一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

現在の「ラジオ体操の歌」は3代目で、ラジオ体操にも「第一」と「第二」の他に「幻の第三」がある

マクドナルドのCM曲は「ラジオ体操の歌」

マクドナルドの「朝マック」ソーセージエッグマフィンセット、メガマフィンセットのCMとして、岡田准一(おかだじゅんいち)さんと山田杏奈(やまだあんな)さん出演の映像が流れていました。

このCMで流れていた音楽は、「ラジオ体操の歌」です。

朝マック アツアツの朝「メガマフィン」篇 30秒youtu.be

朝の「ラジオ体操」

朝と言えば「ラジオ体操」、というイメージがあるんですね。

確かに、会社によっては、始業前に全社員で「ラジオ体操」をやるところもあります。

夏休みに町内会で毎朝「ラジオ体操」をやって、参加者にはハンコをくれた、という体験者も多いかと思います。

「ラジオ体操の歌」は3代目

ところで、現在流れている「ラジオ体操の歌」は、「ラジオ体操」本番前のテーマソング、呼び込みの音楽のような位置付けですが、実は歴代、3代目の曲で、、藤山一郎さんの作曲と歌、作詞は藤浦洸(ふじうらこう)さんで、1956年(昭和31年)9月に発表されました。

藤山一郎「ラジオ体操の歌」3代目

youtu.be

歌詞はこちらです。

「ラジオ体操の歌」

作詞:藤浦洸(こう)
作曲:藤山一郎

 

1番)

新しい朝が来た 希望の朝だ
喜びに胸を開け 大空あおげ
ラジオの声に 健(すこ)やかな胸を
この香る風に 開けよ
それ 一 二 三

 

2番)

新しい朝のもと 輝く緑
さわやかに手足伸ばせ 土踏みしめよ
ラジオとともに 健(すこ)やかな手足
この広い土に伸ばせよ
それ 一 二 三

「ラジオ体操の歌」2代目

この前には、2代目があったわけですが、ここでも歌唱が藤山一郎さんなのがすごいですね。まさにレジェンドです。

作詞:脇太一、
作曲:大中恩、歌:藤山一郎、コロムビア合唱団、
演奏:コロムビアオーケストラ

1951年(昭和26年)9月に発表。

藤山一郎・コロムビア合唱團「ラジオ体操の歌」2代目

youtu.be

歌詞はこちらです。

「ラジオ体操の歌」2代目

作詞:脇太一(わき たいち)、
作曲:大中恩(おおなか めぐみ)

 

1番)

朝だ 小鳥の歌の中

呼ぶよ ラジオが朗らかに

リズムに乗って のびのびと

みんな 元気で体操すれば

あなたも笑顔 私も笑顔

若い力が 湧いてくる

 

2番)

朝だ 緑のそよ風に  

呼ぶよ ラジオが快(こころよ)く

朝露(あさつゆ)踏んで 爽やかに

手足 軽々体操すれば

あなたも笑顔 私も笑顔

若い命が よみがえる

 

3番)

朝だ 朝日の輝きに

呼ぶよ ラジオが楽しそに

光を浴びて 晴れ晴れと

気持ち 明るく体操すれば、

あなたも笑顔 私も笑顔 

今日も晴れれば すこやかに

(最後の「晴れれば」は、聞き取りに自信がありません。何と歌っているか、ご意見をお寄せ頂ければ幸いです)

「ラジオ体操の歌」初代

こちらが初代の「ラジオ体操の歌」です。

今から90年以上前の曲なんですね。ここまでさかのぼると、さすがに歌詞の漢字に時代を感じます。

作詞:小川孝敏、
作曲:堀内敬三、
歌:内田栄一、
演奏:日本ビクター管絃楽団

1931年(昭和6年)7月に発表。

「ラジオ体操の歌」初代

youtu.be

歌詞はこちらです。

「ラジオ体操の歌」初代

作詞:小川孝敏、
作曲:堀内敬三、

 

1番)

躍(おど)る旭日(あさひ)の光を浴びて

屈(まげ)よ伸(のば)せよ 

我らが腕(かいな)

ラジオは号(さけ)ぶ

一、二、三

 

2番)

