- FIFAカタールW杯テーマ曲、サウンド・ロゴ
- サザンオールスターズ「東京VICTORY(とうきょうヴィクトリー)」リフ
- 「アスリート音階」
- 「ええ」調子のA長調、「イイ」調子のイ長調
- 「チャットGPT」に聞いてみた
- イ長調には人を元気にする
- 「世界に一つだけの花」も
- 今回のお話
- 追記:その後、こんな曲を見つけてしまいました。
FIFAカタールW杯テーマ曲、サウンド・ロゴ
カタールのサッカーワールドカップのテーマ曲で、印象に残るリフと言うのか、サウンドロゴと言うのか、たった1小節ですが、印象に残るメロディーがありました。
こちらの動画の最初と最後に出て来る、太鼓の「どん!」に続く4つの音階です。
FIFA 23 - Intro World Cup 2022
「(どん!)・ラ・♯ド・レー・♯ドー」
という、とても短くて特徴的なメロディーなので、耳に残りますね。
このメロディーを聞いて、どこかで聞いた覚えがあるなあ、という気がして、よくよく思い出してみると、こちらの曲でした。
サザンオールスターズ「東京VICTORY(とうきょうヴィクトリー)」リフ
歌詞はこちらです。
なんと、この「東京VICTORY」でも、伴奏で繰り返される、ワールドカップのテーマ曲と同じ音階の、印象的なリフの演奏が聞こえるんですね。
こちらのリフは2小節にわたるもので、1小節目と2小節目の境目の「ラー」ではカッコよく先取りシンコペーションしています。
「ラーー・♯ド・レー・♯ド・ラー・ラー・♯ド・レー・♯ドー」
と、音符の「長さ」は違いますが、その「音階」はワールドカップテーマ曲の音階と全く同じです。
で、このサザンの「東京VICTORY」は、「東京オリンピック2020」を意識して2014年に作られた曲なのですが、実は2014年と2018年の「女子バレーボール世界選手権」でも、テーマ曲として使われたのです。
「アスリート音階」
つまり、カタールのテーマ曲の方もサッカーというスポーツの曲だし、「東京VICTORY」の方も、バレーボールというスポーツの曲であり、スポーツの祭典オリンピックの曲でもある、ということで、両曲ともにスポーツを、そしてアスリートをテーマにしている、という共通点があるんですね。
という事は、ひょっとして、この音階、音型自体が、アスリートを元気にする音階、音型、言ってみれば「アスリート音階、音型」なのか、という仮説が、私の脳裏に浮かびました。
「アスリート音階」略して「A音階」とでも言えるでしょうか。
そして、「アスリート音階」略して「A音階」の他に、この「東京VICTORY」とカタールのワールドカップテーマ曲に共通しているもう一つの要素が「調」なのです。
「ええ」調子のA長調、「イイ」調子のイ長調
2曲ともに、オーケストラで音合わせをする際の基準音である「ラ」の音を起点にする「長調」なんですね。
ラの音は英語で言うと「ラ」の音は、「A・B・C・D・E・F・G」の最初、「A」の音なので、調としては「A Major」(エー・メジャー)ということになります。つまり「A長調」ということになりますね。
大阪弁で言う「良い」という意味の「ええ」長調とも言えるでしょうか。
日本語で言うと、「イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘ・ト」の最初の音、いの一番の「イ」の音なので「イ長調」ですね。こちらは標準語で重ねると「イイ」調となって、どちらにしてもいい感じです。
「チャットGPT」に聞いてみた
さて、そうなると、この二つの曲に共通する、「アスリート音階」が乗っているA Major(エー・メジャー)、イ長調、という「調」そのものに、「調」特有の感情や気分、みたいなものがあるのだろうか、という疑問が湧いたので、今話題の"ChatGPT"「チャットGPT」に聞いてみました。
【問い】イ長調の曲はどんな感情を表しますか?
【答え】イ長調の曲は、明るく陽気な感情を表すことが多いとされています。イ長調は、メジャースケールのトニックが「イ」である音階であり、明るく開放的な印象を与えます。そのため、多くのイ長調の曲は、喜びや愉快な気分、明るい希望や楽観的な気持ちを表現するのに適しています。例えば、ベートーヴェンの「交響曲第9番」の第四楽章「歓喜の歌」や、モーツァルトの「トルコ行進曲」、ブラームスの「ハンガリー舞曲(7番)」などがイ長調で書かれています。これらの曲は、軽快で陽気なメロディーやリズムを持ち、明るい気分や祝福の気持ちを表現するのにぴったりです。ただし、曲のテンポやリズム、調性以外にも、作曲家の個性や曲の内容によって感情表現は多様であり、必ずしもイ長調が明るい感情を表すわけではありません。
イ長調には人を元気にする
イイですね。
"ChatGPT"「チャットGPT」の答えに出て来る言葉を挙げてみると、
「明るく陽気な」
「明るく開放的な」
「喜び」
「愉快な気分」
「明るい希望」
「楽観的な気持ち」
「軽快で陽気」
「明るい気分」
「祝福の気持ち」
と、読んでいるだけで前向きな気分になって来ますね。
ということなので、確かにイ長調には人を元気にする要素がある、くらいの傾向はありそうです。
(ただし、"ChatGPT"「チャットGPT」の答えには、まだ誤情報も多いようなので、検証は必要みたいですね。)
「世界に一つだけの花」も
日本の曲でイ長調の曲を探してみると、例えば、肯定的な歌詞で知られる「世界に一つだけの花」も、イ長調です。
実はこんなCM曲もイ長調です。
太田胃散 「自然」篇 30秒 ショパン「24の前奏曲」第7番イ長調
このCMは、明らかに「胃腸」と「イ調」をかけていますね。
あるいは「胃の調子」略して「いちょう」?
ナレーションの「いーい薬です」と、ことさらに「い」を強調するのも納得です。
今回のお話
今回は、サザン「東京VICTORY」と同じ音階のリフが、カタールの「ワールドカップ」テーマ曲にも使われていることから、その共通性を調べてみたら、そもそもの調性「イ長調」であることまで共通していることが分かり、そのイ長調にはどうやら、アスリートだけではなく、普通の人も元気にする要素があるらしいことが分かった、というお話でした。
落ち込んだ時は、イ長調の曲を聞いてみようと思います。
追記:その後、こんな曲を見つけてしまいました。
伴奏にあの同じリフが出てきます。
The Crystals"Then He Kissed Me"
アメリカのガールズグループ「クリスタルズ」の曲で、作詞作曲に、ビートルズの「レット・イット・ビー」をプロデュースした、あのフィルスペクターが関わっています。
祝祭的音階なのか
そしてこの曲はホ長調です。イ長調ではありませんが、
ホ長調もチャットGTPに聞いてみたところ、
Eメジャー(ホ長調)は、明るく控えめなキーで、幸福感や希望、情熱、勇気、などの感情を表現するために使われます。
Eメジャーの曲は、絶え間なく活力に溢れ、陽気で、快なリズムや明るいメロディーが特徴的です。また、Eメジャーの曲は、切なく感傷的なメロディーを持ち合わせることもありますが、それでも概してポジティブな感情を表現することが多いです。
とのことなので、ポジティブな調には違いないようですね。
また、歌詞も「めでたく結婚に至る」、というポジティブで、もはや祝祭的とも言える歌詞なので、サザン「東京VICTORY」カタールの「ワールドカップ」テーマ曲にも共通する気分を表すものではありますね。
このリフには「祝祭」的なものが入っているのかも知れません。