一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「プラウド・メアリー」は「ティナ・ターナー」のゴスペルである

「プラウド・メアリー」はCCR版がオリジナルなのですが、最近は「ティナ・ターナー」版の方が、印象が強いですね。

こちらは「アイク&ティナ・ターナー」時代の「ティナ・ターナー」です。

映像で「ティナ」とデュエットしている男性が「アイク」で、「ティナ」と結婚しましたが、「アイク」によるDVのため「ティナ」は離婚しています。

Ike & Tina Turner - Proud Mary live on Italian TV 1971

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この時から後年に至るまで続いた「We're up, do do do do do do do do do do」というコーラスと、水に飛び込んで泳ぐ、みたいな独特のダンスステップが、もう完成されているんですね。

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR) 版はこちらです。

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CCRではギターとボーカルとソングライターを兼務したジョン・フォガティはこの曲の歌詞を書くときに、「プラウド・メアリー」(誇り高きメアリー)というタイトルだけのメモ書きを持っていて、そこから、メアリーという名の、洗濯などをする家政婦さんについての歌詞を書いていました。そこで目に入ったのがミシシッピ川の「メアリー・エリザベス」という名前の蒸気外輪船についての情報でした。ただし、実際に船を見たわけではないみたいですね。

下のCCRの「カセットテープ」!のカバーイラストでは、前に2本の煙突があって煙が出ています。その後ろにやはり2本の小さな煙突が見えますが、ここから水蒸気が出ていたようです。

Creedence Clearwater Revival – Rollin' On The River

その二つの要素を合体させて歌詞を完成させたのですね。

彼が兵役を除隊になった2日後に書いたそうです。そんな解放感があったかも知れません。

「メアリー」は聖母マリアのこと

PROUD MARY
プラウド・メアリー

Left a good job in the city
街での、いい仕事を辞めて来たよ

Working for the man every night and day
あの男のために夜も昼も働いてさ

And I never lost one minute of sleeping
1分寝る間も惜しんでさ

Worrying 'bout the way that things might have been
こんなことをしていていいのか、悩みながらね

 

ジョン・フォガティは兵役の間、寝る間も惜しんで、国家の「あの男」のために働いたんですね。
これで本当に良いのか、と思いながら。

ティナは「あの男」アイクのために寝る間も惜しんで働いた。
これで本当に良いのか、と思いながら。

Big wheel keep on turning
でっかい車輪が回ってる

Proud Mary keep on burning
誇り高きマリア様が、燃えて蒸気と煙を出してるよ

And we're rolling (rolling)
私たちはゆったりと流れて行く

Rolling, yeah (rolling)
流れて行く、そうともさ

Rolling on the river (rolling on the river)
川面を流れて行く

Cleaned a lot of plates in Memphis
メンフィスではたくさんの皿を洗った

And I pumped a lot of 'tane down in New Orleans
ニューオーリンズではたくさんのプロパンガスを運搬した

But I never saw the good side of the city
だけど、全然、街がそんなに良いとは思えなかった

Until I hitched a ride on the riverboat queen
川船の女王に飛び乗るまではね

「街」とは「人生」なんでしょうね。人生がそんなに良いものだとは思えなかった。
川船の女王様に乗るまでは、つまり、マリアさまを信じるまでは、ということですね。

Ya know the big wheel keep on turning
でっかい外車輪が回り続けてるよね

Proud Mary keep on burning
誇り高きマリア様が、燃えて蒸気と煙を出し続けてる

And we're rolling (rolling)
そして私たちは流れて行く

Rolling, yeah (rolling)
流れて行く、そうともさ

Rolling on the river (rolling on the river)
川面を流れて行ってる

Said we're rolling (rolling)
言ったろう?私たちは流れて行ってる

Rolling, yeah (rolling)
流れて行ってる、そうともさ

Rolling on the river (rolling on the river)
川面を流れて行ってる


We're up, do do do do do do do do do do
Alright!

 

If you come down to the river
君が川のところまで降りてきたら、

I bet you gonna find some people who live
君が「生きている」人たちを見つけることを保証するよ

And you don't have to worry if you got no money
そして、君は心配することはない、もし君がお金を持ってなくても

The people on the river are happy to give
川面の人たちが喜んで、お金をくれるよ


lyrics:John Fogerty

つまり、ジョン・フォガティも、ティナ・ターナーも、プラウドメアリーに乗ることによって、救われたのです。

文字通り、全てをまかせられる、マリアさまという「大船」に乗ったわけですね。

という事はつまり、マリア様を信仰することによって、救われる、ということになるので、実はこの歌は、「聖歌」、「ゴスペル」である、と言えるわけです。

実際につらい境遇にあったティナにとっては、この歌は、精神的な支えと安らぎを得られる歌だったのかも知れません。

それで、気持ちの入る曲として、歌い続け、彼女の代表曲となったのですね。

 

プラウド メアリーは燃えている ?

なお、当時の蒸気船の動力は木材つまり薪(まき)だったので、川沿いに住む人たちは蒸気船のために薪(まき)を切り出して売りました。

ミッキーマウス「蒸気船ウィリー」より、ディズニー公式

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なので、実際に、物質的にも、川面の「プラウドメアリー」に乗っている人たちが、「川のところ」の人たちに薪の対価として、この場合はお金を「喜んで与えてくれて」いたんですね。

最近のパフォーマンス

最近のティナ・ターナーのライブでは、前置き、イントロ部分が、相当長めになっていて、演出も「今どき」で、よく工夫されています。

Tina Turner Proud Mary Live 2009

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カバーする人たちも多い

色々な人がカバーしていますが、歌いながらのパフォーマンスも、確率されたパターンが引き継がれてますね。

Broken Peach - Proud Mary (Creedence Clearwater Revival)

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今回のお話

今回は、「プラウド・メアリー」の歌詞を読んでみたら、どうやら「プラウド・メアリー」はマリア様のことを暗示しているらしく、「ティナ・ターナー」にとってはこの歌は、精神的なよりどころである「ゴスペル」だったのではないか、というお話でした。

実際仏教系の宗教団体に入っていたこともあったようで、宗教的な思いの強い人だったのかも知れません。それだけ苦労した、ということなんでしょうね。