ホリデー・シーズンのルイ・ヴィトンのCM
クリスマスから新年にかけての休日が多い「ホリデー・シーズン」に向けてのCMですね。
このCM中に、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のマスコット・キャラクターの女の子が、ルイ・ヴィトンマークだらけのくまさんと一緒に出てきます。
The Holiday Season with Louis Vuitton – Chapter 1 | LOUIS VUITTON
クリスマス、新年に向けてのギフトがたくさん積まれている中で、怪しい二つのキャラクターが、ギフトの飛行機のフィギュアをヒモの付いたフックで吊り上げようとしています。
時を止める妖精なのか
しかし、飛行機に引っ掛けたフックが外れて、途中にあった時計の針に引っかかって、針の動きを止めてしまいます。そうするとなんと、世界の時も止まってしまって、そこにいた人たちがみんなフリーズして動きを止めてしまいます。
流れていた音楽も、こもったような不明瞭な響きになってしまいます。
二人は魔法の力を持った妖精なのでしょうか。
キャラクターの二人がフックをさらに調整して引っ張りあげているところで、音楽もまたハッキリ聞こえるようになり、最後に「To be Contnued(続く)」という言葉が出て来るので、また、このCM動画のタイトルも「 Chapter 1 (第一章)」となっているので、まだまだ物語の意外な展開がありそうですね。
そう言えば、中央のテーブルで女性が虫眼鏡で見ていた化粧水の名前は「ATTRAPE-RÊVES(アトラップ・れーヴ)」(ドリーム・キャッチャー)でしたが・・・。
女の子の名前は「ヴィヴィエンヌ」
さて、二人のマスコット・キャラクターのうちの女の子、彼女の名前はフランス語でVivienne(ヴィヴィエンヌ)です。英語で言うと「ヴィヴィアン」ですね。2018年にルイ・ヴィトンのデザイナーが考案したキャラクターで、右目の十文字型の星のような花のような形は、ルイヴィトンのバッグなどでよく見る模様のうちの一つと同じ形をしていますね。
そして、丸い4つの花びらに囲まれた顔全体の形もやはり、ロゴ模様の一つとして使われている形なのでした。
ちなみに、これらの模様「ロゴ」は、日本の「家紋」を意識したものだそうです。
「Vivienne」は「Louis Vuitton」の「V」からの連想でしょうが、Vivre(生きる)というニュアンスがありそうです。Vénus(ビーナス)の連想もあるかも知れません。
クマさんの名前は、テディベアの「ドゥドゥ・ルイ」
二つのうちのもう一つのキャラクター、クマさん、顔から手から身体中がルイ・ヴィトンロゴだらけのクマさん、テディベアの「Doudou Louis(ドゥドゥ・ルイ)」くんも、ちゃんとキャラクターとして、存在していました。
テディベアの名前「Doudou(ドゥドゥ)」とは、フランス語で「触れると安心するもの」のことだそうなので、フランス語の「doux(甘い)ドゥ」という言葉から来ているんでしょうね。
なんと「ユニセフ」とのコラボ製品だそうです。
曲はボビー・ダーリンの「Beyond the Sea」
さて、このCMに使われている音楽は、アメリカ、「ボビー・ダーリン(Bobby Darin)」の1960年のヒット曲「ビヨンド・ザ・シー」(英語タイトル: Beyond the Sea) です。日本語で言うと「海の彼方に」。
1960年にランキング全米6位、全英8位まで上がっています。
こちらはアメリカの当時のランキング番組で、スタジオライブ形式でのパフォーマンスですね。
この当時、えらく人気だったことが分かります。
Bobby Darin - Beyond the Sea
歌詞はこちらで読めます。
彼女が海の向こうで待っている、という歌詞ですね。
元曲はシャルル・トレネの「La Mer」
そして、この曲には元曲があります。
フランスのシャンソン歌手、シャルル・トレネが1945年に作詞作曲したシャンソン「ラ・メール(海)」(フランス語タイトル:La Mer)という曲が原曲になっています。こちらでは、天使が舞っているような海そのものが、ずっと、私を愛してくれているんですね。
Charles Trenet - La mer (Officiel) [Live Version]
このフランス語の原曲の歌詞と、曲の誕生の物語はこちらで読めます。
ボビー・ダーリンの曲「ビヨンド・ザ・シー」は、このシャルル・トレネの曲にジャック・ローレンスが英語の歌詞を当てはめたものです。
1959年発売、1960年のヒット曲なので、その頃に青春だった世代の人たち、現在70代80代くらいの人たちが、このCMのターゲットなのでしょうか。
今回のお話
今回は、ホリデー・シーズンのルイ・ヴィトンのCMに出てくるマスコット・キャラクターの名前と、CMに使われている曲について調べてみました。
「To be Contnued(続く)」という、その続きのCM「 Chapter 2」が楽しみですね。
時代が1960年頃に戻っているのではないかと想像するのですが。