一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

東京で「クマゼミ」の声が聞こえる!

関西の夏の風物詩クマゼミ

私は小学生から中学生にかけて関西にいたので、セミと言えば、アブラゼミとツクツクボウシ、時々ヒグラシが聞こえていましたが、メインは何と言ってもクマゼミでした。

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この勢いの良い「シャアシャアシャアシャアシャア」という、暑さをものともしない、何なら暑さを取り込んでしまってエネルギー源にしているかのような、「夏の力強さ」そのものの声でした。これが集団で鳴いていると、もうすさまじい音量で、木の上から、空の上から降って来るイメージでしたね。

私は昆虫少年だったので、両脇が高い木が並んでいる道路を真っ直ぐ飛んで来ては、身をひるがえしてもと来た道路を悠然と飛んで行くオニヤンマを捕まえようと、虫取り網を構えて、真剣勝負の如くに、あまり車も通らない道路の真ん中で、サムライのように正々堂々と待ち構えていたりしました。

ちなみにこの道路は「万葉苑筋」という道路で、広田神社と西宮神社を結んでいます。
私が通っていた小学校もこの道路に面していたので、平成天皇、現上皇さまがまだ皇太子だった時に広田神社から西宮神社にいらっしゃったのでしょうか、お通りになる車列に日の丸の小旗を持った全校生徒が道に並んで、その小旗を振った覚えがあります。1mもない至近距離から、窓が全開だったので車内をしっかり拝見できて、今思えば貴重な体験でした。ずいぶん若くてカッコいいお兄さんだな、という印象でした。

そんな時にも、うっそうとした木々の頭上でやかましいほどに鳴いているクマゼミも捕りたかったのですが、木の高いところにいるので、捕れた試しはありません。

東京のセミの代表ミンミンゼミ

そんな時に、時々テレビのドラマやニュースで聞く東京のセミの声が「ミーンミンミン」という、関西では聞いたことのない鳴き声だったので、調べてみると「ミンミンゼミ」だということが分かりました。

関西のクマゼミの、気合の入った「シャアシャアシャアシャアシャア」とは全く違う「み〜〜〜んみんみんみ〜ん」という、いかにも蒸し暑い、暑苦しい、暑さにダレ切ったダラダラした感じで、めんどくさそ〜に鳴くのが面白かったですね。

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関西から東京に引っ越した

中学生の時に関西から東京に引っ越して来たのですが、東京にはクマゼミは全くおらず、あのクマゼミの「シャアシャアシャアシャアシャア」が全然聞こえないので寂しくはありました。

東京のミンミンゼミの「ミーンミンみんみ〜ん」の声を聞くと、たださえ蒸し暑いのに、気分もダレるばかりです。

東京でクマゼミの声が聞こえた

ところが最近、東京でもクマゼミの声が聞こえたのです。

えっ、まさか、と思ってよく耳を澄ますと、紛れもなくクマゼミの、あの「シャアシャアシャアシャアシャア」なのですが、ちょっと遠くで鳴いているので、あまり迫力はありません。しかし、久しぶりに聞くクマゼミの声は懐かしくて良かったですね。

爽やかな感じがします。

あまり数はいないようですが、確かにクマゼミだったので、東京進出は間違いないようです。

地球温暖化の影響か

とうとう東京も関西圏の影響下に入るか、というところですが、あまり喜んでばかりもいられない事情があるようですね。

そうです。

地球温暖化です。

東京を含む関東圏の平均気温が上昇しているんですね。

なので、クマゼミの生息地域も北に広がって来た、というわけです。

生息北限が北に移動している、ということで、生態系にも影響が出て来るんでしょうね。変なことが起こらないと良いのですが。

今回のお話

今回は、関西地方にその行動範囲を限定されていたクマゼミが、東京進出を果たしたのは、ある意味おめでたいけれど、ある意味、温暖化の影響ということなので、怖い面もある、というお話でした。