50周年記念の曲
2022年から「タカラレーベン」の「ひこうき雲」や「中央フリーウェイ」をモチーフにしたCMのバックで流れていた曲。
「松任谷由実」と「荒井由実」とのデュエット曲「Call me back(コールミーバック)」。
タカラレーベンCM
「タカラレーベン」が、創業50年、「ユーミン」が、デビューしてから50周年、ということでコラボしたんですね。
元曲の作詞作曲は「呉田軽穂」
この曲は、1980年にユーミン自身でも録音はしたものの未発表で「白石まるみ」に楽曲提供した曲「恋人がいても」が元曲になってます。
白石まるみ「恋人がいても」
歌詞はこちらです。
この曲「恋人がいても」を作詞作曲の「呉田軽穂(くれたかるほ)」という名前は「松任谷由実」のペンネームです。ハリウッドの女優「グレタガルボ」から来ています。
「恋人がいても」は、本当は、「ユーミン」10枚目のアルバム『SURF&SNOW』に入る予定だったのが、入らなかった曲です。
26歳のユーミンの声
その時の「ユーミン」の歌の音源、つまり、その当時は「荒井由美」だったユーミンの、26歳の時の声を元に、AIで声を合成。
新しく書き下ろした歌詞で、アレンジも新しくしたメロディーで歌ってもらったんですね。
そして、そこに現在のユーミンの声を重ねたわけです。
時空を超えたデュエット
二人で「ああ」から始まるサビのデュエットコーラスをするところで、26歳の「荒井由美」の声と、現在の「松任谷由実」の声が同時に聞けることになります。
さてどちらが26歳の「荒井由美」なのか、現在の「松任谷由実」なのか、聞いて分かるでしょうか。
松任谷由実 – Call me back/松任谷由実 with 荒井由実
歌詞はこちらです。
私の耳で聞き分け
私が聞いた感じでは、最初の、
「書きかけで〜」から「〜独り言」
までは現在の「松任谷由実」。
次のフレーズの
「変わり行く〜」から「〜ふり向いた」
まではAIによる「荒井由実」。
そして、コーラスの
「ああ」から「知っていたように」
の部分は「松任谷由実」と「荒井由実」との、二人のデュエットだと思いました。
1980年の「ユーミン」の声
ちなみに、1980年のアルバム『SURF&SNOW』に実際に入っている曲で有名なのは「恋人がサンタクロース」。
こんな声でした。
松任谷由実「恋人がサンタクロース」
ミュージックビデオのストーリー
なお、「Call me back」のミュージックビデオのストーリーですが、公式サイトによると、
舞台は、人類がアバターとしてバーチャル空間で生活するようになった、2072年バーチャルメトロポリス。アナログ電波を取り締まるドローンとカーチェイスを繰り広げる松任谷由実が、100年の時を超えて荒井由実と巡り逢うストーリーです。
ということは、2072年の100年前は1972年なので、「荒井由実」デビューの年ですね。
つまり、ミュージックビデオの最後に登場するAIの「荒井由実」は1972年デビュー当時の初々しい「ユーミン」だってことですね。
空飛ぶ車から降りて、ピアノを弾いている「荒井由実」の方に向かう「松任谷由実」は、聞き取りにくいですが、小さな声で「帰って来た」と言っているように聞こえます。
今回のお話
今回は、タカラレーベンのCMでも使われた「Call me back」は、デビュー時の荒井由実と、現在の松任谷由実がAIの力を借りてデュエットする、という現代の技術があって、しかも50年間歌い続けて来たユーミンだからこそ出来た画期的な曲だと思います。
「Call me back(私を呼び戻して)」、というタイトルも、時空を超える、なかなか考えさせるタイトルですね。