ホンダのCM曲にはビートルズナンバーが多い
気をつけて聞いていると、ホンダのCM曲に、ビートルズナンバーが多いことに気づきます。
今回のCMでも、ビートルズの曲がカバーされて使われています。
【ステップ ワゴン】STEP WGN TVCM 「これからの家族」篇 30秒
ホンダ、ステップ・ワゴ〜ン
好きはそれぞれ
でも、一緒
一人一人に自由
一人一人に余裕
よゆう
じゆう
フォー(for)
ユー(YOU)
ステップ・ワゴン
イー・エイチ・イー・ブイ(eHEV)
気持ち・イー
車輪が青く光っているのは、電気自動車であることを強調しているからなんですね。
初代のホンダステップワゴンのCMでも、音楽が「オブラディ・オブラダ」だったことが好感されています。
このCM曲の原曲はビートルズ「オブラディ・オブラダ」
CMの間中、ちょうどピッタリの長さで流れているのはビートルズ「オブラディ・オブラダ」。
真っ白なジャケットで、THE BEATLES の文字がレリーフのように浮き出ているだけ、というアイデアの、いわゆる「ホワイトアルバム」の中の1曲で、その冒頭の歌詞1番の部分ですね。
Ob-La-Di, Ob-La-Da (Remastered 2009)
The Beatles 「Ob-La-Di, Ob-La-Da」
Written by John Lennon / Paul McCartney1番)
Desmond has a barrow in the marketplace
デズモンドは市場の中の屋台車で商売してるMolly is the singer in a band
モリーはバンドのシンガーさDesmond says to Molly, girl, I like your face
デズモンドはモリーにこう言った、ヘイ、カノジョ、君は僕の好みのタイプAnd Molly says this as she takes him by the hand
そしたら、モリーは彼の手を取ってこう言ったOb la di, ob-la-da, life goes on, bra
「良く働いて、良い働きをしよう、そうすれば人生は回り出すよ、La-la, how the life goes on
さあさあ、どんな人生になるのかな」
以下略)
「オブラディ・オブラダ」は「ヨルバ語」
この歌詞は「ジョン・レノン/ポール・マッカートニー」という表記になっていますが、ジョンとポールどちらが作った曲でもこの表記になっています。この曲はポールがジャマイカの「レゲエ」、「スカ」のリズムを元に作詞作曲した曲です。
Wikiより「ジャマイカ」
「スカ」はアラレちゃんリズム
「スカ」のリズムはバックビート、裏打ちというリズムで、「S・KA、S・KA」「ス・カ、ス・カ」という「カ」にアクセントのある2拍子、日本語で言うと「ん・ちゃ、ん・ちゃ」という「アラレちゃん」リズムですね。
「ヨルバ語」ミニミニミニ講座
ポールは、クラブで知り合ったナイジェリア人のコンガ奏者ジミー・スコットが時々口にする「Ob la di, ob-la-da, life goes on, bra」というフレーズが気に入って、それをそのまま使ったんですね。
ジミーは「ヨルバ(Yoruba )語」を話す、というので、グーグル翻訳で見てみると、
「Ob la」 では何も出て来ませんが、「Obra」で見ると、「仕事」という言葉が出てきます。
さらに、
「Obra dii」では「一生懸命働く」「Work Hard」(よく仕事する)という意味になり、
「Obra daa」 では「うまくできた」「Work Well」つまり「Good Job」(良い仕事)という意味になるのです。
なので、全体としては、「よく働いて、良い仕事をしよう、そうすれば人生はうまく行く」という、しごく真っ当な、「まさにその通り」な人生訓になっていると思います。
ジミー・スコットの口ぐせ「Ob-la-di, ob-la-da, life goes on, bra」の、最後の「bra」も「Obra」の「bra」なので、これは彼の「よく働いて、よい働きで、人生回るぞ、働くぞ〜!」という自分自身に気合いを入れる言葉なんでしょうね。
WBC大谷選手の言葉で言えば、「さあ、行こう!」という感じでしょうか。
Wikiより「ナイジェリア」
ライブでの掛け合い
ジミーのライブ会場では、ジミーが観客に向かって「オブラディ(良く働いて)」と呼びかけると、観客から「オブラダ(良い仕事しよ)」と返す、という、とても健全で陽気な空気が流れていたようです。
おまじないのような人生訓
よく分からない言葉なので、一種、呪文のような、おまじないのような、何やらありがたいお経の唱句のような響きのするところが、ポールのアンテナに引っかかったんでしょうね。
その後、デズモンドとモリーはよく働いて、良い働きをしたので、幸せな笑いにあふれた家庭を築くのですが、最後に「楽しくなろうと思ったら、よく働いて良い働きをしよう」と言って締めるのも、念押しが効いていて、ポールは良い仕事をしたと思います。
働き過ぎに注意
ただ、この曲のレコーディングでは、ポールが主導権を取って何回も何回もやり直したので、あまりのハードワークに一緒にやっていた人たちが音を上げて、場が険悪になってしまった、というエピソードがあります。
働き過ぎには注意しましょう。
今回のお話
今回は、ホンダのCMにも使われている「オブラディ・オブラダ」の意味を探ってみたら、「良く働いて、良い働きをしよう」、そうすれば人生は回り出す、という、まさに正論な人生訓だった、というお話でした。
さて、私も、良く働いて、良い仕事をしなくっちゃ。