一音九九楽

一音九九楽

いちおんくくらく★ひとつの音からたくさんの楽しいこと

カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」の元歌は、ゾンビーズの「アイラブユー」であった。

カーナビーツ版「好きさ好きさ好きさ」

カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」ライブ演奏、デビュー当時の映像ではなく、雑音バリバリでまともに聞けるレベルではないですが、貴重な映像です。

 

「懐メロ」扱いですが、土居まさるさんが元気に司会しているので、かなり以前の映像ですね。

 

ドラムのアイ高野がメインボーカルで、決めゼリフ「おまえのすべて〜」(「おまえのしゅべ〜て〜」と舌足らずに発音するところがウケてましたね)を叫びながら、右手のスティックを見ている人に向かって突き出して、左手はスティックを持ったままほっぺたに当てる、というパフォーマンスで有名でした。

 

この映像ではもう「常識人」が顔を出してますが、リアルタイム当時は、この映像よりもっともっとサイケデリックで「チャラい」イメージでしたね。

 

Carnabeats"I Love You,I Love You,I Love You"

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いっぽう、こちらは試聴版ですが、リアルタイムの演奏です。

好きさ 好きさ 好きさ

好きさ 好きさ 好きさ

  • ザ・カーナビーツ
  • 歌謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

歌詞はこちらです。

「カーナビーツ」名付け親は「星加ルミ子」

カーナビーツの名付け親は、何と、当時ミュージック・ライフという雑誌の編集長で、ビートルズの独占インタビューに成功した事で話題だった星加ルミ子(ほしかるみこ)さん。

上の写真でポールが見せているのが「ミュージック・ライフ」。配っているのが星加ルミ子さんです。

カーナビー・ストリート

「カーナビーツ」の名前は、当時流行の先端を行っていたロンドン、「カーナビーストリート」から取ったんですね。

 

この「イケてる」ストリートには、当時の「今をときめく」ローリング・ストーンズやザ・フーもたむろってたようです。

 

「カーナビー」の英語表記は「Carnaby」ですが、日本人としては「ビー」という音が来れば「ト」を続けたくなったとしても不思議ではありません。

 

「ビートルズ」も「Beetle」という「甲虫」という意味の言葉に「ビート」というロックの基本のワードを入れ込むために、「ee」を「ea」に一文字だけ変えて「Beatles」にしたわけで、そのやり方を見習ったとも言えます。

 

なので、「カーナビーツ」は英語表記では「Carnabeats」ということになります。

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e6/Londons_Carnaby_Street%2C_1966.jpg

当時のカーナビー・ストリートの様子 wikiより

 

このへんの事情については、こちらの記事が詳しいです。

music-calendar.jp

 

ゾンビーズの「アイラブユー」

で、こちらが本家のゾンビーズ。

Zombies " I Love You " 作詞作曲はChris Whiteクリス・ホワイト(ベース)

この映像でのベースはキンクスのベーシストでもあったJim Rodfordジム・ロッドフォードです。

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こちらもかなり後年の、つまり最近の映像ですね。

歌詞はこちらです。

 

 

I Love You

I Love You

  • ゾンビーズ
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

別の曲ですが、ゾンビーズの全盛期リアルタイム版はこちら。

Zombies "Tell Her No" 作詞作曲は Rod Argent ロッド・アージェント(キーボード)

この映像で、スタンドマイクでコーラスを入れているベース奏者がChris Whiteクリス・ホワイトです。


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同じステージだと思われますが、ヒット曲をもう一曲。

Zonbies " She's Not There " 作詞作曲 Rod Argent ロッド・アージェント(キーボード)

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こうやって同じバンドの新旧の演奏を聞いて見ると、ヒットしたリアルタイムのパフォーマンスにはその時にしかない「なにか」がありますね。

それは体力的な余裕、精神的な余裕というわけでもなく、また、その「熱量」にしても、年を取ってからも変わらない気がします。

 

何でしょう、単純に「若さ」でしょうか。

人生のその時期、その季節、そのシーズンにしかない、何か。

 

というわけで、「ふたりのシーズン」原題"Time of The Season"

 


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"daddy"は「お父さん」ではなかった

この曲、歌詞の2番1行目 "What's your name?" の次の2行目に "Who's your daddy" という言葉があって、「君のお父さんは誰?」と、初対面の女の子にいきなり聞いてるわけ?へえ〜、お父さんと張り合っているのかあ、ずいぶん強気だなあと思っていました。

ところが実は、"daddy"は「お父さん」ではなく、英語のスラングで「恋人」を意味するのだ、ということを最近知りました。

それなら、「彼氏いるの?」ってことで、すんなりつながりますね。

「お熱い」系の曲だった

この曲をカバーしているアーチストは数え切れないほどいますが、私が注目したのはこちらのバージョンです。


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Time Of The Season (feat. ケイシー・エイブラムス)

Time Of The Season (feat. ケイシー・エイブラムス)

  • ヘイリー・ラインハート
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

彼女は、Haley Reinhart(ヘイリー・ラインハルト)

ゾンビーズ活躍当時のサイケデリックデザインに超ミニというスタイルで、なりきっています。

彼女はこちらの記事でもご紹介しましたが、「お熱いのがお好き」系の曲が得意みたいですね。

ducksfly.hatenablog.com

ということは、この「ふたりのシーズン」も、かなり「お熱い」系の曲だということが分かりました。そのつもりで解釈して聞いてみようと思います。

歌詞はこちら

 

今回のお話

今回は、カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」と、元歌のゾンビーズ「アイラブユー」を聴き比べて深堀りしていたら、ゾンビーズ最大のヒット「ふたりのシーズン」の"daddy"は、「お父さん」という意味ではなく「恋人」という意味であって、さらに、この曲自体、とても「お熱い」系の曲だということが分かった、というお話でした。

 

そう思ってみれば、ビートルズ「Come Together」にも似た特徴的なイントロには、思わせぶりな「ためいき」が入っていますね。

 

と書いた、最後の最後で気が付きましたが、"daddy"に対応する言葉は"baby"なのではないかと。

 

気に入った女性、恋人に対する呼び方「ベイビー」はよく知られていますが、もともと「赤ちゃん」という意味ですね。

 

「赤ちゃん」のそばにいる男は「お父さん」という図式から "daddy" という言葉が出てきたのではないか、なるほど!と、大発見をした気になっている私です。