一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

懐かしのテレビ西部劇「ボナンザ」のテーマソングを低音で歌うのは、父親役の「ローン・グリーン」

 

月曜ゴールデンタイムの西部劇「ボナンザ」

「ボナンザ(BONANZA)」は、1959年からアメリカのテレビで制作放送された、1時間ものの西部劇ドラマ。

日本でも、1960年(昭和35年)から1962年(昭和37年)まで、「日本テレビ」と、その系列局で、毎週月曜日の午後7時から放送されました。1時間わくの番組でしたが、CMを除いた本編の実質的な長さは49分。

その後は「カートライト兄弟」というタイトルで1962年(昭和37年)から1965年(昭和40年)まで放送されました。

Bonanza-オープニング

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「ボナンザ(BONANZA)」とは

題名の「ボナンザ」は「繁栄」とか「思いがけない幸運」「「大当たり」あるいは「鉱脈」を意味する言葉で、もともとは銀の鉱石の「大きな鉱脈」のことです。

スペイン語のボナンザ ( 「良い天候」「繁栄」「豊かな鉱脈」 ) という言葉に由来しています。

銀の「大鉱脈」に「大当たり」して「繁栄」する、というわけですね。

「ゴールドラッシュ」の時代ですが、厳密にはここでは「シルバーラッシュ」です。

「シルバーラッシュ」の時代

このドラマの舞台となるのは、アメリカ、ネバダ州のタホ湖近くにある、実際に銀鉱脈の「シルバーラッシュ」で発展した都市「バージニアシティ」近辺。

タイトルバック映像で、地図上の「バージニアシティ」から火が燃え広がるのは、「バージニアシティ」が繁栄の中心地であり、ホットな発信地である、という意味だと思われます。

そのタイトルバック映像の地図では、画面上方は普通なら北になりますが、この地図での上方は北ではなく東で、北は画面の左方向になっています。

バージニアシティとタホ湖の間に「PONDEROSA(ポンデローザ)」という地域があることになっていて、これがドラマの主人公である父親ベン・カートライト(ローン・グリーン)とその3人の息子たちの「牧場」という設定です。

「PONDEROSA(ポンデローザ)」は、その地域を象徴する、そこに生えている松の一種の名前です。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fe/Pinus_ponderosa_15932.JPG

ポンデローザ松

似ていない兄弟の謎

「ホームドラマ型西部劇」と言われながら、深刻な社会問題、厳しい家庭問題にずいぶん切り込んだテーマも、取り上げていました。

「ローン・グリーン」演じる父親「ベン」は3回結婚していながらあ3回とも死別、それぞれの奥さんとの間に一人ずつの息子ができていた、という設定になっています。

それが、3人の息子たち同士が兄弟にしては実際には全く似ていないことの、なるほどな言い訳になっています。

レギュラー出演者はカートライト父子の4人で、毎回ゲストスターが1人加わります。

父親「ベン・カートライト」ローン・グリーン(Lorne Greene)、

長男「アダム・カートライト」パーネル・ロバーツ(Pernell Roberts)

二男「ホス・カートライト」ダン・ブロッカー(Dan Blocker)

三男「ジョー・カートライト」マイケル・ランドン(Michael Landon)、この人は、のちの1974年にスタートした「大草原の小さな家」の父親「チャールズ・インガルス」役でも有名。

