「KAKUYASU」のCMに「桃太郎」の歌が
首都圏中心に展開する酒デリバリー店「カクヤス」のCMが放送されています。
KAKUYASU なんでも酒やカクヤス CM 「1本からピンポーン!」篇 15秒
このCMでは、「桃太郎」のメロディーで替え歌が流れます。
お笑い芸人バナナマンの日村 勇紀(ひむら ゆうき)さんが冷蔵庫を開けて、お酒がないことに気が付いて叫びます。
「あっ!お酒がない!」
それを聞いたバナナマンの相方、設楽 統(したら おさむ)さんが、スマホを取り出します。
「そんな時は」
と設楽さんがスマホを操作するときに、「桃太郎」のメロディーで、その替え歌が流れます。
♪送料無料で一本から〜♪
「もうこれで行ける」と言ってスマホで注文を終えた設楽さんに、日村さんは感心して、
「いいじゃん」
♪最短1時間で届く〜♪
♪ピンポ〜ンとチャイムが鳴って、
「えっ!? はやっ!」
と日村さんがびっくりして、それまでやっていた積み木を崩してしまい、二人して玄関先に出ると、もうお酒が届いていました。
「来た〜〜〜」
と二人で言って拍手です。その間、桃太郎のメロディーは流れています。
♪お酒のデリバリー♪
♪カクヤ〜ス〜♪
二人して届いたばかりのビールを飲みながら
「一本からピンポーン」
「カクヤス」
桃太郎伝説
さて「桃太郎」の歌の元になったお話「桃太郎伝説」は、こういうお話です。
おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行っていたら、大きな桃がどんぶらこと流れてきて、おばあさんがそれを拾い、家へ持ち帰ったら、パカっと割れて中から桃太郎が生まれた。
その桃太郎が大きくなって、鬼ヶ島に鬼退治に出かけ、途中で、犬、猿、雉(きじ)を従えて、鬼退治。鬼たちの持っていた金銀財宝を持ち帰った、というお話。
この物語に付けられた歌が、この桃太郎の歌でした。
「桃太郎」の歌
桃太郎 - ももたろう | こどものうた | 童謡 | 唱歌 | レッド キャットリーディング
桃太郎の歌、歌詞
歌詞はこちらです。
桃太郎
1)桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた黍団子(きびだんご)、一つわたしに下さいな。
2)やりましょう、やりましょう、これから鬼の征伐(せいばつ)に、ついて行くならやりましょう。
3)行きましょう、行きましょう、貴方(あなた)について何処(どこ)までも、家来(けらい)になって行きましょう。
4)そりや進め、そりや進め、一度に攻めて攻めやぶり、つぶしてしまへ、鬼が島5)おもしろい、おもしろい、のこらず鬼を攻めふせて、分捕物(ぶんどりもの)をえんやらや。
6)万万歳(ばんばんざい)、万万歳(ばんばんざい)、お伴(とも)の犬や猿(さる)雉子(きじ)は、勇んで車をえんやらや。
作詞:不明
作曲:岡野貞一
1911年(明治44年)の『尋常小学唱歌』に初めて掲載されました。
最近では、後半の歌詞はカットされがち
最近では、4)番以降はカットされる場合も多いらしいです。
確かに、鬼が、例えば、おじいさんとおばあさんのところであばれた、とか、野菜を盗んで行ったとかの、鬼は悪者であるという前提がないと、「征伐」に行くための動機づけ、説得力がないような気がします。
「つぶしてしまえ」という表現も、ちょっと乱暴ですね。
「鬼を攻めふせる」のが「おもしろい」というのも「正義の戦い」での意識とはちょっとずれるような気がします。
分捕物(ぶんどりもの)という表現も、盗られたものを取り返す、というならまだしも、略奪じゃないんですから、ちょっと考えて欲しかった、と、現在の感覚では思いますね。
今回のお話
今回は、CMソングにも替え歌が使われる「桃太郎」の歌が、よく読んでみると、曲が作られた時代背景が全く違うとは言え、現在の感覚からすると、なにげに横暴感がある歌詞だった、というお話でした。
ところで、スポンサーである「カクヤス」さんがなぜこの「桃太郎」の歌をCMに使ったか、を考えていたのですが、ようやく思い当たりました。
「カクヤス」さんの、もともとのお店のイメージカラーがピンク、つまり「桃」色だったから、なのでした。