カーナビーツ版「好きさ好きさ好きさ」
カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」ライブ演奏、デビュー当時の映像ではなく、雑音バリバリでまともに聞けるレベルではないですが、貴重な映像です。
「懐メロ」扱いですが、土居まさるさんが元気に司会しているので、かなり以前の映像ですね。
ドラムのアイ高野がメインボーカルで、決めゼリフ「おまえのすべて〜」(「おまえのしゅべ〜て〜」と舌足らずに発音するところがウケてましたね)を叫びながら、右手のスティックを見ている人に向かって突き出して、左手はスティックを持ったままほっぺたに当てる、というパフォーマンスで有名でした。
この映像ではもう「常識人」が顔を出してますが、リアルタイム当時は、この映像よりもっともっとサイケデリックで「チャラい」イメージでしたね。
Carnabeats"I Love You,I Love You,I Love You"
いっぽう、こちらは試聴版ですが、リアルタイムの演奏です。
歌詞はこちらです。
「カーナビーツ」名付け親は「星加ルミ子」
カーナビーツの名付け親は、何と、当時ミュージック・ライフという雑誌の編集長で、ビートルズの独占インタビューに成功した事で話題だった星加ルミ子(ほしかるみこ)さん。
THE #BEATLES and #星加ルミ子 pic.twitter.com/p7exYO8lVw
— izumi man (@izumiman1961) 2021年10月17日
上の写真でポールが見せているのが「ミュージック・ライフ」。配っているのが星加ルミ子さんです。
カーナビー・ストリート
「カーナビーツ」の名前は、当時流行の先端を行っていたロンドン、「カーナビーストリート」から取ったんですね。
この「イケてる」ストリートには、当時の「今をときめく」ローリング・ストーンズやザ・フーもたむろってたようです。
「カーナビー」の英語表記は「Carnaby」ですが、日本人としては「ビー」という音が来れば「ト」を続けたくなったとしても不思議ではありません。
「ビートルズ」も「Beetle」という「甲虫」という意味の言葉に「ビート」というロックの基本のワードを入れ込むために、「ee」を「ea」に一文字だけ変えて「Beatles」にしたわけで、そのやり方を見習ったとも言えます。
なので、「カーナビーツ」は英語表記では「Carnabeats」ということになります。
このへんの事情については、こちらの記事が詳しいです。
ゾンビーズの「アイラブユー」
で、こちらが本家のゾンビーズ。
Zombies " I Love You " 作詞作曲はChris Whiteクリス・ホワイト(ベース)
この映像でのベースはキンクスのベーシストでもあったJim Rodfordジム・ロッドフォードです。
こちらもかなり後年の、つまり最近の映像ですね。
歌詞はこちらです。
別の曲ですが、ゾンビーズの全盛期リアルタイム版はこちら。
Zombies "Tell Her No" 作詞作曲は Rod Argent ロッド・アージェント(キーボード)
この映像で、スタンドマイクでコーラスを入れているベース奏者がChris Whiteクリス・ホワイトです。
同じステージだと思われますが、ヒット曲をもう一曲。
Zonbies " She's Not There " 作詞作曲 Rod Argent ロッド・アージェント(キーボード)
こうやって同じバンドの新旧の演奏を聞いて見ると、ヒットしたリアルタイムのパフォーマンスにはその時にしかない「なにか」がありますね。
それは体力的な余裕、精神的な余裕というわけでもなく、また、その「熱量」にしても、年を取ってからも変わらない気がします。
何でしょう、単純に「若さ」でしょうか。
人生のその時期、その季節、そのシーズンにしかない、何か。
というわけで、「ふたりのシーズン」原題"Time of The Season"
"daddy"は「お父さん」ではなかった
この曲、歌詞の2番1行目 "What's your name?" の次の2行目に "Who's your daddy" という言葉があって、「君のお父さんは誰?」と、初対面の女の子にいきなり聞いてるわけ?へえ〜、お父さんと張り合っているのかあ、ずいぶん強気だなあと思っていました。
ところが実は、"daddy"は「お父さん」ではなく、英語のスラングで「恋人」を意味するのだ、ということを最近知りました。
それなら、「彼氏いるの?」ってことで、すんなりつながりますね。
「お熱い」系の曲だった
この曲をカバーしているアーチストは数え切れないほどいますが、私が注目したのはこちらのバージョンです。
彼女は、Haley Reinhart(ヘイリー・ラインハルト)
ゾンビーズ活躍当時のサイケデリックデザインに超ミニというスタイルで、なりきっています。
彼女はこちらの記事でもご紹介しましたが、「お熱いのがお好き」系の曲が得意みたいですね。
ということは、この「ふたりのシーズン」も、かなり「お熱い」系の曲だということが分かりました。そのつもりで解釈して聞いてみようと思います。
歌詞はこちら。
今回のお話
今回は、カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」と、元歌のゾンビーズ「アイラブユー」を聴き比べて深堀りしていたら、ゾンビーズ最大のヒット「ふたりのシーズン」の"daddy"は、「お父さん」という意味ではなく「恋人」という意味であって、さらに、この曲自体、とても「お熱い」系の曲だということが分かった、というお話でした。
そう思ってみれば、ビートルズ「Come Together」にも似た特徴的なイントロには、思わせぶりな「ためいき」が入っていますね。
と書いた、最後の最後で気が付きましたが、"daddy"に対応する言葉は"baby"なのではないかと。
気に入った女性、恋人に対する呼び方「ベイビー」はよく知られていますが、もともと「赤ちゃん」という意味ですね。
「赤ちゃん」のそばにいる男は「お父さん」という図式から "daddy" という言葉が出てきたのではないか、なるほど!と、大発見をした気になっている私です。