JR東日本【東北へ篇】自分の世界に、まだない場所へ。
☆このCMは放送終了のようですが、記事は残しておきます☆
このCM曲はゴダイゴの「銀河鉄道999」ですね。
なぜ「銀河鉄道999」なのかを探って見ました。
「鉄道だから」?
そうです。でもそれだけではないようです。
都会の喧騒にちょっと疲れて、ふと口ずさんだ曲が「銀河鉄道999」。
そういえば、高校生の頃に歌った曲だったなあ、と思い出しているうちに思いついて乗った、JR東日本の列車で旅行に出かけたんですね。
高校生たちの歌をバックに、旅先のあちらこちらで楽しい経験をして、いろんな触れ合いをして、最後は無人駅で海に向かって「あーっ!」と叫んで、すっきりリフレッシュですね。
その場面に重なって、ナレーションが。
「言葉にならないこんな気持ち、AIは言葉に出来るのかな」
確かに、「AI」に出来ないところはそこでしょうね。
そして、最後に締めの字幕が入ります。
「自分の世界に、まだない場所へ」
その、AIにはできない、生身の人間としての「感性」を、もっと広げましょう、といったところでしょうか。その際にはJR東日本の列車に乗ってくださいね、というCMでした。
なぜ「銀河鉄道999」なのか
さてこのCMに使われている曲がゴダイゴの「銀河鉄道999(ぎんがてつどうスリーナイン)Galaxy Express 999(ギャラクシー・エクスプレス・スリーナイン)」(カッコいい〜)です。
ゴダイゴ「銀河鉄道999」
歌詞はこちらです。
メインボーカルの「タケカワユキヒデ」(なぜかカタカナ)さんが英語が堪能、と言うことで、英語版の歌詞もあります。
銀河鉄道999 英語ヴァージョン in 1979
Galaxy Express 999(ギャラクシー・エクスプレス・スリーナイン)
英語版の歌詞はこちらです。
銀河鉄道はSL(スチーム・ロコモーティブ)なのに空を飛ぶ
銀河鉄道は蒸気機関車、いわゆる「SL(Steam Locomotive )」なので、超高速に走るというイメージはあまりなくて、その最大の特徴は、空を飛ぶことですね。
Wikiより
前に進むよりも、さらに上に行くという、びっくりな発想。夢が広がる、可能性が広がる、視野が広がる、それは間違いなさそうですね。
JRの各新幹線の愛称も、実は「飛んで」いる
さて、当初は「夢の超特急」と呼ばれていた新幹線、JRの各新幹線の愛称を見てみましょう。
「スピード」と言うよりも、「飛んで」いる鳥の名前をはじめとした「空中にあるもの」山の名前などの「高いところにあるもの」「空間を意識したもの」が多いように感じます。
各地方新幹線の愛称
あさま(活火山、浅間山ですね、噴煙も空へ)
かがやき(太陽の輝きでしょうか)
かもめ(海の鳥ですね)
こだま(山と山との間で響きます)
Wikiより「こだま」
こまち(「小野小町-おののこまち」は「高嶺の花」でしょうか)
さくら(桜吹雪は宙を舞います)
たにがわ(谷川岳ですね)
つばさ(鳥や飛行機の翼)
つばめ(空中を自由自在です)
つるぎ(剱岳ですね)
Wikiより「つるぎ」
とき(ピンクの鳥、朱鷺です)
とれいゆつばさ(トレイユはフランス語で登山道)
はやぶさ(小型の鷹です)
はやて(つむじ風、疾風です)
やまびこ(山と山の間の「こだま」ですね)
なすの(那須野高原ですね)
のぞみ(望みは高く)
はくたか(白い鷹)
ひかり(太陽の光でしょうか)
Wikiより「ひかり」
みずほ(稲の穂は地中でも水中でもなく「空中」に実りますね)
こうやって見てみると、メインのイメージとしてはスピードと言うよりは、「銀河鉄道999」の「空を駆ける」イメージと通じる名前が多いように感じます。
今回、JR東日本のCMに「銀河鉄道999」が使われた理由も分かりますね。
毎日の敷かれたレールの上を前向きに進むのも良いですが、そこからちょっと視点を持ち上げてみれば、そこには次元の違う可能性が見えて広がって行くかも。
「999」は、青春の数字
「銀河鉄道999」は「松本零士」の漫画ですが、その着想の元は、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」とメーテルリンクの童話「青い鳥」だそうです。
タイトルの「999」には、大人が「1000」という完成したものとすれば、その完成した大人になる前の、未完成の青春が終わりそうな時、という意味があるそうです。
「999」は永遠に「1000」にはならない、つまりは、人間は永遠に青春時代にいる、と言う説もあって、その辺もこのアニメ、曲がウケる理由かも知れません。
今回のお話
今回は、JR東日本のCM【東北へ篇】「自分の世界に、まだない場所へ。」に、なぜ、ゴダイゴの「銀河鉄道999」が使われているのか、その理由を探って見ました。
もちろん、両方とも「鉄道」である、という共通項があることが最大の理由でしょうが、その「鉄道」の軌道をはるかに超えてしまう「銀河鉄道999」は、なんと言っても空を飛べること、それが最大の特徴であり、その特徴が、意外にも各新幹線の愛称と相性が良いことが分かった、それで今回、CMに採用されたのでした、というお話でした。
JR自身が、限界を突破したいと思っているんですね。