一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

なぜ、歌に出て来る「女性の髪」は「長い」のか

 

歌に歌われる女性の髪は長い

ふと考えたのですが、歌に歌われる女性は、なぜか髪が長い。

例えば、

タイトルに入ってる「長い髪」

「長い髪の少女」

タイトルからして「長い髪」という言葉が入っているのは、ザ・ゴールデンカップスの「長い髪の少女」。

🎵長い髪の少女〜、孤独〜な瞳〜♪

長い髪の少女 ザ・ゴールデンカップス

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歌詞の中の「長い髪」

「亜麻色の髪の乙女」

歌詞の中に出て来るのは、ザ・ヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」。

🎵亜麻色の〜、長い髪を〜♪

亜麻色の髪の乙女 ヴィレッジ・シンガーズ

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「想い出の渚」

ザ・ワイルド・ワンズの「想い出の渚」もそうですね。

🎵長い黒髪〜、風になびかせ〜♪

ザ・ワイルドワンズ 想い出の渚 (歌詞入り)

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 「ひとり上手」

中島みゆきさんの「ひとり上手」にも出てきます。

🎵私と似ていない、長い髪〜♪

ひとり上手/中島 みゆき

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英語の歌詞の「長い髪」

「栞(しおり)のテーマ」

サザンオールスターズの「栞(しおり)のテーマ」では英語です。

🎵つ〜れないそぶりの、ロング・ブラウン・ヘアー♪

サザンオールスターズ - 栞のテーマ

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セリフの中に出てくる「長い髪」

「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」

セリフの中に出て来る曲としては、ダウンタウンブギウギバンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」ですね。

髪の長い女だって?ここにゃあ、たくさんいるからねえ」

ダウンタウンブギウギバンド「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」

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ショートカット好きはどうしてくれる

といった具合に、「長い髪」の女性についての歌は枚挙にいとまがありませんが、不思議なことに、「ショートカット」の女性が登場する歌は全く思い当たりません。

そこで、なぜ歌に出てくる女性の髪は長いのか、なぜショートカットの女性は歌に登場しないのか、考察してみました。

その前に、私自身の好みはどうなの?と考えてみると、子供の頃から「女はおカッパ、男は坊ちゃん刈り」と思い込んでいるので、どうしたってショート好みです。

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と言っても、実際には私はもはや、「坊ちゃん刈り」が出来るほどの前髪はおぼつかない年代なので、何言ってるんだか、ですけどね。

ひとりぼっちのあいつ

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wikiより

「マッシュルームカット」は「坊ちゃん刈り」、、です。

髪の長さに意味はあるのか

と言うより、そもそも髪の長さについてですが、「好きな女性のタイプは?」と聞かれて「髪の長い女性」と言う答えを、テレビなど色々な場面で聞くことがありましたが、そのたびに、「ヘンなの〜」と思ってました。

髪の長い人がいい、短い人がいい、それは例えば「持ってる筆箱の色が黄色の人がいい、緑の人がいい」みたいなもので、その人の本質とは全く関係のない要素だと思っていたのです。

髪の毛の長さなんて、爪の長さと同じで短くしようと思えば短くできるのだし、長くしようと思えば長く出来るのだし、あまり意味のある答えだとは思えませんでした。

そんな、長い髪派の人たちには全く共感しない立場からの考察なので、片寄りが大いにあると思います。あらかじめご容赦ください。

紫式部「源氏物語」の女性陣の長い髪

さて「長い髪」で真っ先に思い出されるのは、紫式部の「源氏物語」に登場する平安時代の貴族の女性たちのヘアースタイルです。十二単(じゅうにひとえ)に超ロングヘアーでお座敷にいるイメージですね。

こちらは「源氏物語絵巻」の一場面、宇治十帖のうち第7帖「浮舟」です。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Genji_emaki_azumaya.jpg

