「サントリーロコモア」の「歩く」C M
同じ歩くなら、ダラダラ歩くよりサッサッと歩いた方が健康に良い、というCMが流れています。
サントリー ロコモア
同じ5000歩を歩くなら、速く歩くほうが健康にいい
問題は、歩く速さです
サントリーロコモア、日曜日に
「日曜日に」というのは、「日曜日に歩くのが良い」というわけではなく、「日曜日にサントリーロコモアの広告チラシが新聞に入りますよ」というお知らせですね。
さらには、風吹ジュンさん出演の、こんなバージョンもあります。
風吹ジュン「サントリーロコモア」
ところでこの「歩く」CMのバックに流れる音楽ですが、どこかで聞いたことがある音楽だと思ったら、これでした。
くるみ割り人形」より」「行進曲」
映像のタイトルに「3/26」という数字がありますが、これは、バレエ「くるみ割り人形」の中で踊られるダンスが全部で26あって、この「行進曲」は最初から数えて3番目の曲ですよ、ということを表しています。
「行進曲」バレエ「くるみ割り人形」3/26
キエフ・タラス・シェフチェンコ記念 ウクライナ国立バレエ団
つまり、幕が開く前の、オーケストラの演奏のみの、
1)「小序曲」
そして、幕が開いて
2)「クリスマスパーティーにやって来る人々の様子」
に続く、
3)「クリスマスツリーのある大広間での子供たちの、『行進』を含む『歩き』の要素を入れた踊り」
の場面に当たる、というわけですね。
なぜ「行進曲」なのか
サントリーロコモアの最初のCMでは、歩行ベルトの上で女性が遅く歩いたり速く歩いたり、という「歩く姿」が映し出され、2番目の風吹ジュンさんたちがアウトレットモールらしき所を歩き回るので、勝手に想像してみるに、このCMの制作会議で「歩くことに関係のある音楽はないか?」という問いかけがあり、それに応えて、「そうだ、『くるみ割り人形』の中に、確か『行進曲』というタイトルの曲と踊りがあったぞ」と思い出した人が、会議に出席している広告関係のスタッフか、スポンサーの方の中にいらっしゃったのかな、と想像します。
「くるみ割り人形」は、こんな人形です
そもそも、くるみ割り人形は、どうやって「くるみ」の硬いカラを割るのでしょうか。
こちらは、ドイツ、ベルリンの蚤の市での「くるみ割り人形」の一群。
wikiより
くるみ割り人形の使い方
「くるみ割り人形」の使い方についての映像がありました。
子供には使いこなせないので、大人が代わりに実演ですね。
くるみ割り人形の下アゴと一体になっている取っ手が背後にあるので、それを持ち上げるとアゴが下がって口が開く形になって、そこにクルミをはさんで、取っ手を下げると、テコの原理で大きな力が加わるので、硬いクルミも割れる、という仕組みですね。
要するに構造原理としては「ペンチ」です。硬い木材で出来た超大型のタテ型ペンチ、と思えばわかりやすいでしょうか。
兵隊の姿をしているのは、フランスのナポレオン、あるいはその軍隊の兵隊を象徴しているそうです。ナポレオンにひどい目に会わされた人たちが、こんな奴には硬いクルミでも割らせておけ、という心理から作られたのではないかと推察します。
という事は、発祥はナポレオンの国、フランスではないようですね。
今回のお話
今回は、「サントリー・ ロコモア」のCM曲が「くるみ割り人形」なわけを探ってみたら、「くるみ割り人形」の中の「行進曲」という「しっかり歩く」ための曲なので、「ロコモア」の「速く歩く」「あちこち歩く」つまり「しっかり歩く」というCMコンセプトと合ったから、というお話でした。
行進曲なら、他にももっとたくさん曲がありそうですが、どうやら女性が主なターゲットのようなので、特にロマンチックな要素がある、ということで、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」、その「行進曲」が選ばれたんでしょうね。