一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「ゴキジェットプロ」のCM音楽は、モーツアルトの「魔笛」なの?

 

ゴキジェットプロ「対決」篇 30秒 |アース製薬

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ボクシング世界チャンピオン井上尚弥(いのうえなおや)選手が、夜の街の暗い裏通りで忍び寄る、不気味な黒い魔物たちを片っ端からコテンパンにやっつけます。

出会ったからには、

一撃で、

仕留めなきゃならない。

(ここで音楽が入ります)

だから、

秒速ノックダウンの

ゴキジェットプロ

強力ジェット噴射と

有効成分イミプロトリン※で

ゴキブリを

秒速

ノックダウン

暴れさせない

隠れさせない

羽ばたかせない

ゴキジェットプロ

(最後にも音楽のエンディングが)

※「イミプロトリン」というのは、
「殺虫成分の一種。他の殺虫成分と比べてもゴキブリをノックダウンさせるまでの時間が非常に短く、速効性に優れている。」
のだそうです。

ナレーションは、伊達淳彦(だてあつひこ)」

夜の魔物たちのバックには「夜の女王」が

夜の暗闇の中にうごめく黒い魔物たちの姿は「姿を見るのさえイヤ」という人のことも考慮してか、ハッキリとは見えないのですが、さすが世界チャンピオン、次々と退治して行きますね。

そして、「仕留めなきゃならない」のセリフのあとで音楽が入ります。

ハイトーンな女性の声、どうやらオペラの一節のようですね。

歌っているのはなんと「夜の女王」。
「夜の闇の世界」の元締めの声なのでした。

 

モーツアルト「魔笛 」より「夜の女王のアリア 」
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」

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闇の世界と光の世界

怖いですね〜、この曲のタイトルは何と「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」なのです。

何に対して復讐したいのかというと、悪者の代表である「夜の女王」と対極にいる、善い者の代表である「昼の世界の大祭司・ザラストロ」に対してです。

現在、大祭司「ザラストロ」の元には、「夜の女王」の娘「パミーノ」が保護されているのです。

「夜の女王」の悪い影響を受けないようにと、大祭司「ザラストロ」が、「夜の女王」のところから自分のところに連れて来ていたのでした。

荒れ狂う「夜の女王」

その、大祭司「ザラストロ」の保護下にある「夜の女王」の娘「パミーノ」のところに、彼女の母親である「夜の女王」が、じきじきに、従者たちを引き連れて現れます。

そして「夜の女王」は、自分の娘の「パミーノ」に向かって、このナイフを渡すから大祭司「ザラストロ」をやっつけろ、そうしないと、もうお前は私の娘だとは認めない!と歌いながら、無理やりナイフを自分の娘の「パミーノ」に握らせて、ひとしきり荒れ狂ってから立ち去る、という場面です。怖いですね〜。

こんなことを歌ってます。

「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」歌詞

地獄の復讐がわが心に煮え繰りかえる
死と絶望がわが身を焼き尽くす!
お前がザラストロに死の苦しみを与えないならば、
そう、お前はもはや私の娘ではない。

 

勘当されるのだ、永遠に、
永遠に捨てられ、
永遠に忘れ去られる、
血肉を分けたすべての絆が。
もしもザラストロが蒼白にならないなら!
聞け、復讐の神々よ、母の呪いを聞け!

Wikiより

こわいこわい

ソプラノ歌手の「コロラトゥーラ」

この「夜の女王のアリア」である「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」は、「コロラトゥーラ」という、速くて細かい動きの高音を、音を転がすように歌う、ソプラノ歌手のテクニックを披露するのに格好の曲となっています。

何でも、モーツアルトの奥さんのお姉さんがこの音域の声を出せたソプラノ歌手なので、彼がお姉さんのために書いた曲だ、という話ですね。

今回のお話

今回はアース製薬「ゴキジェットプロ」のCM音楽は、モーツアルトのオペラ「魔笛」から、「女王のアリア」と呼ばれる「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」だった、というお話でした。

ゴキブリたちも「夜の女王」に支配されているのでしょうか、怖いですね〜。

でも大丈夫、「ゴキジェットプロ」があります。