一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

三井住友「オリーブ」CM曲、カルメンの「ハバネラ」は「ハバナ」由来のキューバ音楽

【Olive】TVCM「知らない人」篇

現在流れているCMはこちらです。
吉高由里子(よしたかゆりこ)さんと北村匠海(きたむらたくみ)さんの出演で、ドキドキな場面ですね。

【Olive】TVCM「知らない人篇」_30sec(字幕)youtu.be

字幕があるので、分かりやすいですね。

このCMの前には、こちらのバージョンのCMでした。

三井住友「SMBC」「オリーブ」のCMになぜ「カルメン」が?

最近、よく「オリーブ」のCMを目にするようになり、見ているうちに、その音楽に「カルメン」の「ハバネラ」が使われているのに気がつきました。

なぜ「オリーブ」には「カルメン」なのか、探ってみました。

【Olive】TVCM「Olive ポイントになる口座篇 改訂 15秒」北村匠海

youtu.be

どこの駅なのでしょうか。雰囲気はイギリスのようですが、バス停の表示を見ると「Le Pont Neuf」とフランス語です。

映画のような深い色合いの画面に、字幕の書体も映画ふうです。

神保悟志(じんぼさとし)さんのナレーションと字幕

「新社会人にもお金は関わる」

画面には同時に「どんな生き方にも、お金は関わる」の文字が。

「口座作った?」

「まあ、とりあえず」

と、バスの停留所の新入社員ふうの男女の会話。

それを聞いた主人公「北村匠海(きたむらたくみ)」は、バス内の座席で

「とりあえず、って」

ナレーションと字幕

「むしろ最初が肝心だと彼は思っている」

ナレーション

新しいキャッシュレス「オリーブ」

彼はまだ、それを知らない。

ここに入って来る音楽が、ビゼーのオペラ「カルメン」の有名な「ハバネラ」の一節なんですね。

 

このCMシリーズにはさらにたくさんのバージョンがあるらしく、こんなCMも。

【Olive】TVCM「Olive つながる(Vポイント)篇 改訂 15秒 SMBCロゴ版」小栗旬

youtu.be

こちらも駅のカフェのようですね。

神保悟志(じんぼさとし)さんのナレーションと字幕

「あの男がオリーブを知った」

「小栗旬(おぐりしゅん)」がスマホを見ながら、

「んん?」

ナレーションと字幕

「驚きのパーセンテージであった」

「小栗旬」は、18%という数字を見て、

「こんなに?」

あまりのことに、人に見られないかと、思わず店内を振り返る「小栗旬」。

ナレーション

「ポイントつながる、オリーブ」

ここでも、「カルメン」の「ハバネラ」の音楽が流れますね。

オリーブ(Olive)とは

というわけで、オリーブ(Olive)とは「オリーブ(Olive)」のアカウントを一つ持っているだけで、

⚫️三井住友の銀行口座、
⚫️クレジット、
⚫️デビット、
⚫️ポイント払い、
さらには
⚫️保険・証券(SBI)まで、

数種類のお金関係のサービスを一括して管理できる、というシステムのようですね。

さて、その三井住友「SMBC」の新しいキャッシュレスが、なぜ「オリーブ」なのか、そして、CM音楽がなぜ「カルメン」なのか、二つの謎が浮かび上がります。

なぜ「オリーブ」なのか

その理由について、公式見解によると、

「Olive」は「O」と「Live」に分解できます。「O」は輪、何かがつながって一つになっていくということを、「Live」は、お客さまの生活や人生を表しており、「Olive」を通じてサービスがつながり、お客さまの生活や人生がより豊かに循環していくお手伝いをできるサービスでありたいという想いも込めています。

という意味もあるそうですが。

イメージカラーがそもそも緑

もともと、三井住友「SMBC」のコーポレートカラーが、フレッシュグリーンとトラッドグリーンの2色なんですね。色彩についての公式見解によるイメージとしては

・    フレッシュグリーン(若草色)
若々しさ、知性、やさしさを表しています。
・    トラッドグリーン(深緑色)
伝統、信頼、安定感を表しています。

 

と言うわけで、会社のイメージカラーがそもそも緑であることが一つの理由。

オリーブは緑ですからね。

オリーブの木という政党連合がイタリアにあったこと

また、お金に関する機能をまとめることがなぜ「オリーブ」になるのかと言うと、イタリアで以前、オリーブの葉のような小さなたくさんの政党が集まって、一本のオリーブの木のような大きな政党連合体を作ろう、という動きがあり、その連合体の名前を「オリーブの木」にした、という事があったので、そこから来ているのだろうと思います。

オリーブ

いくつかの政党がオリーブの葉のように集まって「オリーブの木」の名のもとにまとまったように、三井住友「SMBC」グループが、いくつかのお金関係の機能をオリーブの葉のようにまとめて「オリーブ」という名前で一括管理する、というわけですね。

ちなみに、なぜ「オリーブの木」なのかと言うと、オリーブが平和と繁栄の象徴であり、丈夫で、成長すればオリーブオイルも生み出す実が成る、という特性から来ています。

国連のマークにもオリーブの枝がデザインされているんですね。
世界が平和でありますように。

国連マーク

平和の象徴と言えば鳩ですが、鳩がくわえている葉っぱがオリーブの葉なんですね。

洪水の後の一面の海原に浮かぶノアの箱舟に、オリーブの葉をくわえた鳩が戻ってきたので、ノアは世界が平安になり、陸地ができてオリーブが繁ったことを知るのでした。

ノアの箱舟

なぜカルメンのハバネラなのか

これはもう連想ゲームのようですが、オリーブの世界最大の産地がスペイン南部のアンダルシア地方で、その中心地がセビリアで、そのセビリアを舞台にした有名な歌劇があって、それが「カルメン」だった、という事なんですね。

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もとは「コントルダンス・ハバネラ」

ところで、「ハバネラ」という言葉は、「ハバナふうの」という意味です。あの中南米キューバの首都の「ハバナ」です。

キューバの言葉スペイン語では「コントラダンサ・アバネラ (Contradanza Habanera)」つまり「コントルダンス・ハバナふう」だったのが「ハバネラ」つまり「ハバナふう」だけで通じるようになったんですね。

「コントルダンス」は「対面舞踏」という意味で、もともとはイギリス発祥の、男女が対面して踊って順番に相手が変わって行く、というダンスです。

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それがフランスに伝わり、さらにそれが植民地ハイチに伝わり、そこからキューバ(首都がハバナ)に伝わり、そこからスペインに、という伝わり方をして、それぞれの土地の音楽や踊りとミックスして行きます。

ハバナからスペインに行った際には、そのリズムはこの「カルメン」の「ハバネラ」のように、「た・たん・たんたんっっ」あるいは「たんっっ・た・たん・たん」のリズムになっていたんですね。

下の楽譜の「Cello」(セロ)の部分が「たんっっ・た・たん・たん」の繰り返しのリズムになっています。

カルメン、ハバネラ

カルメン、ハバネラ(Wikiより)

今回のお話

今回は、三井住友「SMBC」グループの「オリーブ」の由来が、三井住友「SMBC」のイメージカラーが緑である事や、イタリアの「オリーブの木」が参考になった事から来ている、というお話。

それに、オリーブの世界最大の産地、スペインのセビリアが舞台の歌劇「カルメン」からの連想で、その「ハバネラ」がCM曲に使われていることが分かった、と言うお話。

さらには、その「ハバネラ」の由来も調べてみた、というお話でした。