「ボナンザ」のテーマ音楽は、インストルメンタルでした。

実際のテレビ番組で流れたのは、テーマ「ソング」ではなくて、楽器演奏のみの「テーマ・ミュージック」でした。

⚫️ギター:トワイライトゾーンやバットマンを演奏したスタジオミュージシャンのギタリスト、トミー・テデスコ(Tommy Tedesco)によるエレキギター。

⚫️オーケストラ:「サウンド・オブ・ミュージック」や「大草原の小さな家」を演奏したデビッド・ローズ(David Rose)楽団による演奏。

⚫️編曲:アレンジャーはビリー・メイ( Billy May)。

ドイツ公開版、ボナンザ、主題曲

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父親役の「ローン・グリーン」が歌う主題歌

さらに、この曲には「レイ・エヴァンス(Ray Evans)」による歌詞がありました。

歌の入った版でもヒットしたのです。

この曲を作曲したのは「ジェイ・リヴィングストン(Jay Livingston)」で、作詞したのは「レイ・エヴァンス(Ray Evans)」。

この二人はいつもコンビを組んでいたので、この曲でもレイ・エヴァンスが歌詞を書き、リヴィングストンが作曲した、というわけです。

この作詞作曲コンビは「ボタンとリボン」「モナ・リザ」「ケ・セラ・セラ」などの大ヒットを飛ばしています。

「低音の魅力」で抜擢

歌詞が入った版の「テーマ・ソング」で歌を歌ったのは、ドラマの主役、「低音の魅力」の声の持ち主、父親「ベン・カートライト」を演じる「ローン・グリーン」です。

曲が始まる前に、「ローン・グリーン」の、良い声による前説が付いています。

この映像では、最初に、「ローン・グリーン」版の「ボナンザ」、続けて、「ジョニー・キャッシュ」が新たに作詞して歌ったバージョンの「ボナンザ」も入っているので、聴き比べできます。
Bonanza Theme Song Music Video (Lorne Greene, Johnny Cash)

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Bonanza Theme
ボナンザ主題歌

(sung by Lorne Greene)
(歌唱:ローン・グリーン)

 

[Lorne Greene speaking:
ローングリーンが話します:

 

“Welcome to the Ponderosa, my friends, 
ポンテローザへようこそ、私の友人たち、

for an evening of songs and stories about the American West 
今宵、歌とお話をお届けしよう、アメリカ西部についてのね。

 

…a land of legend, of romance, of friendship, of loyality and courage
...そこは伝説の地、ロマンスの地、友情の地、忠誠心そして勇気の地

…a motherlode of remembrance…a true Bonanza.”]
...追憶の母なる地...本当の「ボナンザ」なのさ。

 

Bonanza
ボナンザ

 

We chased Lady Luck, ‘till we finally struck Bonanza
私たちは幸運の女神を追いかけて、ようやく当たったんだ、ボナンザに

 

With a gun and a rope and a hatful of hope,
拳銃とロープと、カウボーイハット一杯の希望とで。

We planted our family tree
私たちは私たち家族の木を植えた

 

We got a hold of a pot full of gold,Bonanza
私たちは金がたっぷり入った壺を手に入れた、ボナンザだ

 

With a horse and a saddle, and a range full of cattle,
馬と、鞍と、牧場一杯にいる牛たちで

How rich can a fellow be?
仲間たちはどんなにリッチになるだろう

 

On this land we put our brand, Cartwright is the name
この土地に、私たちは私たちのブランドを置いた、「カートライト」がその名前だ

Fortune smiled, the day we filed the Ponderosa claim.
幸運が微笑んでくれたよ、私たちがポンデローザを登記した日にね

 

Here in the West, we’re livin’ in the best,Bonanza
ここ西部で、私たちは最高の人生を送っている、ボナンザで

If anyone fights any one of us, he’s got a fight with me !
もし、誰かが私たちの1人と戦うなら、彼は私と戦うことになる!

[music]
音楽

Bonanza
ボナンザ

[music]
音楽

Bonanza
ボナンザ

Hoss and Joe and Adam know every rock and pine
息子たち、ホスと、ジョーと、アダムは、どの岩も、どの松も知っている
No one works, fights, or eats, like those boys of mine
誰も働いたり、戦ったり、食べたりすることはできない、あの私の息子たちのようにはね

 

Here we stand in the middle of a grand Bonanza
私たちはこのグランドの真ん中に立っている、ボナンザだ

 

With a gun and a rope and a hatful of hope,
拳銃とロープと、カウボーイハット一杯の希望とで。

We planted our family tree
私たちは私たち家族の木を植えた

 

We got a hold of a pot full of gold,Bonanza
私たちは金(きん)がたっぷり入った壺を手に入れた、ボナンザだ

 

With a houseful of friends where the rainbow ends,
虹のたもとの家に、あふれかえるほどの友人たちがいれば、

How rich can a fellow be ?
仲間たちはどれだけリッチになれることだろう

 

On this land we put our brand, Cartwright is the name
この土地に、私たちは私たちの焼印を押した、「カートライト」がその名前だ

Fortune smiled, the day we filed the Ponderosa claim.
幸運が微笑んでくれたよ、私たちがポンデローザを登記した日にね

 

Here in the West, we’re livin’ in the best,Bonanza
ここ西部で、私たちは最高の人生を送っている、ボナンザだ

 

With the friendliest, fightin’est, lovin’est band
最も友好的で、最も勇猛果敢で、最も愛情に満ちた悪党仲間と共に

That ever set foot in the Promised Land
約束の地に足を踏み入れた者たち

 

And we’re happier than them all
そして、私たちは彼ら全てより幸福だ

That’s why we call it
それが私たちがそれをこう呼ぶ理由だよ

Bonanza…Bonanza…Bonanza…BONANZA !
ボナンザ…ボナンザ…ボナンザ…ボナンザ!