香る黒土(くろつち)玉露(たまつゆ)踏んで

跳ねよ躍れよ

我らが跣(すあし)

ラジオは号(さけ)ぶ

一、二、三

 

3番)

清い朝霧(あさぎり)涼風(すずかぜ)受けて

吸えよ出(いだ)せよ

我らが大気

ラジオは号(さけ)ぶ

一、二、三

 

4番)

我等(われら)手足の打(うち)舞うところ

強く明るく

天地も躍る

ラジオは号(さけ)ぶ

一、二、三

ラジオ体操には「第一」「第二」の他に「第三」があった

さて、ラジオ体操自体にも「ラジオ体操第一」、「ラジオ体操第二」の他に「ラジオ体操第三」があったことは、あまり知られていないと思います。

現在の「第一」「第二」の前にも、初代と2代目の「第一」「第二」があった

現在のラジオ体操が始まったのは、1951年のこと。同年5月にラジオ体操第1、6月に第2が制定されています。

じつは、今のラジオ体操は第1・第2ともに3代目です。ラジオ体操第1の初代は1928年、第2は1932年に、国民の健康増進を目的として制定されました。しかし、戦後はGHQの指導により初代のラジオ体操を自粛。1946年に2代目のラジオ体操が制定されます。

しかも、2代目には「第三」まであった

2代目のラジオ体操は複雑な動きが含まれているうえ専門的だったため、残念ながら全国的に普及しませんでした。「幻の第3体操」があったのも、2代目のラジオ体操です。

oyako-kufu.com

「幻の第3体操」は、「大日本国民体操」という名前だったそうです。

初代ラジオ体操についての資料

NHKアーカイブスによると、

1928年11月1日、JOAK(東京中央放送局)からラジオ体操の第一声が流された。指導は、陸軍戸山学校の江木理一。翌年2月12日から全国放送となった。開始当初の曲は、武蔵野音楽大学を創設した福井直秋が作曲。現在使われている曲(服部正作曲)になったのは1951年からである。

www2.nhk.or.jp

ということで、戦後しばらくまでは、現在の「第一」以前のバージョンの、福井直秋が作曲した2代目の「ラジオ体操」をやっていたんですね。

この体操はNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で、商店街のみなさんがやっていた体操、らしいですね。私もこのドラマは見ていたのですが、そこには気がつきませんでした。

現在のラジオ体操「第一」3代目の作曲者は「服部正」

現在の「ラジオ体操第一」の作曲者は「服部正」。
「服部」姓なので、やはりNHK朝ドラの、「ブギウギ」に出て来る「羽鳥善一」のモデル「服部良一」と関係があるかと思いましたが、血縁関係はないそうです。

ちなみに「ラジオ体操第二」3代目の作曲者は、團伊玖磨さん。

ラジオ体操第一・第二・第三

下の映像では、ラジオ体操2代目の「第三」から見られるように設定しました。

もちろん、「第一」からも見られます。

☆ ラジオ体操第一・第二・第三 ナレーションと字幕つき 2022初夏

youtu.be

本家NHKの映像はこちらです

NHKが本家と言いながら、そもそもの始まりから、現在の「日本郵便かんぽ生命」の前身が「健康増進」という観点から、主体になって関わっていたようですね。

現在はテレビで「ラジオ体操」が見られます。「ラジオ体操」だけでなく、オリジナル体操やストレッチ的なこともやっています。

www.nhk.jp

今回のお話

今回は、現在の「ラジオ体操の歌」は3代目で、ラジオ体操には「第一」「第二」の他に、2代目のラジオ体操では、幻の「第三」があった、というお話でした。

私も午前9時55分からと午後1時前55分からの「テレビ体操」は、放送があるときはやっています。

番組内で、体操の背景がCGになったり、体操のお手本をする人たちのコスチュームが、時代と共に変わって来たりしていますね。

最近、「ジェンダーレス」を意識したコスチュームになったのは良いのですが、タイツの色が「真っ黒」になって、私のような老眼には右足が前なのやら、左足が前なのやらさっぱり見分けがつかず、動きにくくなっていました。

何事も行き過ぎは困ったものです、と思っていたら、ようやく「グレー」になって改善されましたね。