- 3拍子でもない、4拍子でもない、5拍子って?
- Take 5 (5拍子で行こう)
- 「スパイ大作戦」のオープニングテーマも5拍子
- 映画版テーマ曲
- フォルサム・レイク交響楽団
- ハンガリーのビッグバンド版
- 今回のお話
3拍子でもない、4拍子でもない、5拍子って?
私は、世の中の音楽のリズムは、4分の4拍子(4/4)、4分の3拍子(3/4)、4分の2拍子(2/4)、といった感じで、分子より分母の方が大きいのが当たり前と思っていました。
それが、世の中には「Take 5 」(5拍子で行こう)という曲があって、それは4分の5拍子(5/4)なのだ、という話を聞いても、そんなことはあり得ない、と信じませんでした。
ところが、実際、曲を聞いて拍子を取ってみたら、確かに4分の5拍子(5/4)だったので、びっくりしたものです。
Take 5 (5拍子で行こう)
こちらが、その「Take 5 」(5拍子で行こう)の演奏です。
"Take Five" Dave Brubeck Quartet
演奏しているのは、アメリカ、カリフォルニア出身のジャズピアニスト、デイヴ・ブルーベックを中心に組まれたジャズ・バンド「デイヴ・ブルーベック・カルテット」
「Take 5 」という曲の作曲者はリーダーのデイヴ・ブルーベックではなく、このカルテットの一員、サックス奏者のポール・デスモンドです。
私としては、確かにこの曲が5拍子であることは認めたものの、「この曲はどうやら非常に特殊なケースであるらしい。その証拠に、この曲以外に5拍子の曲なんてないではないか」と、長年思い込んでおりました。
「スパイ大作戦」のオープニングテーマも5拍子
ところが、なんと、リアルタイムでは何の疑問もなくよく聞いていた、テレビ版の「スパイ大作戦」(原題:Mission Impossible)のオープニングテーマ、主題曲が5拍子なのでした。
1、2、3、4、5とカウントしてみてください。
「スパイ大作戦」オープニングと、お約束の冒頭部分
テープによる指令の声の「例によって」、の「れ」の発音が、ここではまだそうでもないですが、毎週、回を重ねるごとに段々と思い入れたっぷりの巻き舌状態になってきて、とうとう、「れいによって」が、ほとんど「うれいによって」に聞こえるくらいの巻き舌になって来ていたのが面白かったですね。
映画版テーマ曲
こちらは映画版のテーマ曲ですが、その特徴的なリズムの「5拍子」は冒頭だけで、すぐに普通に割り切れて流れる「エイトビート」になってしまいます。
そのとたんに、テレビ版テーマのカッコよさが無くなってしまうように、私には感じられました。
最新作は5拍子
映画の最新作も派手にやってますね。
こちらでは、ちゃんと5拍子です。
トム・クルーズ、超危険な列車アクション!『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』特別映像
フォルサム・レイク交響楽団
実は、この「スパイ大作戦」のテーマ曲が4分の5拍子であることに気付かされたのは、こちらの映像です。
フォルサム・レイク・シンフォニー(Folsom Lake Symphony)は、アメリカ、カリフォルニア州の交響楽団です。
この映像の中で、指揮者は、「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲が「テイクファイブ」と同じ5拍子であることを、情熱的に力説しているんですね。
実際の演奏の途中でも大声で、客席に拍子を5つずつ数えるように言ったりしてますね。観客もそれに応えて、声を出してカウントしています。
Theme from Mission Impossible - Folsom Lake Symphony
私は、この様子を見たので、あ〜そうだったのか、この曲も5拍子だったのかあ、と、目からウロコの新発見ができたのでした。
ハンガリーのビッグバンド版
こんなハンガリーのビッグバンド版もありました。
最初は舞台の端っこで、殊更に「ちまちま」した感じを出している4人のカルテットが「テイク・ファイブ」をジャズ風に演奏しています。
そこにビッグバンドのメンバーが続々と入って来て位置に着き、「テイク・ファイブ」の演奏が終わったところで、「ミッション・インポッシブル」が連続してビッグバンドで演奏されます。そうすると、どちらも5拍子なので、なるほどスムーズにつながって行くんだなあ、と実感する、というわけですね。
Isis Big Band - Take Five & Mission Impossible
今回のお話
今回は、長い長い間、それと気付かずに聞いていた「ミッション・インポッシブル」(スパイ大作戦)のテーマ曲が、ジャズのスタンダード曲「Take 5 」と同じ「5拍子」だったことに、ようやく気が付いた、というお話でした。
他にも「ぼーっと」聞いていて「そうだったのかあ!」な私の知らない秘密が隠れている曲が、色々あるんだろうなあ、と自戒しているところです。