 

lyrics:Ray Evans
music:Jay Livingston

ジョニーキャッシュ版「ボナンザ」

やはり低音の魅力で知られるアメリカのカントリー歌手「ジョニー・キャッシュ」が、ジョニー・ウェスタンと一緒に新しい歌詞を書いた歌を、実際に歌っている様子はこちらです。

この映像では歌詞の順番が、上の映像の正規のバージョンとは違っているのですが、その辺は、わりとおおらか、というか、アメリカ的と言うか、自由な感じなんですね。

Johnny Cash - Bonanza

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ジョニーキャッシュ版の本来の、正規版の歌詞はこちらです。

"Bonanza" (Johnny Cash Version) Lyrics

 

1)
The claim we hold is as good as gold, bonanza
私たちの持っている牧場の権利は金に匹敵する、大富豪だ

Hand in hand we built this land, the Ponderosa Ranch
手を取り合って私たちはこの国を建設した、ポンデローザ牧場だ

 

Our birthright is this Cartwright bonanza
私たちが生まれながらに持っている権利、それはこのカートライトの大富豪だ

We here belong, and standing strong, wrong ain't got a chance
私たちはここに根を張っている、そして力強く立っている、悪者は寄せ付けない

 

Day by day, work or play, ready side by side
毎日いつでも、仕事も遊びも、どちらも準備万端だ

Hello friend, come on in, the gate is open wide
やあ、友人よ、入ってくれたまえ、門は大きく開いている

 

Bound to be a fightin' free bonanza,
戦わずして大成功を収めるはずだ

Singing pines of boundary lines for the Ponderosa Ranch.
松たちも歌っているよ、ポンデローザ牧場の境界線の松たちもね

 

2)

Every tree and flower is part of our bonanza
どの木も花も、私たちの繁栄の一部だ

The stars at night, the morning light, water in the branch
夜の星たち、朝の光、小川のせせらぎもね

 

We ride along four men strong together
私たち4人の強者(つわもの)は連れ立って馬に乗る

Every plain and ridge is our heritage: Ponderosa Ranch
ポンデローザ牧場のどの平原も山の峰も私たちの遺産だ

Day by day, work or play, ready side by side
毎日いつでも、仕事も遊びも、どちらも準備万端だ

Hello friend, come on in, the gate is open wide
やあ、友人よ、入ってくれたまえ、門は大きく開いている

 

Bound to be a fightin' free bonanza,
戦わずして大成功を収めるはずだ

Singing pines of boundary lines for the Ponderosa Ranch.
松たちも歌っているよ、ポンデローザ牧場の境界線の松たちもね

 

 lyrics:Johnny Cash with Johnny Western(1962)

今回のお話

今回お話ししたのは、昔なつかし、テレビ西部劇「ボナンザ」には歌のない「テーマ・ミュージック」と、歌の入った「テーマ・ソング」がある、ということ。

その「テーマ・ソング」を、ドラマの主人公、父親役のローン・グリーンが歌ったレコードがあって、なかなか彼の低音の声が魅力的であること。

そして、それがヒットしたもので、やはり低音の魅力で売っていたアメリカのカントリー歌手「ジョニー・キャッシュ」も、別の歌詞を付けてレコード発売、こちらも売れました、というお話でした。

「ボナンザ」という言葉は、どうやら日本語では一つの言葉にはならないようですが、こうやって原文の歌詞を読んでみると、気分良く盛り上がれそうな、とてつもなく良い意味が含まれていて、ポジティブになれる言葉のようなので、今さらながらですが、大いに聞き込もうと思います。

ニュアンスとしては、「油田を掘り当てた」みたいなイメージでしょうか。

さて、私の「ボナンザ」は何でしょうか。