一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

スズキ「スイフト」のCM音楽が「ペパーミント・ツイスト」なのはなぜ?

スイフトTVCM 「Let's SWIFT it」篇 15秒

現在、スズキ「スイフト」のTVCMが流れています。

ノリノリでダンスをしながら歩いて来るのは、「大谷翔平」の「ドジャースブルー」に影響されたのか、全身ブルーづくめの男女。

スイフトTVCM 「Let's SWIFT it」篇 15秒

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「どこ行く?」

「君が行けないとこまで」

「はあ?いいからカギちょうだい」

 

「Let's SWIFT it(レッツ・スウィフト・イット)」

 

「どこまでも行けちゃうって、最高じゃん」

「新型ハイブリッド、スズキ!」

曲は「ペパーミント・ツイスト」

このCMのバックに流れている曲は、「ペパーミント・ツイスト」という曲です。

「ツイスト」と言うのは、CMの青い男女が踊っているダンスのことです。

その「ツイスト」が流行っていた当時、1961年にヒットしていた曲が「ペパーミント・ツイスト」です。

Joey Dee & The Starliters - Peppermint Twist.

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歌詞はこちらです。歌詞の下にある「日本語に翻訳」の文字をクリックすると自動翻訳文も見られます。

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「ペパーミント・ラウンジ」が由来

なぜ「ペパーミント」なのかと言うと、「ペパーミント・ラウンジ「PEPPERMINT LOUNGE」という、当時流行の最先端を行く、ゲイ向けのディスコクラブがニューヨークのマンハッタン45番街にあって、そこからツイストが発生したのですが、「ペパーミント・ツイスト」は、まさに、そこで作られた「ツイスト」曲だったからです。

ビートルズも踊りに来た

もちろん、このディスコクラブにはゲイでない人も自由に入れたので、定員178 人とあまり広くありませんが、当時の超有名人が次々に訪れています。

オードリー・ヘプバーン、トルーマン・カポーティ、マリリン・モンロー、ジュディ・ガーランド、リベラーチェ、ノエル・カワード、フランク・シナトラ、ノーマン・メイラー、アネット・ファニセロ、グレタ・ガルボ、モーリス・シュヴァリエなど。

日本で言えば「ジュリアナ・ツイスト」とか「マハラジャ・ツイスト」みたいなニュアンスになるでしょうか。

1964年にはあのビートルズの面々も、ライブコンサートで訪米の際に「ペパーミント・ラウンジ」を訪れて踊っています。

First US Visit Clip 2

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演奏陣も最先端

また、ここで演奏したバンドや歌った歌手も、当時売れっ子だったユニットばかりです。

ビーチ・ボーイズ、ロネッツ、クリスタルズ、アイズレー・ブラザーズ、チャビー・チェッカー、ライザ・ミネリ、フォー・シーズンズなど(ロネッツは1961 年にここで デビュー)

あまりの流行ぶりに、ジャクリーヌ・ケネディ大統領夫人が、ホワイトハウスに臨時の「ペパーミント・ラウンジ」を設置してしまった、という話もあるくらいです。

そして、いわゆる「ハウスバンド」という、この「ペパーミント・ラウンジ」専属のバンドが「ジョーイ・ディーと ザ・スターライターズ」で、彼らが「ペパーミント・ツイスト」をヒットさせました。

発端は「ザ・ツイスト」のヒット

ただし、ツイストで最初にヒットした曲は、その前年1960年にチャビー・チェッカーが発表した「ザ・ツイスト」でした。

こちらの映像、バンドが演奏している一部の場面は「ペパーミント・ラウンジ」店内での映像です。

The Twist - Chubby Checker

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2匹目のどじょう「レッツ・ツイスト・アゲイン」

「ザ・ツイスト」がヒットしたので、チャビー・チェッカーは2匹目のドジョウも狙いました。その「レッツ・ツイスト・アゲイン」も売れました。

 

曲の途中の間奏部分で、

「あそこで飛び上がっているのは誰だ!?」

「あれは鳥かな?」「ノー!」

「あれは飛行機かな?」「ノー!」

「あれはツイストやってるヤツかな?」「イェー!!」

という、当時の人気テレビドラマ「スーパーマン」のオープニングシーンのパロディーを入れてます。

Chubby Checker - Let's Twist Again「レッツ・ツイスト・アゲイン」

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歌詞はこちらです。歌詞の下にある「日本語に翻訳」の文字をクリックすると自動翻訳文も見られます。

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また、こんな楽しいバージョンもあります。

Lets twist again

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「スイフト」と「ツイスト」

さて、スズキ「スイフト」のCM音楽が「ペパーミントツイスト」なのはなぜか。

もうお気づきかも知れませんが、「スイフト」と「ツイスト」、発音してみると、これが二つとも似ているんですね。

 

ローマ字で書いてみると、

「スイフト」「SUIFUTO」

「ツイスト」「TUISUTO」

 

母音だけ抜き出してみると

「スイフト」「UIUO(ウイウオ)」

「ツイスト」「UIUO(ウイウオ)」

韻を踏んでいる

全く同じですね。

なので、この「スイフト」のCM音楽の発想は、どうやら「スイフト」と「ツイスト」の語呂合わせから来ているらしいことが分かります。

韻を踏んでいる、とも言います。

 

原語でも似ています。意味は違いますが。

Swift「素早い、迅速な」

Twist「ひねる、ねじる」

 

CMで

「Let's SWIFT it(レッツ・スウィフト・イット)」

と言っているところがありますが、これも

「Let's TWIST again(レッツ・ツイスト・アゲイン)」

と似ていますね。

今回のお話

今回は、スズキ「スイフト」のCM音楽が「ペパーミントツイスト」なのはなぜかを考えてみたら、スイフトとツイストの音が似ているので、どうやら韻を踏んだ語呂合わせから来ているようだ、というお話でした。

まあ、このへんの韻の踏み方は「親父ギャグ」「ダジャレ」とも言われますが、「大喜利」の基本でもありますので、一応基本を押さえた発想、ということで、とっくにオヤジである私は拍手を送りたいと思います。

(違うものの共通性を探す、というメンタリティは、実は創造性の一つの要素だと密かに思っています)

なお、「ツイスト」では、こちらの曲も有名です。

ducksfly.hatenablog.com