Wikiより「源氏物語絵巻」

上の画面左手前、お付きの女性に髪を櫛を入れさせている長〜い髪の女性は、画面の上に見えている女性「浮舟」の異母姉である女性「宇治の中の君」です。

その「宇治の中の君」の右に横顔が見えている女性は、お付きの女性の「右近」で、「右近」が絵物語の詞書(ことばがき)を手に持って朗読しています。その上に見えている女性「浮舟」に聞かせているんですね。そして、この時点での源氏物語のヒロイン「浮舟」は、その朗読を聞きながら冊子の物語絵に見入っています。

言ってみれば当時の「物語」は、さしずめ「紙芝居」、今で言えば「YouTube」で映画を観ているようなものでしょうか。

この「浮舟」が見ている「絵物語」の持ち主は「宇治の中の君」で、二人の男性に言い寄られて傷心の「浮舟」をなぐさめようと、持ち出して来たものです。

注目は驚異的な髪の長さ

ここで注目は「宇治の中の君」の黒髪の長さです。

お付きの女性の袖に隠れてちょっと飛び出して、また引っ込んだと思ったら、さらに下の方から伸びて来て、ちょうど着物の裾(すそ)のところまで伸びています。

画面右側の、上にいる女性の髪も、右上の着物の裾の方に向かってクネクネと波打つように伸びて行っています。

途中途中で、結んであるようにも見えますね。

どれだけ長いんだと思いますが、これが平安時代当時の貴族の女性たちの「普通」だったとすれば、男性たちの好みも、女性の髪は長ければ長いほど良い、という風潮だったことが分かります。

しかし、もはや、ここまで長くなると、十二単(じゅうにひとえ)の重たさ(20kg)とも相まって、全く実生活には関係なくなって来ますね。

活発に動くことなど不可能、むしろ動かなくて良い、どこにも行かないで閉じこもって、お人形さんのようにじっとしていてくれれば良い、ということなのでしょうか。

そうなるともはや、「閉じ込めている」に等しいと思われます。

西洋での長い髪

さて、それなら西洋ではどうだったんだろう、と思ったら、「塔の上のラプンツェル」というディズニーアニメがあったことを思い出しました。

塔の中にずっと閉じ込められていたラプンツェルは、髪の毛が、塔から髪の毛を伝って地上まで降りられるくらいの長さに伸びてしまったんですね。

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共通する「閉じ込める」

そこで、東西の両者を比べてみると、「閉じ込める」、が共通していることに思い当たりました。

そこから、思いっきり思いつきの仮説が出て来ました。

長い髪の好きな人は束縛したがる、また、長い髪の人は束縛されたがる。

つまり、「長い髪」という言葉を使う作詞をする人は束縛したがる、されたがる人である、という仮説です。

情が深い、とも言えます。情が深い方が、恋した時の喜びも大きいでしょうし、失恋した時の悲しみも大きいでしょう。その間の揺れ動きも振れ幅が大きいので、そんな「未練」などの心の動きは歌詞になりやすいでしょうし、そもそもそんな「情」自体が歌になりやすいのだろうと思います。

が、しかし、束縛したがる、されたがる、という心理になった時点で、それはもはや「ご大切」と昔は訳されたという、本来の意味での「LOVE」(愛)からは離れてしまっているのではないか、相手を大切に思う、相手の幸せを願う「愛」とは別のもの、独占欲とか所有欲みたいなものが出て来てしまっているのではないか、という仮説です。

ショートカットが歌になりにくい理由

一方、そうなると、ショートカットの女性は「情が浅い」、サバサバしている、未練などない、ので、歌詞にもなりにくいし、歌そのものにもなりにくい、なので、ショートカットの女性は歌の中には出て来ない、ということなのかな、と無責任に考えてみるのでした。

今回のお話

今回は、女性を表す歌詞に「長い髪」が多いのは何故なのか、を考察してみました。

なお、この記事を書いた後に知った情報ですが、タレントの本田翼(ほんだつばさ)さんのコメントで、「髪が長いとナンパされやすい」、という経験談があるそうです。

そうなると、また一考の必要がありそうですね。