一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「ロング・トール・サリー」の演奏中にのけぞったリトル・リチャード

曲の途中でのけぞる意味は

ビートルズがカバーしたことでも有名な、リトルリチャードの「ロング・トール・サリー」

曲の途中でリトルリチャードが、のけぞるパフォーマンスをするのですが、その意味がさっぱり分からないので、歌詞を解読してみました。

Little Richard - "Long Tall Sally" - from "Don't Knock The Rock" - HQ 1956

youtu.be


ジョンおじさんが、浮気相手である「ハゲ頭」のサリーと一緒に表通りを歩いていたら、奥さんのメリーおばさんとバッタリ鉢合わせしそうになったので、あわてて路地に隠れる時のリアクションなんですね。

Long Tall Sally
(のっぽのサリー)

 

(1番)
Gonna tell Aunt Mary 'bout Uncle John
メリーおばさんにジョンおじさんのことを言いつけてやるんだ

He claim he has the misery but he has a lot of fun
彼は、自分にはみじめなことばかり、と言うけど、楽しいことがたくさんだよ

(繰り返し)
Oh, baby
Yes, baby
Whoo, baby
Having me some fun tonight, yeah
僕にとっては今夜はちょっと楽しい事になりそうだ
(メリーおばさんとジョンおじさんがモメそうなので)

 

(2番)
Well, long tall Sally, she's built for speed
いいかい、のっぽのサリーは超セクシーなんだぜ

She got everything that Uncle John need
彼女はジョンおじさんが求めるものを全部持ってるんだ

(繰り返し)
Oh, baby
Yes, baby
Whoo, baby
Having me some fun tonight, yeah
僕にとっては今夜はちょっと楽しい事になりそうだ
(メリーおばさんとジョンおじさんがモメそうなので)

 

(3番)
Well, I saw Uncle John with bald-head Sally
いいかい、僕はジョンおじさんがツルツル頭のサリーと一緒に歩いているところを
見たんだ

He saw Aunt Mary coming
ジョンおじさんは、メリーおばさんが来るのを見た、
And he ducked back in the alley
そしてアヒルのようにあわてふためいて、路地に戻ったんだ

(繰り返し)
Oh, baby
Yes, baby
Whoo, baby
Having me some fun tonight, yeah Aaaaooow
僕にとっては今夜はちょっと楽しい事になりそうだ
(メリーおばさんとジョンおじさんがモメそうなので)

[サキソフォーンの間奏]

 

(2番)

Well, long tall Sally, she's built for speed
いいかい、のっぽのサリーは超セクシーなんだぜ

She got everything that Uncle John need
彼女はジョンおじさんが欲しいものを全部持ってるんだ

(繰り返し)
Oh, baby
Yes, baby
Whoo, baby
Having me some fun tonight, yeah
僕にとっては今夜はちょっと楽しい事になりそうだ
(メリーおばさんとジョンおじさんがモメそうなので)

 

(3番

Well, I saw Uncle John with bald-head Sally
いいかい、僕はジョンおじさんがツルツル頭のサリーと一緒に歩いているところを
見たんだ

He saw Aunt Mary coming
ジョンおじさんは、メリーおばさんが来るのを見た、
And he ducked back in the alley
そしてアヒルのようにあわてふためいて、路地に戻ったんだ

(繰り返し)
Oh, baby
Yes, baby
Whoo, baby
Having me some fun tonight, yeah
僕にとっては今夜はちょっと楽しい事になりそうだ
(メリーおばさんとジョンおじさんがモメそうなので)

 

(エンディング)
We're gonna have some fun tonight
僕たちにとっては、今夜はちょっと楽しそうだ

Gonna have some fun tonight, wooh
今夜はちょっと楽しい事になりそうだ

Have some fun tonight
今夜はちょっと楽しそう

Everything's all right
全て丸くおさまるさ

Have some fun, have me some fun tonight
ちょっと楽しそう、今夜はちょっと楽しい事になりそう

 

Songwriter(s)    
Enotris Johnson、Robert Blackwell、Richard Penniman

サリーとジョンおじさんが楽しいのかと思いきや、その浮気をジョンおじさんの奥さんであるメリーおばさんに言いつけて、その後の展開を見るのが楽しい僕、という、いささかひねった歌詞なんですね。

のけぞるのは、浮気がバレそうになったから

リトルリチャードが曲の途中で2回にわたってのけぞるのは、ジョンおじさんが、アヒルのようにあわてふためいて、路地に引っ込む時のリアクションだったんですね。

ソングライターの「Richard Penniman(リチャード・ペニマン)」というのは、リトル・リチャードの本名です。

「Robert Blackwell(ロバート・ブラックウェル)」は音楽プロデューサー。

「Enotris Johnson(エノトリス・ジョンソン)」は、リトル・リチャードが養子に出された先の家族の養父で作曲には関わっていませんが、、お世話になったから、というので、名前を入れてあげたそうです。

ちなみに、実の家庭は大家族で、父親は、リトル・リチャードが同性愛者だから、という理由で養子に出したそうです。

同性愛者であることは本人は公表していて、むしろ売りにしていました。

サリーは女性

bald head(ボールド・ヘッド)は、「はげ頭」という意味なので、もしや、男同士?と思いましたが、そうではないようですね。

リトルリチャードの出身地、ジョージア州メイコン市

リトル・リチャード自身の説明によると、リトル・リチャードが暮らしていた地域では、アルコールの摂りすぎや、何らかの副作用などで、なかなか危なくてシビアな状態の人も多かったようで、サリーのモデルとされている女性は、長身で超セクシーでホットなのですが、髪が抜け落ちて歯が2本しか残っていない、という状態だったそうです。

また、おじさん、おばさん、と言っても、実際のおじさん、おばさんでなくても、そう呼ぶことがアフリカ系アメリカ人同士ではあるそうですね。

ピアノに乗るのはどうなの?

この映像に限らず、ロックのライブでは楽器に乗ったり、破壊したり、火をつけたりなどの過激なパフォーマンスが時々見られます。

暴動などの無法な行動につながりそうで、見ていてあまり良い気分のものではありません。

なぜ、あまり気分の良いものではないと感じるのかを考えてみました。

楽器に対する「愛情」が感じられないんですね。

楽器に対する愛情が無いのに、音楽に対する愛情があるのか、人に対する愛情があるのか、と思ってしまうのでした。


今回のお話

今回は、リトル・リチャードが「ロング・トール・サリー」の演奏中に、のけぞるパフォーマンスをするのはなぜか、その歌詞から探ってみました。

そうしたら、このパフォーマンスは、ジョンおじさんが、浮気相手である「ハゲ頭」のサリーと一緒に表通りを歩いていたら、奥さんのメリーおばさんとバッタリ鉢合わせしそうになったので、アヒルのようにあわてふためいて路地に隠れる、その時の、ジョンおじさんのリアクションだった、というお話でした。

duck」というのは「カモ」とか「アヒル」なので、「カモ」とか「アヒル」が羽根をバタつかせる感じが、いかにも「あわてふためいて」いる感じを、よく出していると思います。