- ザ・ヴィーナス 「キッスは目にして!」
- ザ・ピーナッツ「情熱の花」
- カテリーナ・ヴァレンテ「Tout L'Amour」
- Fraternity Brothers "Passion Flower"
- ベートーベン「エリーゼのために」
- 今回のお話
音楽を聞いていると、あのヒット曲の元はこの曲だったのか、という事が時々ありますね。
そこで、元の曲があって、そこに別の歌詞をつけて別の曲にしたことでヒットした、という曲を調べてみました。
ザ・ヴィーナス 「キッスは目にして!」
こちらは画面に「作曲ベートーベン」と堂々と出るので、ベートーベンの曲だということがすぐ分かりますね。
「ベートーベン」の作曲に対して、作詞は「阿木燿子(あぎようこ)」、「ポニーテールの時代」ふうの編曲は「ザ・ブルーコメッツ」の「井上大輔(いのうえだいすけ)」、1981年の「カネボウ化粧品、秋のキャンペーン」のCMソングでした。
「ザ・ヴィーナス」 のメインボーカル「コニー」(コニー・フランシスから取ったんでしょうね)の、片足を前に出した前のめり姿勢の歌い方がカッコよかったですね。
そして、ザ・ヴィーナス の「キッスは目にして!」の前には、こちらの曲がよく知られていました。
ザ・ピーナッツ「情熱の花」
これは「情熱の花」のヒットに乗って作られた1960年10月の映画「情熱の花」の一場面です。
編曲は「宮川泰(みやがわひろし)」、作詞は「音羽(おとわ)たかし」。
そして、このザ・ピーナッツ版の「情熱の花」は、カテリーナ・バレンテのヒットにも刺激されて作られたと思われます。
カテリーナ・ヴァレンテ「Tout L'Amour」
カテリーナ・ヴァレンテはイタリア生まれでフランスに帰化した、6ヶ国語を話して、12ヶ国語で歌える、という歌手で、2023年現在で91歳、健在です。
この曲をフランス語とドイツ語でレコードにしています。
フランス語歌詞は画面にも出てますが、こちらです。
さて、さらにさかのぼって、このカテリーナ・ヴァレンテが元にしたのは、1958年にイタリアで大ヒットしていた、アメリカの「ザ・フラタニティ・ブラザーズ(The Fraternity Brothers)」が1957年に発表した「PASSION FLOWER」(パッション・フラワー)です。
Fraternity Brothers "Passion Flower"
面白いですね。「PASSION FLOWER」(パッション・フラワー)、日本語でそのまま「情熱の花」ですね。「ザ・ピーナッツ」がタイトルにしたのは、こちらだと思われます。
曲調は当時アメリカで流行っていた、いわゆる「ドゥーワップ」で、「ポニーテール」の時代の音楽。
やはり当時流行のツイストを踊ってます。
ボーカルの人の「情熱」的なパフォーマンスが楽しいですね。これは確かに、「情熱」の国イタリアではウケそうです。
歌詞はこちらです。
そして、この曲のそもそもの原曲がベートーベンのピアノ曲「エリーゼために」であることは、よく知られていると思います。
ベートーベン「エリーゼのために」
「エリーゼのために」の「エリーゼ」とは誰だ、という諸説があるようですが、大人だ、という説もあり、子供だ、という説もあり、当時のドイツでは「恋人」を表す代名詞だ、という説もあります。
子供でも弾けるように、「子供のために」作った曲という意味だ、という可能性もありますね。
今回のお話
今回は、「キッスは目にして」が出来るまでの展開を、その原曲「エリーゼのために」まで、順を追ってさかのぼってみたら、なかなか面白い映像に出会えた、というお話でした。
最初にベートーベンをポップスにしようと思い付いた「ザ・フラタニティ・ブラザーズ」のおっちゃんたちの、慧眼(けいがん)がすごい、ってことですね。