソワカ」を唱えます。
そうすると、即座に本物の、すべての苦厄(くやく)を取り去ってくれる「聖観音」さまが来てくれることになっているのです。
「薬師如来」さまの像の前で唱えるご真言は「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」です。唱えると、両脇に日光菩薩、月光菩薩を従えて、手には特効薬を持った薬師如来さまが現れます。
共通する「オン」と「ソワカ」
どのご真言も「オン」と「ソワカ」が共通してますね。
「オン」は「帰依します」という意味。ニュアンスとしては「あなたが大好きです」「あなたが頼りです」。
「ソワカ」は「成就しますように」という意味です。ニュアンスとしては、「願いがかないますように」「うまく行きますように」くらいでしょうか。
なので、「オン」と「ソワカ」両方合わせると、平たく言えば「あなたが大好きです。よろしくお願いします。」という意味。ニュアンスとしては「あなたが頼りです。お世話になります」みたいなところでしょうか。
「オン」と「ソワカ」にはさまれた部分が、それぞれの仏さまの得意分野を表す本体、本質の部分です。
なので、「オン」と「ソワカ」の間に、自分の好きな仏さま、神さま、あるいは好きなスターの名前を入れて唱えれば、自分だけの「ご真言」ということになります。
お地蔵さまのご真言
さて、お地蔵さまの正式のお名前は「地蔵菩薩」さまで、お地蔵さまの前で唱えるべき、あるいは日常生活で必要な場面で唱えるべきご真言は「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」です。
お寺によってはこのご真言が、お参りに来た人が唱えやすいように、と親切に、お堂の中や外に書かれている場合もあります。
草津温泉、熱くて入れたものではない「地蔵の湯」近くにあるお地蔵さまでは、ご真言が
「おん かかかびさんま えいそわか」
と、3行になっていましたが、
「おん かかかび さんまえい そわか」
という区切り方で書かれている場合も多いようですね。
そのため、「お地蔵さまのご真言にはお魚の名前が入ってるんですね。サンマと、エイですか。」という感想を持つ人もいます。
インドから音を写した文字だけで伝わって来たために、伝承に伝承を重ねた結果、実際の発音ではどこで切るのか、わからなくなっているのですね。
サンスクリット語では
原語では、
oṃ ha ha ha vismaye svāhā
となります。
素直に読むと、
「オム ハハハ ヴィスマイエ スヴァーハー」ですね。
「おん かかか びさんまえい そわか」
、、、似てますね。
「ハハハ」と「カカカ」は全く違う音のように見えますが、実は似ている発音です。
「ハハハ」を発音しながら、だんだんと舌の奥を上げて行くと「カカカ」になります。
昔の武士は豪快に「カカカ」と笑います。高笑いですね。「呵々大笑(かかたいしょう)」しているわけです。
笑い声がご真言
つまり、このご真言の「かかか」は、大笑いしている笑い声です。
こんなご真言は他にありません。
「vismaye」(ヴィスマイエ)ですが、これは現代のインド語でも「vismaya」(ヴィスマイヤ)という形で人の名前、特に女の子の名前になっています。
「wonderful」(ワンダフル)とか「amazing」(アメイジング)という意味です。
不思議な、とか、素晴らしいとか、素敵な、という日本語になるでしょうか。
二つ合わせると「素敵な大笑い」。
お地蔵さまは子供が大好き
なので、お地蔵さまご真言を意訳すると「私は感動的な大笑いが大好きです。素晴らしい大笑いが出来ますように、よろしくお願いします」とでも訳せるでしょうか。
お地蔵さまが、特に子供の守り神、とされていたり、お地蔵さまそのものが子供である神さま、とされているケースが多いのは、子供がもともと天真爛漫によく笑うので、ご真言が「素敵な大笑い」であるお地蔵さまとは共通性がある、相性が良い、と思われているからなんでしょうね。
魔法のような「笑い」の効用
また、「wonderful」にも「amazing」にも、「ちょっと不思議で驚くような、面白くて楽しいこと」というニュアンスがあるところから、私には「魔法」という言葉が連想されました。
「ちょっと不思議で楽しい大笑い」
笑うことによって、ストレスが解消されたり、病気の治療にも好影響がある、という事実はよく知られています。
笑う門には福来たる、と言って、たいがいの事には笑っていられる、というポジティブな精神状態でいると、不思議に人も物も金運も寄って来る、という魔法のような現象も、よく知られています。
そんな魔法のような不思議で楽しい大笑いは、いつも忘れないようにしたいですね。
というわけで、このお地蔵さまの「ご真言」は、言い換えてみると、
「笑顔の魔法を教えて」
ということになりそうです。
どこかで聞いたような、
そうです。
この言葉が、ちびまる子ちゃん初代主題歌「ゆめいっぱい」の中にある言葉なのです。
ということはつまり、この曲を歌ったり聞いたりすれば、お地蔵さまのご真言を唱えたり聞いたりしているのと同じ効果があることになります。
そうすると、この曲を歌うたびに、お地蔵さまが笑顔の魔法を教えてあげる〜と、ニコニコしながらすぐそばまで来てくれていることになりますね。
それで楽しい気持ちになって笑顔になることが出来たら、さあ、不思議なことが起こり始めるかもしれませんよ。
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今回のお話
今回は、「ちびまる子ちゃん」初代オープニングテーマ「ゆめいっぱい」の歌詞にある
笑顔の魔法を教えて
は、お地蔵さまのご真言の意味そのものである、というお話をしました。
あくまでも私の考察ですが、実はご真言を唱えるまでもなく、楽しい笑いがあふれる場所には、お地蔵さまがいらっしゃって、一緒に大笑いしているのだと思います。
そんな場所では、不思議なことが起こります。