- 「モーニングショー」のオープニングテーマ曲「Wake Me Up」 歌は「milet」ミレイさん
- 何回も聞いていてわかった歌詞の仕組み
- 工夫してある歌詞
- 赤ちゃんが泣き止む効果
- Wake Me Up「拡大版」先行リリース
- 今回のお話
「モーニングショー」のオープニングテーマ曲「Wake Me Up」 歌は「milet」ミレイさん
テレビ朝日「モーニングショー」のオープニングテーマ曲「Wake Me Up」は、作詞・作曲・歌ともに、シンガー・ソングライターの「milet」ミレイさんです。
こちらは、その時の紹介ニュースです。
「milet」ミレイさんは、2021年開催の東京オリンピックの閉会式での「愛の讃歌」が印象に残ります。
さらに、2022年の紅白歌合戦にも3年連続出場で、実力人気ともに強力です。
🎵 Fly High
— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) 2022年12月31日
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🟥 milet
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こちらはミレイさんYou Tube公式チャンネルです。
何回も聞いていてわかった歌詞の仕組み
さて、そんな「milet」ミレイさんによる「羽鳥慎一モーニングショー」のオープニングテーマ曲「Wake Me Up」。
毎朝、歌詞をよくよく何回も聞いているうちに、いろいろな要素が入った曲なんだなあと気がついたことがありますので、ご紹介します。
なお「聞いて」は、歌詞の三行目に出て来る言葉です。
工夫してある歌詞
曲名「Wake Me Up」のダブルミーニング
まず、「Wake Me Up」、(私を目覚めさせて)という意味の英語のタイトルは、2つの意味をかけてある、いわゆる「ダブルミーニング」になっています。
朝の情報番組なので、実際にぼーっとしている寝起きの頭をはっきりと目覚めさせる、という、言ってみれば「身体的に目覚めさせて」という意味が1つ。
もう1つは、社会で起きていることについて、はっきりとした正確な情報による社会認識力を目覚めさせて、という言ってみれば「精神的な」意味ですね。
「0」と「1」と「2」で出来ている歌詞
さらに、歌詞に出てくる「数字」に着目してみました。
そうすると興味深いことが。
まず、歌詞の二行目に出てくる「今」というのは、時制的に言うとゼロ地点で、今現在を表す「0」を基準として、過去はマイナス、未来はプラスになるんですね。
それを、歌詞にあてはめてみると、歌詞の一行目は「あなたは私を目覚めさせる」という意味の英語なので、二行目から見ることになりますが、
- 歌詞の二行目の「今」が「0」とすると、
- 歌詞の三行目の「一つも」で「1」、
- 歌詞の四行目の「もう二度と」で「2」、
というわけで、0,1,2と整然とした数字の順番になっています。
しかも、「今ここ」の0から「明日」の1「明後日」の2と、未来に向かって進んで行く順番、というわけです。
厳密に言うと、歌詞の四行目にも「今」がもう1回だけ出てくるのですが、それは、未来を見据えて、また今現在に立ち返る、ということだ、と解釈することにしましょう。
そうなると、この曲は「0120」で出来ていることになります。なんだか無料通話の電話番号みたいですが。
オヤジギャグで出来ている歌詞
さらにこのテーマ曲の歌詞に隠されている「おもしろ仕掛け」を発見。
★歌詞の一行目は「Wake Me Up」という曲名の頭に「You」をくっ付けた英語の歌詞なので、「今」という言葉が出てくる二行目、ということになりますが、
この「テレビ(朝)日」の番組のMC、つまり司会が「羽鳥」さんなので、
(鳥)のように(羽)ばたいて、(朝)に向かって「(飛び)込」むんですね。
★そして次の三行目は、
羽鳥さんの下のお名前が、慎(一)さん、なので「(一)(ひと)つも残さず」、なんですね。
よく聞いておきましょう。
★そうして四行目。
番組名が「(モーニ)ングショー」なので、「(もう二)度とない」、
と、「もーに」が、きれいに掛けてあるわけです。
と言うか、ここまで来ると、もはや番組タイトルと「頭韻を踏んでいる」というレベルですね。
実際、この曲が流れているときのバックにはアニメーションが展開しているのですが、朝日をデザインした赤いそら豆のような形の中に、「モーニングショー」のロゴの文字が「モ」から始まって、連続して「ーニングショー」と左から右に現れます。
このときのロゴ文字の「モーニ」と、歌声の「もう二」がきれいに同時シンクロしているのです。
「milet」ミレイさんの歌声の「もう二」が流れるときに、映像でも「モーニ」という文字が同時に流れるわけですね。
ここまで仕掛けられるともはや、「お見事!座布団一枚!」と、感心するしかありません。
私も、このダジャレのような仕掛けに気がついた時、おおおおお、そうだったのか!と大ウケしました。
さらに、この四行目には、先ほどのゼロ地点を表す「今」という言葉も入っているので、もうひとつ「今」という言葉が入っている一行目と、言葉同士を呼応させることによって、歌詞全体の意味を循環させる、という効果も狙っていそうです。
そして、この四行目には、何とあの「愛の讃歌」の二行目の歌詞が入っているのです。
「〜を抱きしめて」ですね。
オリンピック閉会式で「milet」ミレイさんが「愛の讃歌」を歌う事は、このオープニングテーマ曲を作る時には決まっていたのでしょうか。
もしそうだとしたら、よくもまあ、時空を超えた、こんなに壮大な仕掛けを仕込んだものだと感心してしまいました。
赤ちゃんが泣き止む効果
さらに、この曲については不思議な効果が報告されています。
泣いている赤ちゃんがこの曲を聞くと泣き止む、という現象が起きているそうなのです。
文字通り「泣く子も黙る」わけですね。
視聴者からの投稿で、泣いている赤ちゃんが、モーニングショーのオープニングテーマが始まるとピタッと泣き止む、笑顔になる、喜ぶ、という反応が報告されています。
そこで、当事者の「モーニングショー」でも、検証しています。
他にも泣き止む曲が
「Wake Me Up」と同じように赤ちゃんが釘付けになる曲には他にも、「タケモトピアノ」のCM曲、反町隆史さんの「POISON」があります。
泣き止む原因は?
