一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「桃太郎」の歌には正義はあるんか

「KAKUYASU」のCMに「桃太郎」の歌が

首都圏中心に展開する酒デリバリー店「カクヤス」のCMが放送されています。

KAKUYASU なんでも酒やカクヤス CM 「1本からピンポーン!」篇 15秒

youtu.be

このCMでは、「桃太郎」のメロディーで替え歌が流れます。

お笑い芸人バナナマンの日村 勇紀(ひむら ゆうき)さんが冷蔵庫を開けて、お酒がないことに気が付いて叫びます。

「あっ!お酒がない!」

それを聞いたバナナマンの相方、設楽 統(したら おさむ)さんが、スマホを取り出します。

「そんな時は」

と設楽さんがスマホを操作するときに、「桃太郎」のメロディーで、その替え歌が流れます。

♪送料無料で一本から〜♪

「もうこれで行ける」と言ってスマホで注文を終えた設楽さんに、日村さんは感心して、

「いいじゃん」

♪最短1時間で届く〜♪


ピンポ〜ン

とチャイムが鳴って、

「えっ!? はやっ!」


と日村さんがびっくりして、それまでやっていた積み木を崩してしまい、二人して玄関先に出ると、もうお酒が届いていました。

 

「来た〜〜〜」


と二人で言って拍手です。

その間、桃太郎のメロディーは流れています。

♪お酒のデリバリー♪

♪カクヤ〜ス〜♪

二人して届いたばかりのビールを飲みながら

「一本からピンポーン」

「カクヤス」

桃太郎伝説

さて「桃太郎」の歌の元になったお話「桃太郎伝説」は、こういうお話です。

おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行っていたら、大きな桃がどんぶらこと流れてきて、おばあさんがそれを拾い、家へ持ち帰ったら、パカっと割れて中から桃太郎が生まれた。

その桃太郎が大きくなって、鬼ヶ島に鬼退治に出かけ、途中で、犬、猿、雉(きじ)を従えて、鬼退治。鬼たちの持っていた金銀財宝を持ち帰った、というお話。

この物語に付けられた歌が、この桃太郎の歌でした。

「桃太郎」の歌

桃太郎 - ももたろう | こどものうた | 童謡 | 唱歌 | レッド キャットリーディング

youtu.be

桃太郎の歌、歌詞

歌詞はこちらです。

桃太郎

1)桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた黍団子(きびだんご)、一つわたしに下さいな。

2)やりましょう、やりましょう、これから鬼の征伐(せいばつ)に、ついて行くならやりましょう。

3)行きましょう、行きましょう、貴方(あなた)について何処(どこ)までも、家来(けらい)になって行きましょう。

4)そりや進め、そりや進め、一度に攻めて攻めやぶり、つぶしてしまへ、鬼が島

5)おもしろい、おもしろい、のこらず鬼を攻めふせて、分捕物(ぶんどりもの)をえんやらや。

6)万万歳(ばんばんざい)、万万歳(ばんばんざい)、お伴(とも)の犬や猿(さる)雉子(きじ)は、勇んで車をえんやらや。

 

作詞:不明
作曲:岡野貞一

1911年(明治44年)の『尋常小学唱歌』に初めて掲載されました。

最近では、後半の歌詞はカットされがち

最近では、4)番以降はカットされる場合も多いらしいです。

確かに、鬼が、例えば、おじいさんとおばあさんのところであばれた、とか、野菜を盗んで行ったとかの、鬼は悪者であるという前提がないと、「征伐」に行くための動機づけ、説得力がないような気がします。

「つぶしてしまえ」という表現も、ちょっと乱暴ですね。

「鬼を攻めふせる」のが「おもしろい」というのも「正義の戦い」での意識とはちょっとずれるような気がします。

分捕物(ぶんどりもの)という表現も、盗られたものを取り返す、というならまだしも、略奪じゃないんですから、ちょっと考えて欲しかった、と、現在の感覚では思いますね。

今回のお話

今回は、CMソングにも替え歌が使われる「桃太郎」の歌が、よく読んでみると、曲が作られた時代背景が全く違うとは言え、現在の感覚からすると、なにげに横暴感がある歌詞だった、というお話でした。

ところで、スポンサーである「カクヤス」さんがなぜこの「太郎」の歌をCMに使ったか、を考えていたのですが、ようやく思い当たりました。

「カクヤス」さんの、もともとのお店のイメージカラーがピンク、つまり「」色だったから、なのでした。

www.kakuyasu.co.jp