一音九九楽

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いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

「どんぐりころころ」の歌詞には「幻の三番」がある?

 「芦田愛菜」、「まるまる」と歌う!

現在、味の素の「丸鶏がらスープ」のCMが放送されていますが、その中で、芦田愛菜さんがセリフ、ナレーション、それに歌も歌っていると話題になっています。

「丸鶏がらスープ」 丸うた篇  30秒 芦田愛菜

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「コクのあるおいしいスープに、芦田愛菜さんのほっと幸せ溢れる笑顔に注目!
芦田愛菜さんの素敵な歌声も、ぜひお楽しみください。」

という公式コメントが付いています。

まあ、もともと「♪まるまる」と歌っていたので、不思議ではないのですが、久しぶりに芦田愛菜さんの歌声を聞いたような気がします。

芦田愛菜さん: これ、実は…

と言いながら両手で持っているのは、鶏がらスープの元。
 
 まるど〜り〜 まるま〜る〜 煮〜込んでる〜

(ここで芦田愛菜さん、鶏がらスープの元を振り入れる「ちゃっちゃっ」という音で、歌の調子を取っていますね。)

 まるど〜り〜 まるま〜る〜 煮〜込んでる〜
 まるま〜る〜 まる〜っと〜 
 おいしくなーれ!

(公式には「おいしくなーる」と書いてありますが、どう聞いても料理における魔法の言葉「おいしくなーれ」ですね)

 (ふふっ、ん〜! はふっ、ふ〜)

 「丸鶏だからコク深い。 味の素 丸鶏がらスープ」

という芦田愛菜さんのナレーション

 まるどり…しあわせ〜

という芦田愛菜さんの声

Eat Well、Live Well (イート・ウェル、リブ・ウェル)

締めのキャッチフレーズも芦田愛菜さんです。


♪AJINOMOTO

元曲はどんぐりころころ

さて、このCM音楽、どこかで聞いたことありますね。

そうです。ここでは3拍子にアレンジされていますが、「どんぐりころころ」のメロディーです。

どんぐりころころ

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歌詞はこちらです。

どんぐりころころ


一番)

どんぐりころころ ドンブリコ
お池にはまって さあ大変
どじょうが出て来て こんにちは
坊ちゃん一緒に 遊びましょう


二番)

どんぐりころころ よろこんで
しばらく一緒に 遊んだが
やっぱりお山が 恋しいと
泣いてはどじょうを 困らせた

作詞:青木 存義(あおき ながよし)
作曲:梁田 貞(やなだ ただし〈てい〉)

この曲は保育士試験課題曲にもなっていたんですね。

確かに、保育園で保育士さんたちと仲良く一緒に遊んでいても、急におうちに帰りたいと、泣いては保育士さんたちを困らせる子供も多いでしょうね。

三番の歌詞

困らせるところで終わっては、収拾がつかない、ということからか、三番の歌詞がのちに作られています。

こんな内容です。

どんぐりころころ 泣いてたら
仲良しこりすが とんできて
落ち葉にくるんで おんぶして
急いでお山に 連れてった

これは作曲家の岩河三郎氏が1986年にこの曲を合唱曲として編曲したときに付け足した歌詞だそうです。

確かに、ハッピーエンドで終わるので、とりあえずは良さそうな感じはします。

原歌詞の作者の実体験から

元の歌詞の作者、青木 存義(あおき ながよし)さんは、仙台松島町の大地主のお子さんで、庭にどんぐりの成る「ナラの木」もあって、そのそばに大きな「池」もありました。

お母さんが青木少年が朝寝坊しないようにその池に「どじょう」を放したそうです。

青木少年がどじょうが気になって早起きになったかどうかは分かりませんが、もはやいつまでも歌い継がれるスタンダードナンバーとなる童謡を作ることができたのですから、お母さんのチャレンジは大いに役立ちましたね。

どんぐりの立場では

さて、どんぐりの立場になってみると、土の上に転がっている状態では発芽するには水分が少なすぎて発芽しないので、むしろ半分水につかっているくらいの、とても浅い池、あるいは水たまり、という環境の方が発芽する可能性が高いそうなのですね。

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なので、三番の歌詞のように、元いた場所に戻るよりは、転がって行ったちょっと離れた場所にいた方が「繁殖の範囲を広げる」という観点からみると、むしろ望ましい場所かも、という可能性もゼロではありません。

自然の摂理に手を出しちゃいけない、とよく言われますが、確かに、第三者が良かれ、と思ってやったことが、場合によっては当事者にとっては良くない結果になる、という意識も持っていた方が良いかも知れません。

と言いながら私も、どこかの巣から道路に落ちたらしい子雀を拾って、巣立ちまで育ててしまったことがあるので、あまり言えないのですけどね。

今回のお話

今回は、芦田愛菜さんが歌っている味の素「丸鶏がらスープ」CM曲の元曲が「どんぐりころころ」で、その歌詞は二番まで。

ハッピーエンドにするべく作詞された幻の三番は、あまり定着していないようで、それは自然の摂理に合っていないからだ、となんとなくみんなが思っているからではないか、というお話でした。

もちろん、ある発育段階ではむしろ必要な三番、という見解もあり得ます。