番組取材に協力してくれた音響の専門家によると、3曲の共通点として、曲の冒頭に赤ちゃんの興味を引きやすい音がする、という点が上げられるとのこと。
☆「タケモトピアノ」は冒頭に「パカッ」とピアノのふたが開く音と「ニャー」という猫の鳴き声がする。
なるほどなるほど、これは分かりやすいです。
☆「POISON」の冒頭にある、大人も聞きやすいギターの音に重なって、大人には聞き取りにくて子供が聞きやすい「チリチリチリチリ」という下降上昇する高い音が入っている。
確かに、大人である私には、その「チリチリチリチリ」の音が全く聞こえません。
☆「Wake Me Up」では、女性の高い声がいきなり聞こえてくるのが、母親に呼びかけられている感じがして、赤ちゃんの興味をひく。
確かに、伴奏がなく、無音の状態から、ちょっと高めの女性の声で、同じ音程で、英語なので一音節ずつ、同じテンポで音を置いて行く感じで始まるので、「お?何だろう」と興味が引かれる感じは、大人でもありますね。
また、「Wake Me Up」は曲のテンポが130bpmで、活動的な時の心拍数に近く、聞くと楽しくなる可能性がある、というポイントも指摘されました。
●なお当サイト独自調査では、「タケモトピアノ」CMソングには、「みんなまあるく〜」と歌っているコーラスのうち、低音部を歌っている女性の声に「倍音が無い」という、耳の良い人による指摘がありました。
「倍音が無い」ので、声にあいまいな感じがなく、クッキリとしてクリアな声なので聞き取りやすい、というわけです。
私は「倍音」を聞き分ける聴力を持っていないので何とも言えませんが、このへんに何らかのヒントがあるかも知れません。
なかでも最強なのは
また、テレビ朝日社員の玉川徹(たまかわとおる)さんのレポートによると、番組での実験取材に協力してくれたのは、8家族で8人の赤ちゃんなのですが、それぞれの曲に反応を示した赤ちゃんの割合は、
●「タケモトピアノ」8人中5人
●「POISON」8人中4人
●「Wake Me Up」8人中8人全員!
と、圧倒的に「Wake Me Up」が「赤ちゃん受け」が良いんですね。
Wake Me Up「拡大版」先行リリース
このテーマソングは評判が良かったらしく、拡大版が作られました。
1月20日の番組内で、この映像が紹介されました。
この曲作りの打ち合わせの際に、玉川徹さんが「花が開くようなイメージで」というリクエストをされたそうで、それが反映されていること。
さらに、曲の「家の中から外に出て行く」感じが映像でも生かされていたので、曲のイメージと映像がピッタリだと思われた、ということもコメントされました。
歌詞はこちらです。
今回のお話
今回は、いろいろ面白い発見がありました。
★「羽鳥慎一モーニングショー」の「milet」ミレイさんによるオープニングテーマ曲「Wake Me Up」の歌詞が、「0,1,2」で出来ていること。
★また、歌詞がオヤジギャグっぽいヒントからも来ていること。
★さらに、この曲を聞くと赤ちゃんが泣き止んだり、集中したり、喜んだり、という現象が起きる、というびっくりな発見。
原因は特定できませんでしたが、生命力にあふれた赤ちゃんの機嫌が良くなるほどの不思議なエネルギーを持った曲「Wake Me Up」を聞いて一日を始めれば、私達も良いスタートダッシュが切れて、素晴らしい一日になりそうです。